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日にち薬

「日にち薬」という言葉。私は瀬戸内寂聴さんの本、「あおぞら説法」で知りました。関西のほうでは使われる言葉だそうでそれまで私は知らなかった。それでいて、「日にち」と「薬」を合わせただけなので、前から知っていたような感じもしましたが。

時間の経過が薬になる。当たり前のように思うけど「日にち薬」と言葉にするとあたたかい感じがします。


そのことと同時にやっぱりすぐに人を癒す、元気にすることなんて難しいのだろうと思います。身近な人が亡くなった時はすぐに元気になるなんてことは出来ないとは思いますが、日常の落ち込みは、声をかけたり、話を聞けばなんとかなると思っていました。

以前妻が仕事で落ち込んでいたとき、「元気出して」と言ったら、「いつも元気じゃないとダメ?」と言われたことがありました。

元気でいてほしいの気持ちも、元気でいてもらわないと困るという私の欲なのかと思いますが、一緒にいる人が元気じゃないとこちらも暗い気持ちになります。

時間が薬になることは分かっていても、その場をなんとか出来ないかあがいています。うまくいかないことばかりだけど。

ホスピス医で多くの患者さんを看取られた、小澤竹俊さんの「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」の中に

「人のために灯をともせば、自分の前も明るくなる」

という言葉がありました。何をすれば良いのか分からないけど、良い言葉だと思った。どこかに貼っておこう。

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