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検証PoC@荒木町の結果を報告します!

7/8に、検証PoC@荒木町を開催しました。今回は全日本芋煮会同好会さんと弊社の事務局チームのみで、ぼうさいこくたいで配布するリーフレットのコンテンツの開発・検証を行いました。


今回の参加者は、”おしごと男子”

今回の参加者はNTTデータ経営研究所の現役&OB陣。普段、おしごと中心の日々を送っているなか、いざという時は自分と家族、地域コミュニティを守る”レジリエントな男子”となることをめざし、今回のPoCに参加します。

3人ともグレーのトップスで決まっています!


そしていつもの事務局軍団

そんな3人をお迎えするのは、本プロジェクトのOriginal4。アンディさん、マイコーさんの全日本芋煮会同好会のおふたりと、NTTデータ経営研究所の2名。今回も両組織がタッグを組んで検証計画を練り上げてきました(突貫工事型で寝不足気味)。

お揃いの芋煮会Tシャツで目つきも鋭いですが、ガチなイモニストは左のお二人だけ。
右側2名は”なんちゃって”ですね。

今回の会場は、四谷・荒木町のキッチン付きレンタルスペースのワン・キッチンさん。前回のSUIBAに続き、恵まれた環境でのPoCとなります。


今回のPoCの目的は3つ

今回のPoCは、大きく3つの項目の検証を目的としています。
 ①最低限必要な装備を作ってみる
 ②ぼうさい芋煮のレシピを開発してみる
 ③平時からの望ましい買い物・食材備蓄を考えてみる
それぞれの実験、施策、机上スタディを通して、9月のぼうさいこくたいで発表するリーフレットのコンテンツを決めていく予定です。
また、実際に手を動かしてみて、”おしごと男子”だちが、家族やパートナーから尊敬の眼差しを得るようになることも、大事な裏ミッションです。


検証項目1:最低限必要な装備を作ってみる

今回の第一部は工作タイムです。某自治体が配布している「防災本」をもとに災害時の食や調理に必要な「お皿」と「コンロ」とを試作してみます。箸やスプーン、鍋などは震災時にも壊れにくいですが、コップやお皿は別。万が一に備え、ペットボトルで作成するとともに、それが「あったかぼうさいスープ」のに耐えうるか検証してみます。

ペットボトルをカットするだけ!おしごと男子でも楽々!
少し危なそうなので、ラップで切り口をマイルドに。これで安心。
ちょっと熱いけれど、少し大きめ作って上の方を持てば大丈夫

結果はご覧の通り、大成功。これは簡単で、かつ温かい食事、スープ類でも対応できそうです。水の備蓄も災害対策のマストアイテムですので、いざという時の”うまい循環”につながりそうです。

続いて、今度はコンロ!
空き缶とアルミホイル、サラダ油、タコ糸orティッシュペーパーで作成できるとのこと。こちらも早速、実作してみます。頑張れ、おしごと男子!

身近な材料だけで作ります!
この先に火が付く想定
サラダ油注いで、完成!

工作自体は予想以上にスムーズに進行。早速、コンロに点火し、芋煮の鍋をかけてみます!Let's Go!

https://youtu.be/XAOoXDZ521M

都市生活者の自助力向上を目指す私たちとしては素直に、カセットコンロとカセットボンベの備蓄を強く推奨します!

検証項目2:ぼうさい芋煮のレシピを開発してみる

今回の重要な検証の一つが、「ぼうさい芋煮」のレシピ開発です。東北各地の芋煮は、牛肉や豚肉などの生鮮食品が材料に含まれています。また、芋煮と言えばサトイモですが、そもそも各家庭に必ず在庫がある、というタイプの食材ではありませんし、また、春から夏にかけては市場に出回りにくい時期もあります。長期間の停電にも対応でき、災害時に調理可能なメニューの開発に向け、①生肉を使わない&②サトイモを使わない「ぼうさい芋煮」の検討し、この日を試作を行いました。

もちろん、ありものの素材でスープをつくること自体は、難しいことではないかもしれません。一方で、私たちがめざしているのは、「災害時であっても温かくて、栄養と水分が豊富で、ココロも温まるスープ」です。
災害時に的確な判断を行うことは容易ではないことは広く知られていますが、その原因の一つとして、疲れや栄養不足、飢えへの恐怖などがあると考えられます。「生きのびれば良い」というスタンスではなく、「災害時だからこそ、普段と同じ、もしくはそれ以上に栄養のバランスが取れた食事」を準備するノウハウを私たちは準備したいと考えています。
実際に厚労省が避難所で推奨するエネルギー量・栄養素は下記の通りで、結構”しっかした”食事を想定しています。

https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/hinan_kousei.html

芋煮に関して言えば、牛肉、豚肉などの生肉を使わずに、かつ、各家庭にごく普通にあっておかしくない日持ちする食材で、このたんぱく質量をどう実現していくかが大きなテーマになります。そこで開発したのが、下記のぼうさい芋煮A、Bの2つのレシピです!味の検証のため、従来型の宮城風芋煮も調理しています。

災害時を想定し、野菜の皮は剥かないなど、スピード・省手間重視

検証結果は概ね良好。実際に調理をした3人のお仕事男子に「どれが一番美味しかった?」と尋ねたところ。見事、従来型の宮城風芋煮、ぼうさい芋煮A・Bで一票づつ意見が割れました。これって成功ですよね???

肝心のぼうさい芋煮A・Bのレシピですが、こちらは、もう少し改良した上で、「ぼうさいこくたい」で発表します!(勿体ぶっていますが、至って普通の食材なんですけれど。)


検証項目3:平時からの望ましい買い物・食材備蓄を考えてみる

こちらも、今回の検証のハイライト。このPoCに先立ち、おしごと男子たちのご家庭の冷蔵庫の中身を書き出して頂くとともに、「今、大地震が来たら、どう三日間しのぐべきか」を、芋煮会同好会のマイコーさん中心に検討して頂きました。
この調査、実施してみて実に良かったですね。次の3つのことに改めて気づかされました。
 ①どの食材を残し、どの食材を早く消費すべきか、その戦略づくりが必要
 ②時間がたつにつれ、接種がむずしくなりがちな栄誉素がある
 ③冷蔵庫を振り返れば、これから何をすれば安心かがわかる

一例だけ、おしごと男子宅の冷蔵庫の中を覗いていみましょう。

お子さんのいる家族の例

続いて、こちらをベースに全日本芋煮会同好会のマイコーさんにお考え頂いた3日間のレシピがこちら。マイコーさん、試作までして下さっています。

初日ののっけは、バニラアイスを活用したクリームシチューが登場。美味だったそうです。

PoC当日は、この中から、素材が限定されてくる3日目のレシピに着目。栄誉素が足りているかどうか、みんなで計算し、確認してみました。その結果がこちら。

足りていない!
総カロリー量はご飯の量で調整できるかもしれませんが、たんぱく・ビタミンについては、工夫をしないと、日を経るごとに摂取が難しくなっていくことが伺えました。
PoCの最終ラウンドでは、〇〇家がより一層レジリエントになるための処方箋をみんなで考えます。この成果は、ぼうさいこくたいで配布するリーフレットに十分に生かしていきたいと思います。

普段から日持ちの良い食材を上手に取り込みながら、
美味しくバランスの良い食事を心がけるのが、レジリエントな暮らしには良さそうです

以上、長文のレポート、ご拝読頂き有難うございました。
近々にまた、ポジティブなニュースをお知らせできるかと思います。
”おしごと男子”たちも、実際に手を動かしたり、自らの暮らしをエビデンスベースで率直に振り返ることなどを通して、すこしだけ自信に満ち溢れてきたようです。

おしごと男子、事務局ともに、お疲れ様でした!

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