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年寄になったと思う時

 コーヒーの飲み過ぎによるものであろうか。いやいや単に歳を取っただけであろう。尿漏れが止まらない。トイレに行って十分に尿を切ったつもりでも、後から椅子に座った瞬間とかに少量漏れるのだ。気持ち悪い。潔くトランクスは捨てた。ブリーフに替えて、尿取りパッドを貼り付けることにした。情けない話である。
 眉毛と耳毛がやたらと伸びる。これも年寄りの証拠らしい。自分ではなかなかうまくできない。理容室でしてもらう。
 数年前、鎌倉でバスと電車で席を譲ってもらった時はショックだったが、今は譲られても当然のように感謝しつつ座るだろう。北九州ではこんだ状態でバスや列車、電車に乗る機会はないので、譲られたことはないけれど。
 プランターの花をいじっていたら、数分で腰が悪くなる。姿勢が悪いのだろうけれども、それも歳を感じる。
 加齢臭はしない。多分。臭いと言われたことはない。孫でもいれば、もし臭かったら、正直にいうのだろうけれど、孫はいない。だから実はお爺ちゃんではない。
 歩くスピードは誰よりも早かったはずだったのだが、最近ではハイヒールを履いた女性にも軽々と抜かれて離される。情けない話である。
 懸垂、逆上がりが出来なくなった。会社に勤めていた頃はできていたのだが、できなくなった。筋力が落ちている。
 何かを食べたらすぐ歯と歯の間に食い物が挟まる。気持ち悪い。フロスと歯ブラシが必須である。
 ふと気づくと妻も婆さんになっていた。鏡を覗くと1人の老人が映っている。子供も一番下の子が28歳である。老けて当然であろう。それでもあと20年は生きるだろう。早死にしては勿体ないので、元気でいるうちは長生きがしたい。
 
 
 
 

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