読書について(葉室麟)
作家葉室麟が亡くなってもう何年になるのだろうか。その頃、母親が、葉室麟の小説を読んだことがないから、見繕って送ってほしいといってきたことがある。老齢なので、本屋に行くのが辛いので、稀にそういって依頼をすることがある。最近でもエッセイ集が読みたいので、お薦めの本を送ってほしいといわれたので、BOOKOFFに行って、100円の文庫本の中から、適当なものを選んで贈ったことがある。
葉室麟は僕の大学の大先輩に当たる。そのうえ小倉生まれの人だ。その割に母親に依頼されるまで、1冊も読んだことがなかった。藤沢周平のような作家だろうと思っていただけだったのだが、母親に言われてから、大急ぎで数10冊、100円のものを買って、1日3冊ペースで読んだ。
アットホームな感じのする時代小説である。悲惨な結末も何か暖かいものを感じ、痛快な結末のものもある。幾つか映画化もされている。もっとも映画は見てはいないが。
1日3冊のペースで読むというのは読みやすく、面白いからに相違ないが、それだけの本を贈られた母親は、もういらないとわざわざいってきた。母親の読むペースでは相当日数を掛けないといけないだろうから、あきれたのだろう。ピックアップして数冊に絞ってあげればよかった。
最近病気のせいで本を読むことが滅多になくなってきたが、そのことをふと思い出し、また何か面白そうな本を探そうかな、という気になりつつある。
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