雀荘開業について(資金編)

麻雀大好きなかたで、雀荘を経営してみたいというかたはちょくちょくいらっしゃいます。僕は相談に乗ることがよくあります。大抵の場合、そんなに儲かるもんじゃないからやらないほうがいいよって伝えます。でもね、それでもやりたいって言われることもあるんです。そんなわけで、雀荘開業について詳しく書いていきます。

僕は29歳で最初の雀荘を開業。雀荘経営は、これまでビルト&スクラップを繰り返して26年目です。現在はイーソーという雀荘を大阪の梅田と難波の2拠点。梅田は2フロア18卓、難波は3フロア24卓です。大阪市内でも大型です。営業許可は10回以上とりました。

[1]物件契約に関する費用

これは、場所、建物のグレード、広さ、新しさなどで様々です。

気になる物件があれば、まずは風俗営業法の許可が得られる地域かどうかの確認が必要です。

・商業地域など適正な地域に物件があるのか?
・文部科学省が認定する学校などの施設から100m以上離れているか?
・入院施設のある医療機関から100m以上離れているか?

これらをクリアしたら、今度は物件自体になります。

・大家さんが麻雀店の営業を許してくれるのか?
・建築基準を満たしているか?
・消防設備はあるのか?

建築基準に満たない場合や消防設備が不備だった場合には、大家さんと相談しましょう。大家さんが負担(大家さんにより様々な場合があります)してくれることもあります。

ここからは、具体的な費用についてです。

物件契約時
①日割り家賃と共益費(当月分)
②前払い家賃と共益費(翌月分)
③保証金または敷金・礼金
④火災保険料
⑤家賃補償会社契約料
⑥不動産仲介料(家賃の50%と消費税)

⑦は、契約当日ではありませんが、これを満たさないと営業許可を取得できません。

⑦消防設備費用(避難誘導灯、非常用電灯、非常用電源回路、避難梯子、非常ベルなど)

[2]内装工事に関する費用

次に、契約を締結したら内装工事です。これも物件ごとにまちまちなのでスケルトン状態からの最低限の費用をあげます。空家賃がもったいないなら、物件を見る際に図面をもらって、内装業者さんと同行すると良いです。内装工事の見積もりが出る頃に、物件契約を合わせると良いでしょう。

①照明、換気扇、エアコン、コンセントなど電気工事
②天井、壁のクロス、床の張替えなどの大工工事
③カウンター、流し、冷蔵庫、電子レンジ、棚、食器類などの備品
④麻雀卓、椅子、サイドテーブルの麻雀卓一式
⑤看板や窓枠のサイン
⑥営業許可を行政書士に依頼した時の費用

④自動配牌の卓を一式揃えたら100万円かかると想定してください。原則リースはありません。現金一括払いと思ってください。卓数×100万円を念頭に予算組みしてください。中古卓などだと1卓70万円くらいに圧縮可能です。

⑥印紙代を含めて30万円みてください。

その他の部分は、オーナーがどれだけの予算でやるのか?どんな店を作りたいのか?などによって変わります。

雀荘開業は自己実現です。なので自己満足というふうにも考えられます。なので予算と照らし合わせて考えてください。折角やるからには、5年、10年と続けられる息の長い店にしたいものです。そこで次の項目です。

[3]運転資金

まずは、開業する前に営業をシミュレーションしてください。一日にかかる支出は多めに、収入は小さめに。それを1ヶ月に換算。そこから家賃、光熱費、その他1ヶ月単位の費用を減じてください。ちゃんとプラスになっていますか。この時点でマイナスなら、絶対に雀荘開業すべきではありません。思い直してください。まだ間に合います。

ここで、収入を70%で見積もってください。それが3ヶ月続いたとして、それでやっていけるだけの資金を、当初の予算から別に確保してください。貴方が心配性なら、収入を50%で6ヶ月耐えられる資金を確保しておきましょう。

この10年、小規模な店舗が生まれては消えていきました。そのほとんどが運転資金が不足しての撤退です。そうならないためにも、是非是非運転資金を確保しておきましょう!

僕は29歳の時、800万円の予算でした。麻雀卓は中古3卓、新品3卓で麻雀卓費用200万円借入しました。運転資金200万円を確保しての船出でした。運転資金を確保するために麻雀卓の借入をした感じです。

開店日を迎え、そこから最初の1ヶ月は休まずに営業しました。遮二無二働きましたが、毎日不安よりもワクワクが優っていました。もう懐かしい思い出です。

今回はこれくらいです。何かご相談があればご連絡ください。

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