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まなざしの包容力——岩崎俊一 幸福を見つめるコピー展

「ジャムなのに、果実」にハッとさせられた駆け出しの頃からずっと、やさしくグサッと刺さる言葉に魅了され続けていた。「毎日ビールを飲んだ。それでも渇いていた」とか、どうしようもなく素敵だったなぁ。


誰もが言うように、その言葉の根底には人や社会への確固たるまなざしがあったのだろう。ただそこには、単なる暖かさだけでなく、諦観のような醒めた部分があったように感じる。人の限界を知っているからこそ、人を包みこむようなコピーが生まれてきたんじゃないかと思う。


まずは受けとめ、飲み込んで、それから立ちあがる。その脚力が問われているのかもしれない。「一度、ふられていらっしゃい」は、そういうことだったのだろうか。


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