「寝室で家族旅行」小心者育児日誌~新生児編⑨~

 赤ちゃんの熱中症に気をつけなくちゃね~なんていう話を妻としていたら、自分が熱中症っぽくなってしまった。

 相変わらず暑い日が続く。そして、大将は日に日に、身体の様々なくねらせ方を覚え(反るようになったので、本当に持つとき怖い)、猫のように泣くときも鳥のように泣くときもある。

 このところは、午前中のうちに家事や大将の沐浴を済ませ、午後は寝室に家族3人で閉じこもる生活がつづいている。
 リビングは西向きで、どうしても午後、暑くなる。それに、リビングのエアコンを動かすと、室外機の風が洗濯物に直撃してしまう。

 それで、家族3人で、寝室に布団をしいて、各自ゴロゴロしながら過ごしている。
 昼間から布団をしいてゴロゴロしていると、なんとなく、旅行に来た気分になる。
 寝室の狭いスペース、というのも、安い旅館に来た感じがしていい。
 窓を開けると、見慣れた景色が見えてしまうので、エアコンをかけ、くもりガラスを締め切っているのがまた、別の場所に来た感じがする。
 また、おそらく朝の延長線上でグズグズしているだけでは、この旅行気分は味わえない。
 午前中のうちはリビングで過ごし、お昼過ぎに、寝室の布団をしきなおし、寝転がるというのが、とても非日常な感じがする。
 そうして夕飯の準備を行うまで過ごす。もっとも大将が泣き出せば、大人たちはグズグズ、ダラダラしてはいられなくなる。

 そんなことを思っているのは私だけで、妻はもちろん、大将などはまったく思っていないに違いない。

 貴重な育休も半分くらいが経過した。こういう日常の生活は、いつまでも続くように見えるが、特別な家族旅行と同じくらい、一度きりで、貴重で、すぐに終わってしまうものだから、何事にもかえがたい。