坊青泉

自由律俳句と日記

坊青泉

自由律俳句と日記

最近の記事

日記(五)—旅情—

 旅情とは素晴らしいものだ。 純粋に心の奥深くへしみじみと深く感じる。 人に触れ、海を見、山を見、空を見、花を見、生きる意味を求める姿は生命らしい。 そして、私は、旅空の下で酔っ払う。 私らしい人生である。 私の生きた証を、何らかの形で、この世の片隅に残しておければそれで良いのだ。 ----------------------------------------------- ・自由律俳句  ・世に優しい月だ  ・人知れず霞となってゆかう -----------------

    • 日記(四)箱根の思い出

       リゾートバイトをしていた時分、とある中華料理人と出会った。懐かしい思い出だ。 箱根の秋が深くなった頃、澄み切った夜空を共に歩いた。 なんと良き夜空だったことか。なんと良き体験だった事か。(年は親子ほど離れていたものの) たまたま火球が夜空を横断し、夜空の美しさに旅情を噛み締めた。しかし、欲張りを言えば金時山にぽっかりと顔を出す月を仰ぎたかったものだ。 加えてすすきの原に差し込む満月を見られなかった事は後悔である。 だが、あの時の私達は自由であった。人生が美しかった。 私の箱

      • 日記(三)(嬬恋村の思い出)

         キャベツ仕事は大変であった。しかし、1年経った今、懐かしく貴重な時間だったように思う。 カンボジア人との交流、サマーウォーズの舞台となった真夏の長野県上田市を車で走り去る。ぎらぎらとしたお天道さんに勘弁してくれと風を請えば、涼しき山風が麦稈帽子と日焼けした肌を掠めて行った。 これぞ旅情という実感を得られた。旅は良い体験になる。  やはり、人生に旅は必要である。 学校を卒業し、多種多様の仕事や経験を経ずに同様な会社に骨を埋める。それも一部の人間にはよかろう。 しかし、私は、多

        • 夏旅の追憶

        日記(五)—旅情—

          日記(ニ)—砂肝—

           酒飲みがフラフラとした心地で砂肝を焼く。 粗方焼き目が付いたら少しつまんでみる。 ゴリゴリとした歯応え、肉らしい味わい。 この味と歯応えが癖になるのだ。 頷きながら砂肝を噛み砕く。 砂肝は酒飲みの定番である。 これからも食べていきたい。 -------------------------------------- 自由律俳句 ・生きて疲れて砂肝の味 ・夜を砂肝の音で満たす --------------------------------------

          日記(ニ)—砂肝—

          日記(一)—揚げ出し豆腐—

           質素に過ごした一日が温かく暮れていく。 穏やかな感情が溢れ、帰路の歩調は静かである。 帰宅したら揚げ出し豆腐を作り、酒をなみなみと注ぐのだ。今日も沈んでいこう。 ---------------------------------------- 自由律俳句 ・酒で遠くなる吊り縄の匂い ----------------------------------------

          日記(一)—揚げ出し豆腐—

          酒から生まれた自由律俳句(一)

           わたしも段々と酒飲みらしくなってきたのではないか。 酔えば静かに滝壺へと落ち、溺れていく。 素直に、綺麗に、どっぷりと、体の端から端まで溺れる。 水底の砂や藻のように。 まあ、己の溺れている様子を知る暇はないが。 ---------------------------- 自由律俳句 ・さすらってさすらって唐揚げを味わうて味わうて ・酒のメロディー酔うて歩くよ芦ノ湖の月 ・月光差す布団へ落ちる ---------------------------- 夜の芦ノ湖は猪が闊歩する

          酒から生まれた自由律俳句(一)

          酒と自由律

          人生という悪い夢の中にあっても、心地の良い夢を見ていたい。 私は人間生活の合間に酒を飲む。時にはべろべろになるまで。 酒に酒を注ぐ生活に恥じらいはない。 心ゆくまで酒の滝壺に溺れたい。 それで人生の矛盾が霧中に消えるのならば尚良し。 ---------------------------------------- 自由律俳句 ・ふらふらと舞踏す酒楽浄土にて ・澄みわたる月を観るに酒 -----------------------------------------

          酒と自由律