サビから始まる曲10選

 ぼうはちと申します。今回はマイリスコンピ(@mylist_compi )さん主催の「サビから始まる曲10選」に参加させていただきます。

01.文学少女インセイン/カラスヤサボウ

 カラスヤサボウ節全開のリンロック。「プロパガンダ」に失敗した者の激情を文学作品の引用と絡めて「お道化」させた歌詞が、この曲を雰囲気がカオスなだけの中毒ロックではない、深みのある作品へと昇華させています。1回目に聞いた時と現在で感じ方が変わってくる曲です。

 僕も君もあいつもこいつもどいつも 唯の馬鹿(結論)

 ちなみにこの曲はよっぺいさんの歌ってみたもおすすめです。

02.透明エレジー/n-buna

 言わずと知れた名曲ですね。この曲の魅力は語るに尽きないのですが、僕が一番好きなのは何と言ってもサビの後のメロディーです。激しいロックサウンドの中に鳴るシンセが、訳の分からないような感情の奔流の中、強く心を締め付ける悲哀を表現しているようで素晴らしいです。あのメロディーは言葉こそ持っていませんが、透明エレジーという曲の中で最も雄弁に「哀」を語っていると思います。

03.メテオチェイサー/田中B

 僕がことあるごとに推している曲です。去年の初音ミクの誕生日に投稿されたこの曲のどこが好きかというと、圧倒的な爽やかさです。重たいものを抱えつつも、終始前向きに、爽やかに歌い上げるミクさんが最高です。VOCALOIDソフトのエディター画面を動画に採用しているのもポイントが高くて、一定のスピードで動き続ける譜面が、どこまでも共に走っていけるような、心地よい疾走感を感じさせてくれます。

04.ちがう!!!/カルロス袴田(サイゼP)

 カルロス袴田さん(サイゼP)の名を一躍有名にした本作。ぼからんで3位になった時のコメントの「なんだこいつは…」感が面白かったです。一見すると色物感が強いように感じますが、ミクとウナの親しみやすいキャラクター性が、サイゼPという一人の人間の持つ人生観を力強く、優しく描き出している曲です。(サイゼPの作品全般に言えますが)ウナの人間離れしたシャウトにかぶせて優しいことを言うミクさんは実は照れ屋さんなのでしょうか。

05.私、案山子/あめのむらくもP

 サビ始まりと聞いて最初に思い浮かんだのがこの曲です。とにかく“私、案山子”というフレーズの、一回聴いたら絶対に忘れられないようなインパクトがすごい。そしてそのインパクトが最大限に生かされるサビ始まりの構成。それでいて全体的にはとても繊細な作品になっているのが流石です。

06.なりすましゲンガー/ KulfiQ

  キャッチーなメロディーとギターが気持ちいい曲。だけど歌詞は思春期特有の孤独感・自己嫌悪たっぷりで、そのバランス感覚が好きです。ラスサビは“君の影にずっと隠れて いつか照らされて このまま消えちゃえば、それでいいな”という現状に対する諦観で締められているのですが、その後に歌詞とは不釣り合いな明るい声の「いえい!」が入っているのも良くて、明るすぎないけど辛すぎない、という、ちょうどいい配分なんですね。(でもその声も無理して絞り出した声のようにも聞こえて…)

 ちなみに僕がランニングをしてたときに聴いてた音楽は大体この曲でした。(BPMが丁度良かったので…)そのせいか、未だにこの曲を聴くと夜の川沿いの景色を思い出します……意外と合ってるかも?

07.トーキョー・ミクサー/しじま

   “蕩々問うよ トーキョー・ミクサー”の語呂の良さが印象的なサビから始まる曲。わちゃわちゃしたお祭りソングにしじまさんのテイストが絡み合って独特の雰囲気を形作っています。「理性的な狂気」なんてどうでしょうか。

08.さよならワンウェイハート/daniwell

 珍しいdaniwellさんのロックサウンド。歌詞をワンフレーズごとに切った歌い方に、心を締め付けられるような感覚になります。daniwellさんはかわいい曲のイメージが強いですが、こういったシリアスな曲もこなせる作風の広さを持っています。

09.TYFW/23.exe 

 この作品は曲自体も素晴らしいのですが、そこに物語を与える役割を果たしているPVも最高なのです。ミクたちの“なんにもない場所”からのストーリーを丁寧に描写することによって、最後のメッセージがより感動的になっているーーーそんな分析が野暮になっちゃうくらい、この作品に心を打たれました。

 音楽に生きる人間の物語というのは人々の心を打つ普遍的なテーマではないでしょうか。

10.ラストナイトワルツ/Omoi

 アルバム「ファーストワルツ」のトリでもあるこの曲。最初からクライマックスという言葉がぴったりです。歌詞の一つ一つをゆっくりと、しかし力強く聞かせてくれます。最初のサビの後の「Let's go!」が可愛い。


 今回は(も?)有名曲が多めになりました。しかし、テーマを聞いて最初にリストアップした「サビから始まる曲」たちを聴いていると、何度も聴いたことのある曲にも自分の知らない魅力があることに気付けて面白かったです。それと同時に、曲を集中して聴けてないなあ…という反省もすることになりましたが(笑)

 

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