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爺婆になったなあと思った出来事

年の暮れ、相方とふたり忘年会をいたしました。
いつもの立ち飲みより、ちょっと小洒落た居酒屋さんです。

入り口で靴を脱いで、二段になった下足箱にふたり分の靴を入れ
銭湯のように番号札をとりました。


おまかせ5種おばんざい



かたい青葉にチェダーチーズがたっぷり
チーズが苦手な相方が要らないというので、ひとりで食べる羽目になりました。

おいしい料理とお酒を堪能して、お会計をすませ、
さて、帰る段になった時、
相方が下足箱に鍵を差し込んで、「開かないなあ・・」とガタガタしています。
横から覗き見ると、番号がちがっています。

「それ、百十八番だよ。二百十八番だからこっちじゃないの?」と私。
すぐ隣に鍵を差し込むもはやり開きません。

「開かないねえ・・ もっとこっちじゃない? どこだったっけ??」

下足箱についている金色のプレートにライトが反射してよく読み取れないのです。
ふたりでもたもたしていると、うしろから若い男性の店員さんが「こちらでございます。」と声をかけてくださいました。

「ありがとうございます。爺ちゃんだから老眼でよく見えないんですよ。」と笑いながら店員さんにお礼をいう私。

靴を取り出して出口にむかう相方さん。
その後についていく私のそのまた後ろから店員のお兄さんがついてきます。
店員さんの手には、私の運動靴がありました。

「あらやだ私、自分の靴を持たずに来てしまったのね。」

お兄さんは、私の足元にそっとよれよれの運動靴を置いてくださいました。

「やだ、汚い靴持たせちゃってごめんなさい!!」と恐縮至極・・
(ああ、もっときれいな靴はいてくるんだった・・)

若い店員のお兄さんに、あたたかく見送られて、なんだか自分たちが爺ちゃん婆ちゃんになった気分でした。

でもそれは悪くない愉快な心持ちだったのです。
よい〆の飲み会になりました。

今年一年、関わってくださった皆様にこころから感謝しています。

皆様、どうぞ それぞれのところで良い年をお迎えください。

2024年も どうぞ よろしくお願いいたします。