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米国配当貴族指数に投資できる、インデックスファンド紹介(でも結局はS&P500でいいんじゃね説)

最近、ツイッターで話題になっているのが、米国配当貴族指数インデックスファンドです。
↓にSBI証券のページを貼っておきます。

https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=20231122A&int_fd=fund:psearch:search_result

インデックスファンドと言えば信託報酬率。このファンドは、なんと0.1155%となっております!
通常のインデックスファンドと、全く同程度、と言っても差し支えありません。
同じようなファンドは、実はほかにもあります。
それは「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族
(愛称:Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族)」
という、ウザい愛称のついたファンドになります。全く同じ指数に連動するため、リターンはほぼ同じです。
こちらは信託報酬0.55%以内、信託財産留保額(ようするに売却するときにかかる手数料)は0.1%となります。
下に一応、SBI証券のページを貼っておきます。

https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=201311171&int_fd=fund:psearch:search_result

トレイサーズの方は、出たばかりなので、当然月次報告書はありません。代わりに野村の方の月次報告(22年9月末)を見てみると、平均配当利回りは2.7%となっております。
そこまで利回り自体は高くなく、あくまで「連続増配」を達成する上で、企業価値を健全かつ継続的に増強してきた会社、ということですね。
配当利回りに着目しながらも、「企業価値」を見出そうとしている指数だと感じました。
配当金もある程度はもらえる(これは投資信託なので、おそらく分配金は出さないと思いますが、事実上は出ているのと変わらないので、安心して投資してください)ことも、投資家としては、継続して投資しやすいと思います。

さて、こうなると、かなりいい指数に見えますが・・・
目論見書にも、何やら景気のいいグラフが示されており、みんな大好きS&P500を、ぶっちぎりでぶち抜いているグラフですね。


さて、実際にS&P500と、配当貴族指数、比べてみるとどうなのか・・・
ちなみに、すべて円建てで、配当込みのトータルリターンで比べています。
まずは5年リターンを見てみましょう。


配当貴族指数、5年


みんな大好きS&P500 5年

5年だと、0.6%程度、配当貴族指数が上回っていますね。
年率でこれだけ違うと、長期投資だとけっこうな金額差になると思います。
とはいえ、S&P500でも十分なリターンだと感じますが。

さて、次は本命の10年トータルリターンを見てみましょう。

(配当貴

配当貴族指数、5年


S&P500 10年


なんということでしょう、ほぼ同じという結果に・・・(笑)
ただ、この10年間は、GAFAMがかなり強かったので、S&P500が強かったということです。
その強いS&P500に勝っているということで、どのような状況でも、かなりの強さを発揮できると考えて良さそうです。

ただし、配当貴族指数は、リバランスを年4回行います。
4回もリバランスすると、その時の売買による売買費用が出てくると考えられ、基本的に売買しないS&P500指数とは、コスト面で劣後するとは思います。

あとは、組み入れ銘柄に石油会社が入っており、最近はこれらがすごいリターンを出したので、底上げされているように感じます。
組み入れ銘柄が64銘柄のため、分散効果もちょっと弱いかな、という気もします。
とはいえ、20銘柄以上に分散すれば、PF理論上は十分だそうなので、「増配を続ける強靭な企業」を64社なら、そこまで気にする必要はないかな、という気もします。

ただ、指摘する人もいるように、「配当貴族」という称号自体が、「増配を続けてきた」という結果論のため、事前にそれを察知して投資することは不可能、というところが一番の痛い点だと思いました。
また、当然ながら増配が停止してしまう恐れもあり、そうなるとその銘柄は切り捨てられることになるでしょう。

ネガティブなことも言いましたが、ポジティブなこととしては、GAFAMの限界点が見え始めた昨今、GAFAMリスクを避けるには、このGAFAMを含まない配当貴族指数はいいのではないか、ということです。
ただし、逆にGAFAMみたいな企業が新たに誕生すると、配当貴族指数では確実に取りこぼすことになります。
よって、状況に応じて強い時と、弱い時がある、という感じだと思います。
個人的には、だったら常に市場全体を押さえておきたいので、S&P500でいいや、と思っています。
さらに心配なら、中小型株指数である「ラッセル2000」に連動する、VTWOを組み合わせることで、疑似VTIみたいに運用することができます。
この方法だと、中小型株の割合を自由に設定できるので、中小型株が有利だと思えば、積み増してもいいでしょう。
ちなみに、このVTWOのリターンも、S&P500とそんなに変わらないです。ただ、状況によって、強い時期はあります。

配当貴族指数、悪くない指数だと思います。
しかし、S&P500という有能な分散できる指数から乗り換えるほどか、と言われると、少し躊躇します。
そして、結局はS&P500の銘柄なので、そこまでアウトパフォームも期待できないと思います。
それなら、いっそ個別株でもいいと思います。
タバコ株なんかは批判されていますが、高配当ゆえに指数を上回るリターンをたたき出しております。
案外、意外なところに優良企業はいるものです。
今なら、債券もあります。
手堅い指数だと思いますが、堅実な資産運用としてはS&P500でいいんじゃないか、と思いますし、かといって爆発力があるわけでもない・・・
何となく中途半端だと感じました。
ただ、ファンドとしては低コストで提供されており、GAFAMリスクなどを考えて投資価値がある、と判断されるなら、投資してもいいんじゃないでしょうか。

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