見出し画像

アンティークコイン投資の難しさ

数か月前に行ってきた資産運用エキスポ。
https://note.com/bottitousi/n/n7df06d2b2ead
そこで「アンティークコイン投資」というのに注目している、というように書きました。

それからすぐに、アンティークコインに関する書籍を買ったり、コインショップに登録したりなど、着実にコイン投資へ向けて動き出していたのですが・・・
株式市場の急激な下落によって、「これ、もう普通に株式でいいよね・・・」という状況になってしまい、やる気が低下。
さらに債券の利回りも急上昇しているなか、見てみるとアメリカ長期国債で4%程度のものがちらほら・・・
だったら、余計にコイン投資をやる意味がなくなってしまう・・・
債券投資についても、また次の記事にでも書こうと思いますが、今回はアンティークコイン投資において、感じた困難さを書いていこうと思います。
結局、一枚も買わずに、始まる前にコイン投資は終わりそうです!

1.限定された出口

ここが一番大きいかもしれないですね。
売る場合は、必ずオークションでの売却が必要になります。
これを普通の質屋や買取ショップに持っていこうものなら、ただの金地金としての値段でしか売れません。
コイン投資の一番の肝である、「プレミア価値」が反映される取引が、オークションでの取引のみとなります。
当然、このようなオークションでの取引は、手数料も高くなるでしょうし、思った通りの値段で売れるとも限りません。
また、時間もかかります。
コインショップに売る、という手もありますが、やはり同じように騙される、というリスクは高いと思います。
まあ、普通に売ることが困難なので、まだ金地金を買う方がいいかもしれません。
僕はそう感じました。

2.価格設定がぼったくり前提

続いて、買うときです。
この買うときも、非常に厄介。
僕が買おうと思ったのは、ルイ3世の50フラン金貨ですね。
コインショップで調べると、30万円以上の値段でした。
ところが、ヤフーオークションで調べると、同じものが16万円ほどで販売しているではありませんか・・・
しかも、グレードと呼ばれる、コインの保存状態を表す指標があるのですが・・・
高いコインショップの方が、わずかとはいえ、低かったのです。
つまり、コインショップはぼったくりということに・・・
ここで買おうかどうか迷っていた状態でしたが、1の買取価格を見て諦めました(笑)
とてもではないけど、初心者が中途半端な覚悟で行うものではないと確信しました。
泥沼にはまり込む前に撤退する。
プーチン大統領が全世界に教えてくれている、この大切な教訓を守っていこうと思います(笑)

3.結局は知識が必要

結局はこれです。
しかも、これは株ならインデックスファンドの知識とか、ある程度まとまった本がありますし、それで十分投資を開始できます。
しかし、アンティークコインには、そのような一般的に使えるような知識はありません。
個別のコインを見て、覚えていくしかない・・・
もちろん、コインは古代~近代まで、時代も発行体も様々あり、無数に存在します。
単純に趣味として楽しむ分には、奥の深い世界ではありますが、これを投資で行うとなると、どうしても知識が蓄積されるまでの間に、膨大な「授業料」を支払う必要がありそうです。
いや、まあ、分かってたんですけど、ここまでとはね・・・
先ほどのルイ3世コインですが、同じコインでも、発行年や発行した造幣所によって、大きく価値が変わってきます。
正直、それがそんなに重要なのか、個人的には全く価値を見出せなかったので、ここでも冷めてしまう原因になりました。
だって、コインに刻印されている数字や文字が、少し違うだけで、なんの価値があるっていうのさ・・・
株のように、企業が社会的に有用な価値を提供することで、その対価を受け取る、というような分かりやすいものではないので(いや、これも難しいですけど・・・)、なかなか難しいですね。

4.儲けようと思うと、どうしてもある程度の金額を積むしかない

コイン投資は数十万円から始めることは可能です。
しかし、結局は数十万円レベルだと、そこまでプレミアもつかないことが多く、やはり狙うとすると数百万レベルのコインになってきます。
これは、数十万円クラスのコイン(先ほどのルイ3世コインもそうですが)になってくると、発行枚数が何万枚にもなり、プレミア価値がつきにくいからです。
よほどの人気化しないと、厳しいでしょう。
そうなってくると、発行枚数が少ない、希少価値の高いコイン、ということになりますが、そうなると100万、200万は軽く超えてくる、ということになります。
コインにそれだけ出せる人は、それでもいいでしょう。
しかし、さすがにコインごときにそんなに出せないと、改めて思いました。
数百万円レベルになってくると、希少価値が非常に高く、プレミアも期待できます。
でも、プレミア価値という、いかにもあやふやな価値に、何百万円も出せますか?
僕には無理です。
さらに、売るときはオークションです。
まあ、厳しいかな・・・

5.まとめ

まず、アンティークコイン投資は、「富裕層の資産保全」が目的であることを確信しました。
僕は富裕層ではないので、貧乏人は貧乏人らしい、通常の金融資産を狙っていく、という決意を新たにしました。
特に、今なら債券投資も十分にリターンが出せる状況です。
国債なら、リスクは限りなく低いでしょう。
リスクについての記事でも言いましたが、コイン投資は流動性リスクが高いという点が気になります。
プレミア価値という、曖昧な価値基準による価格変動リスクを負うことになります。
信用リスクと言えるのか微妙ですが、偽物をつかまされるリスクなど、けっこう重大なリスクもあります。
むろん、本物を買えば、信用リスクはほぼゼロになります。
実物資産なので、盗まれる、棄損する、などの事故がない限りは、大丈夫です。
なんだか、リスクに対して、リターンがプレミア価値しかないのも、不満点ですね。
総じて、株式の方がリターンが高く、やはり資産運用の基盤は株である、ということを再認識しました。
最近では、債券の利回りも上昇、つまり、債券価格が低下しており、そろそろ買い場かと思っております。
また、債券投資についても、記事を書きたいと思います。
ちなみに、今回の記事では、アンティークコイン投資に対して批判的でしたが、税金面で有利だったりするので(ほぼ脱税みたいなものですが)、いろんな視点で見れば、投資価値は十分あるとは感じます。
ただ、やはり資金規模と、出口戦略がね・・・

ただ、やはり趣味的な価値は大きいと思いました。
コインにはロマンがある!
特にルネッサンス期以降のコインは、十分な鋳造技術が発達しているし、デザインも豪華で素晴らしいものが多いです。
くだらないワンルームマンション買うくらいなら、アンティークコインの方が相続対策としては優秀だとは感じます。
ただ、詐欺とか高値掴みリスクがね・・・
歴史とか好きなら、ある程度の知識は早く吸収できると思いますが、興味ない人には厳しいです・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?