家から最寄駅までの植物観察
遅ればせながら年賀状作成。
郵便ポストまでの道すがら、今年やってみたかったことの一つ「家から最寄駅までの道に生えている植物を観察する」をやってみた。出来るだけ同定にもトライしてみたい。
すっぴんにボサボサの髪で、手には年賀状を握りしめているが、心の中はやる気満々だ。
いざ。
まずは家の前に生えていたこいつら。
うーむ、のっけからわからぬ。毛がふさふさしている方はオオアレチノギク、紫の茎の方はコハコベとかだろうか?
図鑑をみるも今いち確信持てず。
はい、次。
家のすぐそばに生えていたのはこれ。
丸みを帯びた葉っぱに、ふさふさした毛が付いている。おそらくヒメオドリコソウ。
近くの森にも結構生えている。
シソ科でヨーロッパ原産。日本には明治時代にやってきたそう。在来のオドリコソウより小型のため「姫」がつく。オドリコソウは、踊り子が輪になって踊っているように見えることからそう名付けられたとのこと。
お次はハキダメギク。
熱帯アメリカ原産。植物学者の牧野富太郎がゴミ捨て場で発見したことから、こう名付けられた。
名前は散々な感じだが、小ぶりの花が可愛らしい(写真めちゃくちゃボケた)。
道の隙間から一つだけ顔を出していたのはカタバミの仲間と思われる。
身近な雑草だが武家の家紋にも用いられた。
葉っぱに酸が含まれており、十円玉を磨くとピカピカになると聞いて、磨いてみた。微妙な変化だが、確かにちょっと色が明るくなった(1の上あたり)。
ご近所の家の塀をもじゃもじゃ覆っていたのはキヅタ。
紅葉して枯れるナツヅタとは違い、冬でも枯れない常緑。ナツヅタは吸盤で壁にへばりつくが、キヅタは根っこでへばりつく。
そのすぐ近くで黄色い花を咲かせていたのもカタバミ。オオキバナカタバミと思われる。
南アフリカ原産。葉っぱの斑点が可愛らしい。
オオキバナカタバミの近くには、猫だか犬だかの足跡。
アルミの塀と路肩の隙間から顔を覗かせていたのは、確信持てないがクサギ。
クサギならば、葉を揉んで嗅ぐと独特の匂いがするので嗅いでみようと思ったが、前から人がやってきたので断念。
すみっこにひょこっと顔を出していたのは、ウラジロチチコグサ。名前の通り、裏が白い。
お次のこちらは、おそらくナガエコミカンソウ。
古い御宅の石垣と道路の隙間からは、シダが顔を出していた。
小さい葉っぱはアジアンタムの別名でも知られるホウライシダで、真ん中の先端が尖った葉っぱはおそらくオニヤブソテツ。
この石垣一帯、シダがわさわさ生えていた。湿気があるのかな。
隙間の小さい葉っぱはツメクサ。細長い葉っぱが爪に似ているので「爪草」とよばれる。
舗装の隙間のこいつは何だろう。「雑草の芽生えハンドブック」と見比べる限りでは、コハコベ、ウシハコベ、ノミノツヅリあたりが候補。
これはおそらくドクダミ。うちの庭にもめちゃくちゃ繁茂している。
そのすぐ近くには、ヒメツルソバとツタバウンランが混在。
ヒメツルソバはヒマラヤ原産。明治時代にロックガーデン用の植物として日本に入ってきたらしい。街中のいろんなところでめちゃくちゃ繁茂しているのをよく見かける。花が金平糖みたいで可愛い。
ツタバウンランはヨーロッパ原産で、大正時代に日本に入ってきたそう。花も葉も可愛らしい。
そんなこんなで無事に年賀状を投函。
1、2メートル歩いては立ち止まりしゃがみこむ姿は、側からみたら怪しげに映ったかもしれない。
だって隙間にめちゃくちゃ生えてるんだもん、植物。
実はこんな風に、側溝の中にいろんな種類の植物が生えているのも目にした。種類がたくさんいすぎるのと人通りが多かったのとで、しゃがみこんでまじまじと観察するのは断念。
いずれパパパっと全種類同定できるようになることが目標だ。
でもその前に、まずはメンタルを鍛えねばならないかもしれない。
参考書籍:
身近な雑草の芽生えハンドブック(浅井元朗・文一総合出版)
身近な雑草の芽生えハンドブック2(浅井元朗・文一総合出版)
散歩が楽しくなる雑草手帳(稲垣栄洋・東京書籍)
散歩で出会うみちくさ入門 —道ばたの草花がわかる!(佐々木知幸・文一総合出版)
スキマの植物図鑑(塚谷裕一・中公新書)
スキマの植物の世界(塚谷裕一・中公新書)