6人目出産と病気が発覚したあの日③

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迎えに来てくれた看護師さんたちが
すごくテキパキしている上に
まるで軍隊のようなやりとりをしていて


まるでわたしはこれから戦争に行くみたいだな…

と思いながら
天井を見ていた。


いよいよ出発。


怖くて怖くて
天井以外のところを見れなかった。

5日前に
帝王切開で来た手術室とは
全然違う空気感で
脳外科手術の慎重さがうかがえる。


同じ全身麻酔でも
帝王切開は酸素マスクをしたら眠くなったのと違って
脳外科手術は点滴から麻酔を入れた。


麻酔科の先生と
3人の看護師さんたちに見守られて
わたしは意識を失った。


「たかよさん!たかよさん!起きてください!!!」


朦朧とする意識の中
ぼんやり人のシルエットが見える。


目のまわり以外はモザイクがかかっているような感覚で


'…あ、死んだのか'


と思った。

手術室から集中治療室に戻る途中
少しずつ感覚が戻ってきたのか
ものすごくゾワゾワする感じがした後
震えるほど寒くなった。


「さ、さむい!さむい!」


掛け布団を一枚足してもらったけれど
すぐに寒さはなくなった。


全身麻酔で体温の調整ができなくなっていたのだろうか。


しばらく身体はピリピリしたような
いやな感じがしていて
なんとも気分が悪かった。

また手術前と同じ
集中治療室の個室に戻ってきて
麻酔がきれるかどうか…くらいのタイミングで
2人の若い医師が来た。


なんだか動画を撮るとかごちゃごちゃ言ってる。

とにかくしんどくて
どうでもいいやと思い
言われるがまま動画を撮らせて
適当に相槌を打った。


産後すぐにこんな状況になったのはとても珍しい症例だとかなんとか。

脳外でもほとんどないことなので
学会で発表しますとかなんとか。

術後すぐにそんなこと言われても
よくわからん。
好きにしてくれ。


その2人の医師が出て行って
次々にいろんな人が来た。


麻酔科の先生
耳鼻科の先生
内分泌科の先生
脳外科の主治医
薬剤師
etc
このあたり記憶が曖昧なので不明確ですが汗


こんなにたくさんの人が関わってくださっていたことに驚いた。

主治医の先生は
割と後の方にきて
「よかったね、成功したよ」


と言われてホッとした…のも束の間


「でもね、
なぜか脳髄液が少なくなってたからね、補充しておきました」


髄液減ってるってこわくない!?
補充できるの!?
どういうこと!?


ちょっと焦る。

まぁでも無事だったからとにかくよかった。

しかし
手術が終わって命は助かったけど
まだまだこのあとが大変だということを
この時のわたしは知る由もなかった。

つづく→

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