ストリクスヘイヴン雑感(4)黒
黒のカレッジは白黒のシルバークイルと黒緑のウィザーブルームです。
シルバークイルは今回随一(唯一かも)のアグロカラーです。軽量クリーチャーを+1/+1カウンター(シナジーカードもある)で強化しながら殴るのが基本となります。魔技は一時強化が多く、軽量スペルを連打して一気に打点を上げる戦略もあります。
トークンは2/1飛行の墨獣(Inkling)ですが、飛行の分ちょっと強力なせいか、他のトークンほど出す手段が豊富ではありません。
ウィザーブルームはゴルガリと違い墓地シナジー中心ではない(少しはある)ですが、やはり黒緑らしくクリーチャー中心のカレッジです。マナレシオに優れたクリーチャー、ライフを得る/支払う、生け贄といったあたりがキーワードになります。魔技もライフ関連のものが多いです。
トークンは1/1の邪魔者(Pest)。死亡誘発で1ライフを得ることができます。出す手段も豊富にあり、ライフゲインシナジーと生け贄コストの両方で役立ってくれます。生け贄と死亡誘発も好相性。
黒・コモン
《尊大な詩人/Arrogant Poet》
2点のライフと引き換えに2点飛行クロックを得るスーサイドなクリーチャーです。
アグロデッキにとっては自分のライフより相手のライフのほうが重要ですから、2ライフで2点削れるなら迷わず払うでしょう。黒いビートダウンの攻め手としてはまずまずと言えそうです。このクリーチャーのパワーが上がっても支払うライフは2点のままなので、装備品などとも好相性といえます。絆魂を与えられるものだと更に好相性。
問題は相手も殴ってくるときで、アグロ同士の殴り合いでは極端に不利になりますし、ミッドレンジの主力が出てくる頃にあまりライフが減っていると殴り返されて負けることになります。無理に起動せず相打ちで満足するような判断が必要なときもあるでしょう。
アグロ向けな点はシルバークイル的ですが、ライフを支払って対戦相手のライフを削るデザインはウィザーブルーム的です。どちらでも使えるでしょう。飛行ブロッカーにならない点は注意。
《激しい落胆/Crushing Disappointment》
黒に多いライフロスつきドローですが、対戦相手もライフを失うのが特徴です。インスタントであることも加味すると、《闇の取り引き/Dark Bargain》のドロー選択肢をなくした代わりに相手もライフを失うようになった、という感じです(ダメージとライフロスの違いもありますが)。
ライフアドバンテージを失わず手札を増やせるということで、少々重いですが黒のドローとしては悪くない性能です。アグロが手札を補充しつつライフも詰められる、というのが理想でしょう。とどめの一撃になることもありえます。
双方のライフが減る、というのはシルバークイルにもウィザーブルームにも有利なデザインで、シルバークイルが使い果たした手札を補充しつつライフを詰めるのも、ゲインが多くライフロスがあまり怖くないウィザーブルームがアドバンテージ源として使うのも有効でしょう。フレーバーテキストはシルバークイルのものです。
《本質の注入/Essence Infusion》
クリーチャーをふたまわり大きくして一時的に絆魂を与える呪文です。
ソーサリーなのでコンバットトリックには使えず、強化オーラのような使い方になりそうです。絆魂はライフレースに与える影響が大きいので一時的と言ってもゲームの行方を左右する可能性があります。
+1/+1カウンターを乗せ序盤から積極的に殴れる点はシルバークイル、絆魂によるライフゲインはウィザーブルームと、どちらのアーキタイプにも役立ちそうなコモンです。格闘除去と相性がよいので(除去範囲が広がり、打ったターンに格闘して攻撃もできれば絆魂も二度機能する)ウィザーブルーム向けかもしれません。イラストではPestがでかくなっているのでウィザーブルームのカードなのでしょう。
《検体探し/Hunt for Specimens》
履修つきのトークン生成カードです。キャントリップ(のようなもの)つきのクリーチャーとも言えますが、ソーサリーであることがメリットになる今環境ではこのほうが概ね強力です。
明らかにウィザーブルームのカードで、よほど講義が取れているとかでなければシルバークイルのプレイヤーは手を出さないでしょう。ただし、クリーチャーとしては2/1/1+1ライフなので講義やライフゲインシナジーが確保できていないと微妙なラインになります。
《悪意の打ちつけ/Lash of Malice》
黒のインスタント軽量除去です。
1マナとしては除去範囲が広めで、インスタントなので柔軟性もあり、1マナのインスタントタイミングで魔技を誘発させられるのも魅力です。ただし、アタッカーに対して打ったときに強化呪文で凌がれると被害が拡大します。
タフネスが3以上あればパワー強化にも使えるので、強引に大型クリーチャーと相打ちを取りに行ったり、ダメージを上乗せしてライフを削り切るといった使い方も可能です。後者の使い方や、軽量インスタントであることを考慮するとシルバークイルのカードですが、軽量除去なのでウィザーブルームでも採用されるでしょう。イラストやフレーバーテキストはシルバークイルのものです。
《ヒルの狂信者/Leech Fanatic》
《血の強盗/Blood Burglar》の同型再版です。
ライフゲインはウィザーブルームのメカニズムですが、イラストを見るとシルバークイルのカードのようです。たしかに、+1/+1カウンターと好相性の絆魂を、それも攻撃時のみ持つ熊という観点ではシルバークイル向けのカードです。実際シルバークイルで使ったときのほうが強いでしょう。ウィザーブルームで使っても弱くはないと思います。
《魔道士狩りの猛攻/Mage Hunters' Onslaught》
黒の定番、コモン確定除去枠です。最近の流行通りPWにも打てます。
ダブルシンボル4マナソーサリーと小回りがききませんが、クリーチャーのブロックにライフロスを伴わせるおまけが付いています。
このおまけによってどちらかと言うとアグロであるシルバークイル向けになっていますが、確定除去なのでどちらのアーキタイプにも採用されます。
カード名やフレーバーテキストからすると、シルバークイルでもウィザーブルームでもなく、ストーリー上の敵役(と思われる)オリークのカードのようです。
《新米解剖者/Novice Dissector》
今回は黒赤という色の組み合わせがないので、生け贄系はおもにウィザーブルームに割り振られています。ただ、このクリーチャーは+1/+1カウンターを乗せるのでシルバークイルの要素もあります。両面的なデザインと思われますが、名前やイラストはウィザーブルームです。
いわゆるサクり台で、Pestをサクってライフゲインを誘発させるにはもってこいですが、起動がソーサリータイミングなのはかなりのマイナスポイントです。加えて今回は疑似除去オーラをあまり見かけない環境になりそうだということもあり、「有効活用」の機会が少なそうです。
とはいえ最低限のマナで自軍のクリーチャーのサイズを調節できるのは格闘と相性がよく、前述の通りPestとも相性がよく、サイズも最低限はあるということでウィザーブルームの基本クリーチャーになりそうです。シルバークイルにも死亡誘発クリーチャーがいるので、カウンターが乗るということもあり、サクり台が欲しいときには採用されるかもしれません。
《教授の警告/Professor's Warning》
PWたち
カウンターを一個置くか破壊不能を付与するかのモードを選べるインスタントです。
《蛇皮のヴェール/Snakeskin Veil》の効果がモードに分けられてしまったような感じも受けますが、色が違うので仕方のないところでしょう。
カード自体はストーリー上のワンシーンのようでどちらのカレッジのものでもないようです。ウィザーブルームでもコンバットトリックや大型クリーチャーを守るのに使えますが、カウンターを置く、強化したクリーチャーを守る、軽量インスタントである、ということでシルバークイル向けのカードでしょう。
《有望な薄暮魔道士/Promising Duskmage》
条件付きながら死亡誘発でドローできるクリーチャーです。
ゼンディカーに帰りたまえ
素のままだと3/2/3バニラと貧弱ですが、カウンターを乗せれば無視しづらいサイズになるので、(どこかの王と違い)死亡誘発も起こしやすくなります。カウンターを乗せるのにカードを使っても、死亡誘発でドローすればもとが取れるデザインです。
死亡誘発なのでサクり台と相性がいいですが、それよりもカウンターシナジーのほうが強いように見えるので、イラスト通りシルバークイルのカードと言えるでしょう。
《湿原のスペクター/Specter of the Fens》
攻撃が通ってもなにもない。スペクター失格。
4/2/3飛行は現代の基準だと弱めのスペックで、起動型能力もかなり重く、シルバークイルはもちろんウィザーブルームのゲームレンジでも使ったターンは何もできないか、そもそも使えないでしょう。
それでも最低限のサイズを備えたフライヤー兼マナフラッド受けということでデッキに入るかもしれませんが、4マナ域が充実していたら抜けそうです。
飛んでいるということで、カウンターを乗せれば無視できない戦力になるので、どちらかと言えばシルバークイル向けでしょう。ライフを詰めていれば起動型能力も視野に入ります。
《不本意な材料/Unwilling Ingredient》
1/1/1威迫、マナを払って墓地から追放するとドローできるカエル。
カード名、クリーチャータイプ、イラスト、フレーバーテキストとどう見てもウィザーブルームのカードで、実際に生け贄で墓地に落とせライフの増減が頻繁なウィザーブルームの要素があります。が、1マナで威迫を持っているので強化して殴っていくのにちょうどよく、死んでも将来のドローに変換できる、とシルバークイルのほうに向いたカードにも見えます。
黒・アンコモン
《ひきつり目/Eyetwitch》
ひきつりめ。あいとぅいっち。
1/1/1飛行、死亡誘発で履修を行えるクリーチャーです。
軽量フライヤーは悪くないですし、死んだときにアドバンテージが取れる(かもしれない)のは1マナクリーチャーにしては優秀です。ただし死亡誘発の常として、サクり台でもないと必要なときに誘発させられるとは限らないというのがあり、パワーも1しかないので無視されて死ねないという状況も考えられます。
1マナで飛行がある、ただでは死なない、ということで強化先に適しています。シルバークイルのカードと言えるでしょう。サイズアップすれば無視しづらくなり死亡誘発も起きやすくなります。
《真っ白/Go Blank》
大体どのセットにも入っている《精神腐敗/Mind Rot》のバリエーションです。大抵はコモンですが、効果のせいか今回はアンコモン。
手札破壊としては精神腐敗と同等ですが、そのあとに墓地の追放がついているのが特徴です。
リミテッドの手札破壊の強さは環境によって大きく変わるので現時点でははっきりとはいえませんが、履修のあるセットなのでルーティングの機会が多い(手札の枚数が重要&手札に残っているカードの質がよくなりやすい)、土地を伸ばして重量スペルを打ってくるアーキタイプが複数ある、などを考えると手札破壊は強い方の環境になるのかもしれない、と予想しています。履修で持ってきた講義を落とす機会もありそうです。また、墓地利用もそれなりにあるセットなので、その点からも役立つことが多そうです。
プリズマリとクアンドリクスには手札破壊がよく効き、ロアホールドには墓地追放がよく効き、ウィザーブルームには両方がそれなりに効く、という感じになりそうなカードです。シルバークイルにも最速で打てば減速効果があるかもしれませんが、打っている暇があるかは怪しいところです。
墓地追放は構築でも求められる効果ですが、同じコストで手札破壊と墓地追放の効果を持ち、加えて除去までできる《エルズペスの悪夢/Elspeth's Nightmare》という強力なライバルが居るため、どうしても即時性がほしいなどでないかぎり(少なくてもローテーション前は)ちょっと厳しい立ち位置かもしれません。
《魔道士狩り/Mage Hunter》
かつてはWitch Hunterというカードもあった(白)。
名前の通り、魔技に対するアンチのようなカードです。4/3/4という比較的場に居座りやすいスペックなのもポイント。対戦相手のみなので自分は平気でインスタントやソーサリーを使えるというのも強力です。
ただ、一戦で打つインスタントやソーサリーの数はたかが知れているので、ライフに余裕がある状況だと嫌がらせ程度にしかなりません。ある程度ライフを詰めていてこそ活きるカードなので、できればアグロ気味のデッキで使いたいところです。いずれにせよシングルシンボルで4/3/4とそこそこのサイズもあるのでデッキに採用はしやすいでしょう。
オリークのカードなのでどちらのカレッジにも属していませんが、高速でライフを詰めるシルバークイルで使うほうが強そうです。
《汽水トラッジ/Brackish Trudge》
タップインながらマナ総量を超えるパワーを持ち、条件を満たせば墓地から手札に帰ってくる起動型能力を使えるクリーチャーです。
タップインなのでいわゆる「不死身ブロッカー」のような運用は難しいですが、パワー4を活かしてしつこく特攻することができます。追放手段か一方的に勝てるブロッカーが用意できないと厄介でしょう。
起動コストが軽いので、履修で捨ててまた拾って…………というアドバンテージ源としても使えるかもしれません。ライフを得るごとに起動ではなく「ライフを得たターンにしか起動できない」なので、一度でもライフを得てしまえば、そのターン中は(マナがあれば)戻して出して生贄に捧げてまた戻して…………というような動きも可能です。
条件がライフゲインなので、基本的には見ての通りのウィザーブルームのカードです。
《落第/Flunk》
今回、世界観の問題で従来のMagicで使われなかった単語が出てくるためか、シンプルなカード名が多い
テキストがちょっと分かりづらいですが、要するにコントローラーの手札が少ないほど効果の大きいクリーチャー除去です。手札が0なら-7/-7と超強力ですが、手札が満タンだと効果がありません(魔技は誘発するし、《夢の大梟/Dream Strix》なら除去できる)。何らかの理由で手札が8枚以上あっても強化されたりはしません。
早いターンでは効果が小さいですが序盤のクリーチャーを殺すには十分、中盤以降は手札も減っていて大型クリーチャーも射程に入る、というリミテッド的には噛み合ったデザインのカードです。マナコストも軽く、除去としては十分頼れる性能でしょう。インスタントなので、除去できないときでもコンバットトリックとして使うことが可能です。
序盤戦では先手と後手で使用感が変わりそうなカードです。後手で使うほうが強い。
フレーバーテキストはシルバークイルのものですが、特にどちらのカレッジ寄りということもないカードのように思えます。
《壊死放出法/Necrotic Fumes》
講義の追放除去ですが、追加コストとしてクリーチャーの生け贄が要求されます。例によってPWにも打てます。
そのままだと2対1交換になってしまうカードですが、履修で持ってこられる講義であること、トークンが出やすい環境であることなどから実質的にはアドバンテージを取れるカードに近くなっています。
ソーサリーなのとシンボルがきついのは気になりますが、墓地利用のあるセットなので追放はありがたく、それが講義枠で手に入るとなればぜひピックしたいカードです。色が合っていればピック順はかなり早くなるでしょう。
デザイン上も実用上もウィザーブルームのカードですが、講義で除去なのでシルバークイルでも採用されるでしょう。黒いプレイヤーが流すことはあまりなさそうです。
《禁忌の調査/Plumb the Forbidden》
クリーチャーをドローに変換するインスタントです。オリークのカードなのでどちらのカレッジにも属していません。
何もしなければ2マナでライフの減るキャントリップ、クリーチャーを生け贄に捧げた分だけドロー(とライフロス)が増えます。インスタントなので除去に対応するなどすればアドバンテージも取れます。しかし、一体生け贄にするだけだと《村の儀式/Village Rites》の下位互換に近いので、できれば複数体生け贄に捧げたいところです。
コピーを生成するテキストなので魔技と相性がよく、シルバークイルで使うと爆発力が得られるかもしれません。
ウィザーブルームの場合はPestという格好の生け贄がいるので気軽に複数のカードが引けます。ライフロスも補償されますし、「ライフを得たとき」の誘発型能力や魔技の複数回誘発も期待できます。レアですが、《セッジムーアの魔女/Sedgemoor Witch》が横にいればむしろPestが増えます。
概ねウィザーブルーム向きのカードと言えるでしょう。
《終身書唱師/Tenured Inkcaster》
しゅうしんしょしょうしのじゃじゅつし。10回言える?
《聖域探究者/Sanctum Seeker》に似た能力を持ったクリーチャーです。吸血鬼でなく+1/+1カウンターの乗ったクリーチャーによって誘発し、自身も+1/+1カウンターを乗せるETB能力を持ちます。
あらゆる面からシルバークイルのカードですが、ETBを込みにしても5/3/3とマナレシオがよくありません。しかし、既にカウンターの乗ったクリーチャーがいれば場に出したターンから仕事ができますし、マナカーブの頂点において最後の詰めに使うということであればまずまずの性能と言えそうです。
《陰影のフェイント/Umbral Juke》
Jukeは(この場合)アメフト用語で、イラストもそんな感じ。ストリクスヘイヴンではボールの代わりにPestを使うらしい
布告除去と墨獣の生成を選べるモード呪文です。どちらの場合も頭数一体分有利になります。
布告除去はリミテッドではどうでもいいものを生贄に捧げられて効果が薄いことが多いですが、短期戦でどかしながら殴りたいシルバークイルのコンセプトなら有効に機能することも多そうです。
もう一方のモードについては、3/2/1瞬速飛行は現代だとおまけがほしいレベルですが、モードの一方だと思えば及第点でしょう。飛行があるのでシルバークイルの戦略に合致します。インスタントなので相手のエンドに出てきてそのままアタックもできます。
腐りやすい(特にウィザーブルームが相手のとき)布告除去の欠点をトークン生成モードで補っている、使いやすいカードと言えそうです。もちろんシルバークイルのカードです(イラストにはPestが写っていますが)。
黒・レア
《悪意の熟達/Baleful Mastery》
熟達サイクルの黒です。
効果は《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》や《食らいつくし/Eat to Extinction》、《大蛇の餌/Feed the Serpent》と同様の、クリーチャーかPWの追放除去です。大蛇の餌はコモンでしたが、これは前二種と同様にレアです。
代替コストで打つと②軽くなる代わりに対戦相手にカードを引かせます(強制)。対象パーマネントのコントローラーが引くわけではないので、自分のパーマネントに打ってドローするような使い方はできません。
相手に引かせるのは無視できないデメリットですが、嫌ならそのコストで打たなければいいだけなので、これは選択肢が増える純粋なメリット能力です。4マナインスタントの追放除去というだけで強く、緊急時など相手にカードを引かせてでも軽いコストで打ちたい場合にはそれも可能となれば相当強力です。コンバットトリックに合わせるなどの場合はアドバンテージ損もしません。
どちらのコストでもシングルシンボルなのもありがたく、色が合っていればまずピックしてよいカードでしょう。コストの柔軟性は大きな魅力で、構築でも出番があるかもしれません。
シルバークイルでもウィザーブルームでも使われるでしょう。
《過去対面法/Confront the Past》
リリアナはギデオンを生き返らせる方法を求めてストリクスヘイヴンに来たらしい。ウィザーブルームに所属している模様。
PWのリアニメイトか除去を選べるモード呪文の講義です。
リアニメイトの方はそのPWのマナ総量+1マナ必要なので、重いPWを墓地に落としてから本来より軽いコストで釣る、いわゆるリアニメイトデッキのような動きはできません。普通に出したPWが墓地に落ちた後の再利用という「まっとうな」使い方になるでしょう。複数のPWを併用するデッキなら、状況に合わせたPWを釣ってくる柔軟性が得られるかもしれません。黒単色デッキが青いPWを釣る、というような使い方も、実用性はともかく一応可能です。
除去の方はXの2倍のカウンターを取り除けるので、比較的軽いマナで除去ができそうです。
PWを多用する黒いデッキがPWを使ってくるデッキにサイドインする、履修を使う黒いデッキがPW対策としてサイドに挿しておく、などが考えられますが、そのようなデッキがあるのかは分かりません。
PWを見る機会自体が少ないリミテッドではあまり活きないカードのようですが、講義なのでとりあえず取っておくという人も多いでしょう。万一PWを引いた時や出されたときには役立つこともありそうです。
リリアナはウィザーブルームに籍を置いているようですが、あまりカレッジは関係なさそうなカードです。
《無神経な血魔道士/Callous Bloodmage》
マナレシオが若干低いですが、ETBで色々できるクリーチャーです。
横に並べる、カードを引く、墓地追放と状況に応じた選択ができるのが魅力ですが、ドローが選択されることが多そうです。
Pestはもちろんウィザーブルームのメインシナジーですし、墓地利用の目立つセットなので墓地追放もありがたい瞬間が多いでしょう。
レアにしては派手さがあまりないですが、堅実に役立つ優秀なクリーチャーと言えそうです。
Pestが出るのでウィザーブルームのカードですが、ドローのモードがあるのでどちらでも使えるでしょう。シルバークイルの場合はマナレシオの低さが若干気になるかもしれません。
《オリークの伝承魔道士/Oriq Loremage》
オリーク/Oriqは今回のいわゆるヴィランの集団っぽい
ライブラリのインスタントやソーサリーを食って大きくなるクリーチャーです。持ってくるのはインスタントやソーサリーでなくてもよいので、土地を抜いてデッキを圧縮するような使い方も可能です。
変則的なサーチとも取れますが、墓地のインスタントやソーサリーを参照するのは主にプリズマリなので色的に噛み合いません。カウンターを諦めてクリーチャーを持ってくれば、ウィザーブルームなら活用できることもありそうです。
ごく普通に使うなら、数回起動してサイズを大きくして殴る、ということになりそうです。ただし、起動するごとにデッキが薄くなっていくことには注意が必要でしょう。
構築なら妙なコンボに使えるかもしれませんが、4マナクリーチャーのタップ能力という即時性の無さが気になります。
カウンターを乗せますが、のちらかというとウィザーブルーム寄りのカードに見えます。オリークなので設定上はどちらのカードでもありません。
《詩人の羽ペン/Poet's Quill》
黒の装備品です。比較的軽いマナコストと装備コストで+1/+1の修正と絆魂を与えます。
《ロクソドンの戦槌/Loxodon Warhammer》《影槍/Shadowspear》のように、絆魂を与える装備品にはリミテッドにおいて危険なものが多く、今回もそうなりそうです。ETBで履修も行え、《持続のルーン/Rune of Sustenance》をサーチしてきたときの《ルーンの冠/Runed Crown》に似た性能になります。
見ての通りシルバークイルのカードですが、ウィザーブルームのプレイヤーも見たらほぼピックするでしょう。開けたパックに入っていたらピックしていいレベルと思われます。
《セッジムーアの魔女/Sedgemoor Witch》
Sedgemoorは菅草の荒野みたいな訳になりそうだが、固有名詞なのだろうか
3/3/2威迫というビートダウン向けのスペックに護法、Pestを生む魔技までついた盛りだくさんのクリーチャーです。
3マナでパワー3に威迫&護法、とカウンターの乗せ先に最適で、護法がライフ3点なのもアグロにとっては好都合と、シルバークイルのアタッカーとしては最高レベルの評価になりそうです。
もちろんPestが出る以上はウィザーブルームのカードで、インスタントやソーサリーを打つだけでPestが出てくるこのカードはウィザーブルームにとっても非常に優秀なパーツです。この場合、できるだけ戦闘に参加させずにトークン製造機になってもらうのがよいでしょう。展開にもよりますが、護法が嫌がらせ程度にしかならないケースもありそうなのが残念です。
というわけで、どちらのカレッジでも主力として採用されそうなレアです。
黒・神話レア
《オニキス教授/Professor Onyx》
リリアナせんせい
自分の身代わりになって死んだギデオンを生き返らせる方法を求めてストリクスヘイヴンを訪れたリリアナさんです。偽名を使っていますがプレインズウォーカータイプにばっちり書かれているのでプレイヤーにはモロバレ(それ以前にイラストで分かりますが)。
常在:2点ドレインの魔技。
+1:ライフロスつき《巧みな軍略/Strategic Planning》(色も加味するとモダンホライゾンの《研究室荒らし/Ransack the Lab》)。
-3:ダメージを与えない《はじける破滅/Crackling Doom》。
-8:パーマネントを犠牲にできないX=7の《霰炎の責め苦/Torment of Hailfire》(もしくは《ターグリッドのランタン/Tergrid's Lantern》7回分)。
アドバンテージが取れる+1に除去になる-3、ゲームを終わらせる奥義と、PWとしては標準的なデザインです。しかし6マナだけあって能力の水準が高く、+1は単なるドローより質がよく墓地も肥え、-3は《星界の大蛇、コーマ/Koma, Cosmos Serpent》や《キオーラ、海神を打ち倒す/Kiora Bests the Sea God》のトークンも除去でき、-8は相手の選択肢が実質的に少ない上に常在の魔技も含めると相手が死ぬ確率が高い、という高性能ぶりです。リミテッドではボムレアでしょう。構築では適するデッキがあるかどうか、だと思われます。
リリアナはウィザーブルームに籍を置いていますが、リミテッドではそういう問題ではなさそうです。シルバークイルでもウィザーブルームでもボムでしょう。
総評
割と住み分けられている印象ですが、双方で使えそうなデザインのカードも多く、どちらもライフアドバンテージを取りやすいアーキタイプなのでライフを支払う系のカードはどちらでも有効と、一部のカードについては受けが広いとも奪い合いになるとも言える感じです。
全体的に除去が薄めに見えるセットの中で、軽量除去と確定除去がコモンにあるので安定して戦える色になりそうです。また、シルバークイルはもちろん、ウィザーブルームも他のカレッジよりはゲームレンジが短そうなので、黒が速攻の色というイメージになるかもしれません。
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