カルドハイム・各色について

 ようやく冬が終わり春めいてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 私は相変わらずのマッチドラマンですが、先月末から急に忙しくなってドラフトの回数が捗々しくありません。

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一部データがちゃんと取れていないので数字がわずかに違いますが、ようやく3-0が増えてきてジェム収支もいい感じになってきました。マッチ勝率80%オーバーはちょっと嬉しい。


色について考える

 さて、今回は色ごとのデータを簡単にまとめてみました。データ元はリミテッドのデータサイト17Landsです。

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(平均キルターンは勝利時のもの)

 使用率はマッチ数をベースにその色が使用されている率を算出したものです。「使用率a」は2色デッキなら半分、三色デッキなら1/3にすることで「その色のカードが使われている比率」に近づけたもので、合計が100%になるような数値です。「使用率b」はその傾斜を行わず「その色を使っている人の比率」を単純に出したものです。この場合、例えば2色デッキなら二箇所の数値にそのまま反映されるので合計が100%になりません。

使用率が約2倍になっている白は主に2色デッキで、二倍を比較的大きく超えている青などは3色以上での採用が多いと考えられます。「青いカード自体は約19%の割合でしかピックされないが、青に手を出しているプレイヤーは約43%いる」ということになり、青そのものの人気は高くないが青の強いカードは取られてしまう可能性がそれなりに高いというように考えることができるでしょう。


 では、ここから各色について見てみます。

・白

 キルターンが最も小さいアグロカラーです。勝率も高いですが使用率はあまり高くありません。これは色やデッキタイプの特性から多色での採用率が低いためと考えられます。いずれにせよ比較的混みづらいわりに勝率が高い色と言えるので、狙っていた色の流れが悪いときなどは積極的に参入を狙ってもよいのではないでしょうか。個人的にはおすすめ度No.2の色です。

・青

 キルターンが最も大きい色です。長引かせて勝つのが基本戦略になりますが、アグロに間に合わない、こちらのタフネスを乗り越えてくるクリーチャーに押し切られる、などという状況も多く勝率は全体の中では低いほうです。青赤巨人か氷雪系以外ではあまりおすすめできません。

・黒

勝率、使用率とも最低です。ただし、勝率の違いに比べて使用率の違いが大きく、実態以上に避けられているということも言えます。ドラフトでは色の強弱もありますが、空いている色を選ぶことが何より重要であるという面もあるので、そういう意味では「狙い目」の色とも言えます。もちろん混むこともあり、そうなると数字通り厳しい色なので見極めが大切なのは言うまでもありません。

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 先日のピック譜の一部です。このときは2パック目の11手目から黒を始めて最終的には《大蛇の餌》4枚の黒緑で3-0でした。不人気色は空いている傾向が見えていても誰も参入しないことがあり、このようなことがときどき起きます。

 個人成績的にはマッチ勝率トロフィー率とも最高の色で好みではあるのですが、おすすめできるかと言うとあまり…………という感じです。ただ、空きやすい色なのでチャンスがあればやれるようにしておくとよいと思います。

・赤

人気勝率とも最高でキルターンも白についで小さいアグロカラーです。コモンの非クリーチャー呪文にアグロ向けの優秀なものが多く、火力についてはアグロでなくとも使えるので青や緑と組んだときにはミッドレンジでも強い色です。ただし、人気の高さから卓上で混みやすく、特に火力は全く流れてこないということもあります。

 間違いなく強カラーでありオススメ順位も高いのですが、かぶりやすい点には注意が必要、といったところです。

・緑

 赤ほどではないものの、やはり高勝率高人気の色で、環境最高のコモン《サルーフの群友》を持っていることが最大の特徴です。個人的には今回の最強色と考えています。

 氷雪の中心色であること、緑らしくマナサポートが豊富なのも特徴で、氷雪や多色のデッキにおいてはメインカラーになります。ただしそれらのデッキは(少なくとも数値上は)勝率が若干低めで、それらが使用率を上げて勝率を下げているという印象もあります。

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 実際、純2色デッキに限った場合は使用率は赤の約半分、勝率は赤とほぼ並んでトップです。また、緑(氷雪)多色デッキは土地やマナサポート(および氷雪カード)をピックすることが多いので、非氷雪の2色デッキとはある程度の棲み分けができており、《サルーフの群友》のような強力カードが流れてくることはさほど期待できないものの、デッキに入るカードを集めるという意味では(数字上よりは)空いている色とも言えます。それでも決して不人気ということはありませんが、おそらく環境最強のミッドレンジカラーなので行けそうなときは多少強引にでも入っていく価値はあります。

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 環境中盤から緑ばかりやっている件

 単純に強さだけで見た場合、勝率上は

 白≒赤≒緑>青≒黒

 という三強二弱の構図がうかがえます。ここに個人的な印象や色の入りやすさも加味した場合、

緑>白>赤>黒>青

 となり、これが個人的な色のオススメ順です。


・参考資料1

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 使用率と勝率について、平均との比を求め、それをもとに勝率と使用率の比を求めました。この「勝率/使用率」が大きいほど「人気の割に勝てる色」と言うことができるかもしれません。

・参考資料2

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 2色デッキ(純二色と二色+タッチ)の使用率と勝率です。これを見てしまうとディミーア(青黒)をやる気は起きません。なお、使用率は単色や三色も含めた全体に対する%なので、この表だけで合計100%にはなりません。

・どうでもいいもの

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ゴルガリはいいぞ

 私の各色の個人成績です。黒≒緑>白>赤>青というような順になっており、黒と赤の位置が一般データと大きくずれています。黒は好みの問題で空いているとすぐに手を出してしまう&空いているのでデッキが強くなる…………ということだと思いますが、赤は別に嫌いなのではなくいつも混んでいてやる機会がない、という感じです。特に《悪魔の稲妻》とはどうも縁が薄いようです。

 一個だけあるスゥルタイは氷雪です。氷雪も、タッチでない三色以上のデッキをやったのもこの一回だけです。


タッチ/多色のすゝめ(ず)


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 17Landsからの、色の数による勝率のデータと、氷雪土地が四枚以上入ったデッキの勝率です。単色から三色までは色が少ないほど勝率が高く、単色や二色にタッチをすると勝率が下がります。氷雪デッキの勝率も、全体より1%(1ポイント)ほど低いようです。

 単色デッキは滅多に組めず、実際に17landsのデータ数も少ないので除外すると、純二色デッキとそれ以外では2%かそれ以上の勝率の開きがあります。2%は小さく見えるかもしれませんが、10万を超えるデータでの2%ははっきりした差で、各色の勝率と見比べると「赤緑(白・赤)が強い」「黒(青)が弱い」と言えるのと同程度には「純二色が強い」「多色(氷雪)が弱い」と言ってしまえることになります。つまり「青(黒)は弱いからやらない」という人は多色も氷雪もやるべきではないということになってしまいます。

 もちろん、青も黒もピックがうまくいけば強いデッキを組むことが可能であるように、多色や氷雪もピックがうまくいけば強いデッキを組むことが可能です。またプレミアドラフトもマッチドラフトも所詮は10ゲーム未満の短期戦なので、デッキの完成度がそのまま結果に反映されてくるとも限りません。ただ、単純にデータ上の数字で語るなら多色は純2色よりも不利になりやすいということで、安定志向であれば多色(や氷雪)を避けた方が長期的な勝率に繋がりやすいと思われる、ということです。

 そもそも、タッチカラーのある強いデッキというのは「タッチすれば強い」というものではなく「タッチしてでも入れるほど強いカードがある」「タッチカードやそのマナ源が最小限に抑えられているのでそれ以外の部分でも十分戦える」から強いのであって、「ちょっと強い」程度のカードをタッチ前提で欲張ってあれこれピックすれば、ただの事故りやすいデッキになるだけです。

 最終的に二色に絞れていればよいですが、序盤に欲張ったせいでカードが足りなくなって結局三色になったり弱いカードが入ったりということもなりやすいです。

 色が決まるまでは手広く構えるのもセオリーではありますが、欲張ってそれらを全部使おうとしたり、広げすぎて色を絞るのが遅れたりするのはリスキーです。基本的には2色デッキを組むつもりでいるのがよいでしょう。

 また、タッチというのはその特性上「タッチしたカード」「それを出せるマナ源」が揃って初めて機能するので、そもそもゲーム中に引くカードが少ないアグロには向かないことも覚えておくといいでしょう。実際、白の混じった多色はデータ上も少ないです(勝率もいまいち)。


まとめ①

 ナヤカラー(白・赤・緑)から二色のデッキを組み続けるのが長期的には低リスクに勝率を残せる、ということになりそうです。


まとめ②

 ゴルガリはいいぞ


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