食欲を意志のせいにしないで~睡眠とストレス~

みなさん、こんにちは!

先日は、「食欲を意志のせいにしないで」というタイトルで、

食欲は、私たちの意志ではなく、ホルモンがコントロールしているんだよーって話を書きました。

食欲コントロールに関係するホルモン、覚えていますか?


ちょっと復習しましょう♪

食欲を抑制するホルモンは①「レプチン」、②「GLP-1」でした。
これらは、正常に機能させて出したいですよね。

逆に食欲を増進させるホルモンとして、③「グレリン」というものがあって、これはできるだけ抑えたいホルモンでした。

さらに、食欲に間接的にかかわるホルモンとして、「コルチゾール」や「インスリン」というホルモンもありましたね。
これらも出しすぎないようにしたいです。


忘れてしまった人は、一つ前の記事に戻って是非読んでみてください^^

前回はこれらのホルモンをうまくコントロールするための食事について解説しましたので、今回は、「生活」の面で気を付けるべきことをお伝えしていきます。
ちなみに!次回は「運動」の面で気を付けることを記事にする予定なので、お楽しみに♪


まず生活面で気を付けるべきことは二つ。
ずばり、睡眠とストレスです。


やっぱりなー、わかってたよーと思われたでしょうか?
素晴らしい!その通りです。

でも、なぜかって説明できますか??


理由までは知らなかったという人、今回この理由を知ることで、新しい発見や糸口が見えるかもしれないので、是非続きも読んでみてください。


睡眠が不足するとグレリンが増えて、レプチンが減少

グレリンは胃から分泌されて、脳の視床下部にある食欲中枢を刺激して、食欲が増すように働く、「食欲増進ホルモン」でした。

そして、レプチンは食事をした後に脂肪細胞から分泌されて、脳の視床下部にある満腹中枢を刺激して食欲を抑えてくれる、「食欲抑制の満腹ホルモン」でしたね。

睡眠が十分にとれていないと、次の日やけにお腹がすいたり甘いものが食べたくなってしまった経験はないでしょうか?

それは、この食欲増進ホルモンのグレリンが増えてしまっていることが影響をしています。

なぜこんな作用が起こるのでしょうか??
考えてみると、いたってシンプルな理由です。

睡眠不足ということは、それだけ活動している時間が長い、ということですよね。
そうなると、体はグレリンを増やしレプチンを減らすことで私たちに食べ物を食べるよう促し、長くなった活動時間に必要なエネルギーを確保しようとするのです。


身体って本当によくできていますよね。
そんなに多く活動するなら、エネルギーが必要だろうということで、
「よかれと思って」エネルギーをしっかり取り込めるように食欲を増やしているのですね。


睡眠不足は「コルチゾール」も増やしてしまう


もう一つ、睡眠不足で増えてしまうホルモンがあります。
それが、ずばり「コルチゾール」です。

コルチゾールは、もともとは生物が外敵や飢餓など生命の危機に直面した際に分泌され、血圧や脈拍を上昇させて“非常事態”から脱出するために働くホルモンです。

そのため、日中はストレスを受けた時に分泌され、ストレスにうまく対処するように働いてくれますし、寝ている間も、適度に分泌されていれば脂肪や糖の代謝も行ってくれるホルモンなので、一概に「出たらだめ」なホルモンではありません


しかし、睡眠不足や睡眠の質が悪く、ずっと脳が覚醒状態にあると、副交感神経よりも交感神経が優位な状態が続いてしまうため、コルチゾールが増えすぎてしまいます。


そうなると、代謝機能に欠かせない成長ホルモンの働きを阻害し、エネルギー効率が悪く脂肪が燃えにくくなってしまいます

またコルチゾールが過剰に分泌されると、血糖値を下げるための「インスリン」が通常よりも大量に分泌されてしまいます

インスリンは余ったエネルギーを脂肪として溜め込む働きがあるため、食事で摂取したエネルギーが脂肪になりやすくなります。

「ストレス太り」って聞いたことがありますか?
その正体は実は、これだったのです。

睡眠不足だけでなく、何か強いストレスがかかった時にも、
ストレスに対抗するためにコルチゾールがたくさん分泌されるので、そのせいで脂肪燃焼のスイッチを入れてくれる成長ホルモンが抑制されて、
脂肪を燃やしにくく、ため込みやすくなってしまうのです。


ここまでで、以下に「睡眠」「ストレス」への対応が大事かということがお分かりいただけたと思います。


では、どのくらいの睡眠時間を確保すればよいのでしょうか?9時間も10時間も寝れば寝るほどに良いのでしょうか?


適切な睡眠時間とは?


適切な睡眠時間については、いろいろな研究がなされているようですが、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」によると、

個人差はあるものの、必要な睡眠時間は 6 時間以上 8 時間未満のあたりにあると考えるのが妥当である

健康づくりのための睡眠指針2014 /厚生労働省

と記載されていました。
また、秋田大学大学院教授の三島和夫 先生によると、

一人一人の体質や生活内容で大きく異なるため、自然に眠れて、日中眠くて困ることがない程度の時間を目安にするのがよいでしょう。
「最低でも8時間は眠らないといけない」と、眠る時間を気にしすぎると、かえってそのプレッシャーから眠れなくなってしまう場合があります。
また、高齢になるにつれて、睡眠時間が短くなるのに、寝床に入っている時間は長くなることが明らかにされています。"長い間布団に入っていても眠れない"と悩むことも不眠につながるので、睡眠不足の解消には、自然に眠くなる時間に寝床に入るなどして、その差を埋めることが大切です。

NHK 健康チャンネル「理想の睡眠時間とは?6~8時間が目安で個人差あり」

とのことで、やはり数値的な基準でプレッシャーを与えるのではなく、
日中体がだるくないレベルにしっかり休息をすることが大切なのですね!


はい、今日はこのあたりにしておきますね!
いかがでしたか?知っていたよーという情報も、なぜそうなのか?を知ることで、

普段から気に掛けることができたり、
自分だけの解決方法を見つけたりすることができるのではないかなと思います。

次回は、「運動」と食欲について書いていきますので、お楽しみにー!!!



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