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#187 漫画論21|YAWARA!

今回は日本の柔道漫画で最もメジャーであるYAWARAについて紹介しましょう。
年末年始で久しぶりに読んだんですが、今読んでも普通に面白いですね。
その勢いで「HAPPY!」まで読んじゃいましたけど、やっぱYAWARAの二番煎じ感が否めない、そんなグルーヴでした。


YAWARA!との出会い

これも完全に姉の影響ですね。
姉も僕に負けじを取らない漫画好きなので、ちょくちょく古本屋で買ってきたんですけど、YAWARAも確か1〜5巻位を買ってきて、それ以降はどっちかが買い合う姉弟ホットラインで全巻集めた記憶があります。

で、ちょうど当時アニメでもやってたんですね。
小3とかそれくらいだったと思いますが、アニメの終わりに滋悟郎じーさんが「バルセロナオリンピックまであと*日」とカウントダウンしていた記憶があります。

YAWARA!あらすじ

かつて柔道界で名を轟かせた猪熊滋悟郎じーさんの孫・猪熊柔(いのくま やわら)は都内の高校に通う一見普通の女子高生なのですが、滋悟郎(おじいちゃん)から鬼のような柔道の英才スパルタ教育を受けており、目指すは国民栄誉賞と鬼のような特訓を受けているんです。ただ、センセーショナルなデビューをさせたいという思いで、ひっそりと鍛えていたんですね。

そんな中で偶然ひったくり犯を巴投げて捕まえた際に、スポーツ記者の松田さんに見られてしまい、そこから存在が明るみにされてしまい、そこからは大会に出て、ライバルを倒しながら恋や進路に揺れて、最終的にはオリンピックに出場していくというストーリー。
とにかくテンポが良く、面白いです。

言うまでもないですが、谷亮子元参議院議員のニックネームの由来にもなった漫画ですね。なぜ浦沢先生は異議申し立てをしなかったのかが気になるところではありますが笑


YAWARA!の魅力

とにかくキャラクターが本当に各種各様で、書き分けが天才的です。
あとはサブキャラが本当にいい味を出しています。浦沢直樹先生はその点が本当に素晴らしい。

は本当に可愛くて良い子です。その点が感情移入できます。
ライバルのさやかさんも良いんです。嫌われないライバルみたいな立ち位置で、柔が天才であればさやかさんは努力型で、ガラスの仮面にも似た図式なんですが、その辺がいいですね。
あとは滋悟郎じーさんも本当にいい味を出してます。基本的に柔の天敵だったりもするんですが(笑)
あとはジョディとか、テレシコワとかのライバル、富士子さんとかの親友、そしてなんと言っても三角関係に悩んでしまう松田さん風祭さんの立ち位置もいい。
ラストも感動的で、本当にこの漫画は全部詰まってますね。是非多くの人に読んで欲しいです。


YAWARA!の好きなキャラクター

10位 巌流寺高校の先鋒

柔は高校時代、対外試合をさせたいというおじいちゃんの罠で、通学する高校の弱小男子柔道部のメンバーとして、無理やり巌流寺高校という強豪校と練習試合をさせられるんですが、この巌流寺高校の5人は下心丸出しで「女と柔道がしたい!」と一致団結笑
この先鋒は、この武蔵山高校の先鋒から中堅までを「女!女!女!女!」という勢いで勝ちまくるも、副将の花園くんに一本取られて負けてしまいます笑


9位 巌流寺高校の次鋒

この先鋒が敗れた際に「邪念があれば負けて当然!」と厳しく罵りながら、副将の花園くんに買った際に「やったー!女だ!」と浮かれる憎めないキャラクターです笑
この練習試合は本当に面白いですよ笑


8位 蛯天堂大学の柔道部の益田先輩

花園くんに嫌がらせをする先輩で、富士子さんが花園くんに電話した時に勝手に出て、「あんなやつ辞めた方がいいですよ!もっといい男いっぱいいます!例えば僕、益田と申しますが・・・」と売り込む、憎めない先輩です笑
とにかく浦沢先生はスケベな男を書くのが好きなんですね笑


7位 キューバのマルチネス

どう見ても強い、女子柔道の最重量級の選手です。「オウリャ!!」って言ってますからね笑
藤堂さんの天敵です。


6位 藤堂さん

藤堂さんは結構早い段階から登場します。
で、結構噛ませ犬的なポジションなのが悲しく、前述のマルチネスにも負け続け、あまりうまく扱ってもらえなのですが・・・それでも好キャラです。
しっかりバルセロナオリンピックに出場し、柔を海辺で激励するあたりは名シーンですね。


5位 富士子さん

富士子さんは本当に良いキャラクターでした。
最初は絶対すぐ消えると思って見てましたが、大学から柔道を始めてあれよあれよと気付けばバルセロナで銅メダルという才能の塊。
とにかく柔の親友として活躍してくれました。


4位 風祭さん

風祭さんは女癖が悪く、悪いやつなんですけど、柔には純愛してしまうという笑
その辺が憎めないところでしたね。
とにかく終始、松田さんとライバル関係になり柔を惑わせる、そんな好キャラでした。



3位 さやかさん

さやかさんは柔の日本での最大のライバルです。
とにかく気品があり、喋り方も振る舞いも完全にお嬢なのですが、そのくせに努力タイプでひたすら特訓を重ねるというキャラクター。
HAPPYのさやかさんに当たるキャラクターの蝶子がクソヤローでしかなかったのに対して、さやかさんは本当に愛されたお嬢でした。
今回久々に読んで、こんないいキャラだったっけ?と再確認しましたね。


2位 おじいちゃん

このおじいちゃんは本当に悪いヤツです。
柔の部屋に勝手に入ってラブレターを読んだり(ここで老眼鏡をかけるあたりの小技が秀逸)、柔の風呂を不可抗力といえ覗いた時に鼻息を荒くしたり、勝手に進路を変えようとしたりetc…とにかくトラブルメーカーです。
ただ、最後まで芯を貫く、本当に憎めないジジイですね。
個人的には「ジョデー」「デスコ」などと小さい「ィ」とかが言えないあたりも芸が細かくて素晴らしいと思っております。


1位 柔

そしてやっぱり主人公の柔ですね。
本当にこの子は可哀想な子なんですけど、それでも応援したくなる非の打ち所がない子です。
風祭さんが就活をしている柔を見て「こんないい子が会社に入ってきたら僕なら絶対ほっておかない!」と言うくらい、とにかくいい子なんですね。
そして強い。作中では不戦敗以外は無敵。とにかく才能の塊でしたが、それでも嫌味がなく応援したくなるいい感じのキャラクターでしたねえ。


まとめ

浦沢先生の最高傑作は「20世紀少年」でもなく「MONSTER」でもなく「パイナップルARMY」でもなく、僕はやっぱ「YAWARA!」だと思ってます。
とにかく1巻読んだら最後まで絶対読んでしまうと思いますので、是非チェックして見てください!面白いよ!


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