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#100 漫画論⑦|巨人の星

ちょっと遡って昔の漫画も紹介します。
てなわけで今回セレクトしたのは野球漫画のレジェンド「巨人の星」を。

親父がこの時代の漫画が好きで全部持ってたんですが、そこで読んで僕は野球に関する全てをこの漫画で学んだ、と言っても過言ではありません。


巨人の星 あらすじ

あんまり覚えてないんで適当に書きます笑
「哲のカーテン」でお馴染みの川上哲治監督が現役時代、巨人には幻の三塁手がいました。その選手こそが星一徹。今作の主人公・星飛雄馬の父です。
で、一徹は魔送球というファールスレスレのボールを投げる選手だったんですが、川上哲治に「栄光の巨人軍には相応しくない!」と言われ、球界を去り、夢を一人息子の飛雄馬に託すのですが・・・
まぁ、その虐待でしかない野球教育が本当にドイヒーなんです笑

そして虐待という名の英才教育を受けた飛雄馬はとんでもない豪速球を投げるピッチャーになり、花形左門という素晴らしいライバルと出会い、高校野球で準優勝して、色々あって高校を退学し、色々経て巨人軍に入団し、そこでライバル達と切磋琢磨し、最終的には一徹と戦うという笑

「親子とはここまで厳しくなければならないのか」と思わせる作品です笑


巨人の星の印象的なシーン

10位 大リーグ養成ギブス

巨人の星と言ったら、この大リーグ養成ギブスを思い浮かべる人も多いでしょう。
エキスパンダー?を改良して作ったこのギブスをつけて日常生活を送るように実父(一徹)より司令が下り、もちろん授業で黒板に問題の答えを書けと言ってもまともに書けず、鉄棒とかもできず。
「人権蹂躙だ!」みたいなことを言ってた記憶がありますが、まさにその通り笑

ただ、結果として飛雄馬はこのギブスを着用した影響もあり、豪速球を投げられるようになるのです。


9位 ちゃぶ台返し

星一徹といえばちゃぶ台返しと思うオーディエンスの方も多いと思いますが、実際にはちゃぶ台を一徹はひっくり返したことがないんですね。

上記のギブスを、飛雄馬をバカにした上記の丸刈りの不良につけてやるんですけど、この丸刈りもなかなか狂っていて「君に変なギブスをつけられたから慰謝料をくれ」と(確か花形の命令でしたが)家族の前で言い出し、ギブスのことを内緒にしていたのにペラペラと話した飛雄馬の頬に気合を入れ、その勢いでちゃぶ台のご飯やおかずが散乱してしまう、という感じでした。
食べ物は大事にしなきゃならないですね。


8位 星明子

そんな感じの父と息子の野球道についていけない、唯一のこの漫画の良心が星明子姉さんです。
母親が幼い頃に病死している星家で、家事を全て行うパーフェクトレディ。
その容姿もイケてるようで、伴宙太(後述)も惚れてしまい、花形(後述)に至っては結婚します笑

いつも柱や襖の影で見守るスタイルを「星明子スタイル」と言われておりますが、その由来はここから来てるんです。

僕が記憶している中で一徹の虐待が一番常軌を逸していると思ったのが、ガソリンを浸したボールに火をつけて、飛雄馬に投げるという殺人未遂にも近いトレーニングだったんですが、その時も泣き崩れていた記憶がありますね。
常識人です笑


7位 花形 満

花形満。とびきり筋金入りの不良です笑
と言ってますものの、この男はこの時期だけグレていただけであり、御曹司&帰国子女&頭脳明晰&スポーツ万能というスーパー・エリート。
しかしながら泥臭いところもあり、かなり好感度の高いライバルだったりします。
そして最終的には星明子と結婚するというあたりも憎めない。そんな良い御曹司ですね。


6位 伴宙太

伴宙太は、飛雄馬が進学する高校の柔道部の主将で、野球を知らないくせに弱小野球部のコーチをする(と言っても体罰)問題児なのですが、シゴキにも耐えて、尚且つ豪送球を投げる飛雄馬に惹かれて野球を辞め、数ヶ月で主砲になりプロに入るという運動神経の塊です。
そして飛雄馬の必殺技を一緒に開発するという、まさに女房役。
最終的には移籍してライバルになったりするんですけど、飛雄馬の唯一の理解者ですね。


5位 左門豊作

そして左門豊作です。
両親を亡くし、4人の妹弟を養う苦労人
とにかくストイックで、野球の鬼です。
と、かなり高校までは苦労していたんですが、プロ生活を何年も続けて美人の奥さんも見つけてと、最終的には唯一幸せになってるのは左門な気がしますね。


4位 大リーグボール1号

大リーグボールというのは「大リーグでも通用するボール」の意で、飛雄馬が必死で開発した魔球です。
プロ入りした飛雄馬はその軽量さ故に、ボールが軽いというピッチャーとしては致命的な弱点が露呈されてしまうのですが、「軽いんだったらバットに当ててアウトにする魔球を作ろう」と超ポジティブに捉えて、バットに命中する魔球をマスターしたという次第です。

で、この1号効果で飛雄馬はブレイクするんですが、この魔球を対策にするべく花形が鉄球を鉄バットで打つという特訓を行い、攻略するんですが病院送りになるという悲しい結末が待っており、大リーグボール1号の役目は終わりました。


3位 美奈さん

そして野球バカの朴念仁、飛雄馬が最初で最後の恋をしたのが美奈さんでした。
美奈さんはどこか(宮崎?)で働く看護婦さんだったんですが、巨人がそこでキャンプをしている時に偶然出会って恋に落ちるんですが、美奈さんはガンか何かで余命幾ばくもない状態で死んでしまうんです。
とにかく飛雄馬が可愛そうでした。


2位 大リーグボール2号

大リーグボール2号は「消える魔球」です(個人的にはこれが一番好きでした)
ボールがスッと消えてしまうんです。こりゃ打てんって話ですね。
とは言えまたもや花形に打たれるんですが・・・

1位 大リーグボール3号

そして大リーグボール3号ですが、この頃飛雄馬はもうボロボロになってまして、選手生命を削りこの魔球(バットが空気抵抗のナントカで避ける魔球)を開発するんですが、まさに諸刃の剣。
投げるたびにダメージを受けるんです。

この頃、一徹が中日のコーチを務めており、伴もトレードで中日に移籍するんです。
そして、伴vs飛雄馬となり、9回裏最後の打席で、カウントも2-3とかで、最後にこの3号を投げて飛雄馬の肘はイカれてしまいます。
そして伴も打つんですが、結局セーフかアウトか有耶無耶なままゲームセット。

そして肘を壊した飛雄馬は球界から去るというバッドエンド。
ただ、この漫画で作者(梶原一騎)が伝えたかったのは後先考えず一瞬で燃え尽きる美学もあるって事ですよね。


おまけ

ちなみに左腕をダメにした飛雄馬が右投げの打者に転向するという話が続編の「新・巨人の星」にあったりしますので、そっちもチェックしてみましょう。

とにかく、父と子の愛情を描く作品ですので、是非チェックしてみましょう!

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