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#604 蹴球論56|2005年ワールドユース 〜谷底の世代〜

2005年のワールドユースも紹介しましょう。
前回2003年ワールドユースは僕の同世代(1983)が活躍するという思い入れが強い世代で、BEST8まで勝ち上がった世代なのですが、その次の世代ということで僕の2個下、1985年生まれを軸とした世代が出場した国際大会ですね。


2005年 ワールドユース 日本代表メンバー

  1 GK 松井 謙弥(ジュビロ磐田)
  2 DF 水本 裕貴(ジェフユナイテッド千葉)
  3 DF 吉弘 充志(サンフレッチェ広島)
  4 DF 小林 祐三(柏レイソル)
  5 DF 増嶋 竜也(FC東京)
  6 MF 伊野波 雅彦(阪南大学)
  7 MF 梶山 陽平(FC東京)
  8 MF 中村 北斗(アビスパ福岡)
  9 FW 平山 相太(筑波大学)
10 MF 兵藤 慎剛(早稲田大学)
11 FW カレン・ロバート(ジュビロ磐田)
12 MF 水野 晃樹(ジェフユナイテッド千葉)
13 FW 苔口 卓也(セレッソ大阪)
14 MF 本田 圭佑(名古屋グランパスエイト)
15 MF 船谷 圭祐(ジュビロ磐田)
16 DF 柳楽 智和(アビスパ福岡)
17 MF 家長 昭博(ガンバ大阪)
18 GK 山本 海人(清水エスパルス)
19 FW 前田 俊介(サンフレッチェ広島)
20 FW 森本 貴幸(東京ヴェルディ1969)
21 GK 西川 周作(大分トリニータ)

この世代は何といっても平山相太がキャリアも実際の身長も頭一つ抜けていました。
何といっても前回大会を飛び級で経験しており2ゴール決めてますし、もっと言うとその前年のアテネオリンピックも飛び級で出場しているという鬼。

あとは選手権のスターだった増嶋カレン・ロバートですね。
増嶋はプロで伸び悩みましたが、カレンは確かこの年ジュビロで得点を量産して新人王になった記憶があります。
それ以外にJで目立ってたのは本田さん家長、そして水野&水本というオシムチルドレンのウォーターボーイズ(こう言われていた)
あとは広島ユースの最高傑作と言われた前俊、前回の平山よろしく飛び級でメンバー入りした怪物・森本ですかね。

前回の2003年より戦前は期待されていた気がしましたが・・・


予選リーグ

第1戦 1●2|オランダ

初戦は開催国のオランダです。
この世代のオランダは戦力が揃っており、エースでリバプールで活躍したライアン・パベル、中盤のキャプテンで、後にバレンシアで活躍したマドゥーロなどと名の知れた選手が揃っており、かなりエグいチームでしたが、この時期は無名だった規格外の怪物がいました。

そのクインシー・オウス=アベイエ
我々の世代ですと「クインシー」と呼ばれることが多かったですが、名字は多分オウス=アベイエですね。とにかくこいつが鬼でした。
応対した中村北斗も日本では有数のスッポンディフェンスの持ち主でしたし、この頃からフィジカルには定評があった本田さんを持ってしてでも、まるで相手にならないスピード、フィジカル。鬼でした。
そんなクインシーの突破から2点を奪われます泣

この時点でこのクインシーはロッベンクラスのスターになると予想しましたが、この大会がピークで以降はそんな名前を聞かなかったですね・・・

そして0-2にされた日本でしたが、水野のFKから平山が頭で合わせて一矢報いるも時すでに遅し。1-2で初戦を落としますが、この敗戦は仕方ないですね。


第2戦 1△1|ベナン

そして2戦目の相手はベナン。ゾマホンの出身国ですね。
…とa.k.aみたいな感じでゾマホンの名前を出しましたが、同世代しか知らないかもですね笑

そんなベナンは初戦でオーストラリアと引き分けていて、最終戦がオランダである以上、勝ち上がりには日本には勝っておきたいところ。
そんな感じで勢いのあるベナンを止められず、前半35分にマイガに先制点を許し、オーマイガという感じでしたが、後半に今大会1アシストと好調の水野がFKを直接決めて同点に追いついて、1-1のドローで試合終了です。


第3戦 1△1|オーストラリア

最終戦の相手はオーストラリア。
ベナンに引き分け、オランダに0-3で敗れオーストラリアも背水の陣。

この時点で勝ち点はオランダ6、ベナン2,日本1,オーストラリア1。
オランダはこの時点で1位抜けが確定している感じですね。

日本も勝てれば2位通過もあり得て、仮に3位になったとしても勝ち点4取っておけば通過できるレギュレーションだったんです、が!
足元をすくわれて先制され、配線濃色だったんですが奇跡を起こしたのは前俊!魅せてくれました。


結果、オランダは全勝で1位抜けが確定ですが、
日本、オーストラリア、ベナンは全チームが1敗2分けで並び、総得点の差で日本が勝ち点2ながら2位通過という珍事に笑

グループリーグ未勝利で決勝トーナメントに進むのは史上初とか、そんな残念な記録も打ち立てた記憶がありますね笑


決勝トーナメント

1回戦 0●1|モロッコ

そして決勝トーナメント1回戦、モロッコに敗れて日本の戦いは終わりました。

モロッコは結果ベスト4まで進む好チームだったのでくじ運に恵まれなかった感はありましたが、国際大会4試合で1勝もできないというのは残念でした(谷間の世代と言われた2001年大会でも1勝はしていたので)
アジア勢で勝利できなかったのは日本だけですし、中国に至っては予選リーグ全勝してますからね笑
謎にこの世代強かったみたいですね笑


大会は結果、メッシ率いるアルゼンチンが優勝しました。
準優勝したナイジェリアにはミゲルがいたり、スペインにはダビド・シルバがいたり、ジョレンテがいたり…と、この大会から多くのスターも羽ばたいていきました。

そんな感じで屈辱を覚えた世代は、後に紹介するオリンピックでも跳ねることができずに谷底の世代と言われてしまいましたが・・・
それでも結果、本田・長友・岡崎・香川という日本代表の第2次黄金時代と言われるくらいに成長したので、この敗戦もしっかりになったんですよね。

その為に必要な敗戦であり、世界との差を感じる良い機会だったように思いますね。


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