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#090 漫画論⑥|ガラスの仮面

僕は姉と妹がいるんですけど、昔は毎月姉が買ってくるマーガレットと妹が買ってくるりぼんを読んでました(りぼんに関しては妹より先に笑)
故に、「花より男子」から「ママレードボーイ」までしっかりと少女漫画も語れる守備範囲の広さを持ってはいるのですが、その中でも一つ少女漫画を選べと言われたら、私は迷わず「ガラスの仮面」をチョイスします。

連載開始が1976年とかなので、もう半世紀近く続く不朽の名作。
この続きが気になったまま鬼籍に入られた方も少なくないでしょう。
HUNTER×HUNTERなんて可愛いもんです笑

なぜここまで長く続いているのかは諸説ありますが、僕も追い続けて30年以上経つのでいい加減に終わって欲しいのですが…笑


ガラスの仮面 あらすじ

主人公の北島マヤは、勉強もスポーツも何をやっても平均以下の少女なのですが、演劇の才能はズバぬけたものを持つ”天才”であり、その天才さ故に多くの妬み嫉みを買い、とにかくヘヴィーでハードコアな人生を図らずして進んでしまっております。

元々は横浜の中華料理屋に住み込みで働く母親と暮らしていたのですが、その母親は娘の演劇に対して理解が無く、演劇をやりたいマヤは家出をして、月影先生と言う元大女優の劇団に寄宿するんですね。

そして最大のライバル・亜弓さんが登場します。
亜弓さんは映画監督と女優の娘で、超金持ちのお嬢で演劇の才能もあるのですが完全な努力タイプ。故にマヤに嫉妬したり色々あります。

そんなマヤと亜弓さんが目指すのは「紅天女」と言う、伝説の舞台です。
過去に月影先生が唯一演じたこの作品はドル箱コンテンツらしく、上映権を巡って芸能界各社が争っているのですが、その中で「大都芸能」と言う超大手芸能事務所のやり手の二代目若社長・速水真澄がこの上映権をGETするためならなんでもやるという感じなんですが、ひたむきに演技するマヤのファンになってしまうんです。

そこで、芸能事務所の社長が一人の女優のファンになるなんてあり得ないと自覚し、その思いを紫のバラに変えて送り、マヤはそのファンを「紫のバラの人」と慕うと言うのが大まかな流れですが、それ以降の演劇の稽古は完全な虐待、マヤを貶めようとするライバルがやることは完全な犯罪、そして物語の終盤に出てきた紫織さんと言うキャラクターがまたエグく(後述)、とにかく波瀾万丈なストーリーなのですが、まぁ面白い笑

とにかく詳しくは文庫版で読んでください!


ガラスの仮面 劇中劇に対する所感

ここから読んだことのない人を置き去りにしていきますが、漫画の中で演劇をすると言うのがなかなか心理描写などが面白かったりするので、是非見てみて欲しいですね。
主要なやつのみ紹介します。


若草物語

これはマヤに役を取られたさやかが可哀想すぎたというのに尽きます。
それ以外は特にコメントなし笑

たけくらべ

この時の月影先生の稽古でマヤを物置に閉じ込めて、その物置の前で「私もここで練習してくなったんです」と言うツンツンっぷりと、1人2役の時の表情の切り替えとかは秀逸。
そしてこの時は全国大会のコンテストだったんですけど、マヤ達劇団つきかげの発表の前に、劇団オンディーヌ(亜弓さんの劇団)が同じ「たけくらべ」を裏工作で演じるという無茶苦茶な展開笑
同じの連続で見せられて観客可哀想ですよね笑

ジーナと5つの青い壺

これはマヤが謀略により、1人で舞台に出ることになったんですが、とにかく秀逸。月影先生の「手」もまた秀逸です。

嵐が丘

あんま印象ないですが…
この作品を持ってマヤは「舞台荒らし」と言われてしまいます笑

石の微笑

これは人形になり切ると言う内容なのですが、この月影先生の稽古が最高に狂っています笑

奇跡の人(オーディション)

このオーディション編は面白いです。最後のテストとか秀逸です。
そしてこのオーディションに向けた特訓でマヤが紫のバラの人の計らいで別荘に行くんですが、そこでの特訓がかなり過酷なので必読です笑
亜弓さんの特訓も絶対死ぬレベルです笑

奇跡の人

これはかなり面白いです。
ちなみにこれは僕の実家に姉が買っていた単行本があったんですが、まぁ当時のバージョンなので放送禁止用語がメッチャ飛び交ってます(文庫版では修正済みですが)

天の輝き

これはマヤが芸能界入りして出演する大河ドラマなのですが、まぁこのドラマの内容というよりかはこの頃のマヤに嫉妬するグループが3つくらいあって、そこでのイジメがマジで犯罪です笑

トキのやつ

これは凄いですよ。

女海賊ビアンカ

これは芸能界を干されていたマヤが学校の学園祭でやる作品なのですが、これもなかなか秀逸です。これは読んでみたくなりますね。

通り雨

これは僕の姉がすごい好きで、この作中でマヤが演じる佐藤ひろみという少女の髪をいじる癖とか、首をクイッとするシーンとかの真似をよくやっていましたね笑

真夏の夜の夢

これも面白いです。
これは原作があって有名なやつですね。

ふたりの王女(オーディション)

これはメチャクチャ面白い。一番面白いかも知れません。
マヤの一人勝ちで、ライバルたちがみてて可哀想になります(特に雪村みちる笑)

ふたりの王女

これは完全にオリジナルらしいですが、原作読みたくなりますね。
これも面白いです。
ちなみにこの稽古をつける月影先生もなかなかグルーヴィです笑

狼少女ジェーン

これも最高です。これはマジで舞台見たいと思わせる良作です。

紅天女

そして最後にして、最大の問題作がこれです笑
ここに入ってからがまぁ長い笑
まぁマヤvs亜弓さんの最終決戦だったりするので長くなるべくして長いんですが、ボチボチ収束して欲しいですね!(切実なる願い)


以上、てなわけで所感を書いてみましたが、1/1000も伝えられていないのでやはり漫画を読んでくれという感じですね。


ガラスの仮面 クズランキング

それでは最後にこの漫画に出てくるクズたちを紹介しましょう。

10位 杉子さん

1巻から出てくる、マヤが住み込みで働いていた中華料理屋の娘です。
約束を破ろうとする、マヤの母親のお願いを忘れるなど小クズの内容を色々やりながらも、最終的にはちょっといいやつになります。


9位 マヤの母親 

マヤの母親はなかなかエグい形で絶命してしまい、最終的には良い母親として描かれているのですが、改心前はまぁクズでした。
月影先生に熱湯かけたりしてますからね笑


8位 劇団オンディーヌ 小野寺理事

この人は月影先生とマヤに嫌がらせばっかりする典型的なクズですが、まぁわかりやすいクズです。
小悪党といったところでしょうか。


7位 トキ編で団子を入れ替えるやつ

こいつら(男女2人います)はマヤが舞台で食べる饅頭を泥団子に変えるというありえない嫌がらせをする相当ダメな奴らなんですが、この嫌がらせで演劇を辞めようとしていたマヤに火がついたりするんですね。


6位 暴走族Zのメンバー

こいつらも本当に悪いです。
芸能人に飲酒させて拉致監禁してますからね笑



5位 月影先生

月影先生もなかなかのサイコパスです。
マヤでなかったら死ぬようなことを何度もしてました笑


4位 速水真澄

真澄は「紫のバラの人」で助けられてる感はありますが、まぁ酷いですよね笑
あとはこのあと登場する紫織さんへのケアが下手くそすぎて腹立ちます。


3位 速水会長(真澄の父)

こいつはまだ謎のヴェールに包まれていますが、過去編に登場する時は本当にクズです笑


2位 乙部のりえ

そしてこののりさんは本当に悪いやつで、前述の「暴走族Z」に依頼してマヤにスキャンダルを負わせて芸能界から失脚させようとするんですが、亜弓さんにボコボコにされるという感じで読者の溜飲を下げました。


1位 紫織さん

そしてぶっちぎりの1位は紫織さんという、割と後半に出てきた真澄の婚約者なんですが、とにかく頭から足の爪の先まで狂っているサイコキラーです笑

極度のメンヘラでありながらバイオレンスの一面もあり、謀略・策略を仕掛けるもツメが甘くて失敗すると、逆ギレして自殺未遂をするという手に負えないメンモン(メンヘラモンスターの略称)。もう出会ってしまった時点で諦めるしかないキングボンビーなのです笑
そして笑ったのが、そんな紫織さんは漫画のアシスタントからも嫌われていて、美内先生の指示も「嫌いだからやりたくない」と処理してくれなかったりするレベルらしいです笑


最後に

とにかく美内先生、続きをお願いします!!!!

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