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#534 漫画論48|RAINBOW〜二舎六房の七人〜

この漫画は大好きでしたね。
恐らく僕が最後に全巻集めた漫画かも知れませんし、奥さんとの同棲を機に多くの漫画をリストラしたんですが、未だに全巻家にある数少ない漫画です。
そんな「RAINBOW〜二舎六房の七人〜」を本日は紹介しましょう。


RAINBOW〜二舎六房の七人〜とは?

終戦から10年が経過した昭和30年(1955年)、日本はまだまだ貧しかったんです。
そんな時代に様々な事情で罪を犯し、少年院に服役することになった少年達のストーリーです。
同日に収監されたマリオ等6人は、二舎六房という部屋に収監されるんですけど、そこにいた先輩(アンチャン)というカリスマに心酔し、そこからクズのような看守と戦ったり…というヒューマンドラマなんですが、全員が少年院を出所してからもドラマは進み、色々と生きていく中で、悪い奴らと戦うドラマが続いていきます。
尚、原作者は元暴力団で有名な安部譲二で、自伝的作品とも言われております。

僕が初めてこの漫画を読んだのは大学の頃で、もう既に7巻くらいまで出ている状態でした。
この漫画は絶対面白いだろうと確信して、1巻~3巻くらいを買って読んでハマり、恐らく次の日には全部揃えていましたね笑
連載されていた漫画が「ヤングサンデー」というコアな雑誌だったが故に、リアルタイムの連載では読まず、単行本で楽しんでおりましたね。


RAINBOW〜二舎六房の七人〜 の魅力

1.画力

まずは「画力」でしょう。
連載開始から完成された洗練されたタッチで、そこまで絵柄も変わらずに連載終了まで高いクオリティを保ち続けましたね。
ボクシングのシーンとか、格闘シーンは秀逸でした。


2.言葉の言い回し

結構周りもみんな読んでいたので、当たり前のようにRAINBOW用語で会話したりしていましたね。
「同じことを2回言うと風邪ひく」とか言ったり、煙草を「ネッコ」と言ったり、あとは浮かばないんですけど…笑
とにかく独特の言い回しは真似して使ってましたね。


3.グロテスクの中でも勧善懲悪

とにかく悪い性癖を持った異常性犯罪者が多い漫画でした。
孤児院のババア、佐々木先生、前畑伸之輔 etc…
とにかく「変態さん集まれ!」という感じで、更には画力も相まって、なかなかエグイ描写も多かったです。
よくこれがアニメ化されたなと思ってましたね笑


4. 先の読めない展開

タイトル的に少年院の作品だと思ったんですが、出所してからの方が長いんですね。
流石に先が読めなかったです。
そして最後、マリオだけ具体的な未来が描かれないエンディングも凄く良かったですね。結構好きな最終回でした。


RAINBOWの好きなキャラクターBEST10

10位 キャベツ

気は優しくて力持ちのキャベツですね。
そんな優しい男なのに、愛する女を守るために障害を起こして少年院に入ったり、腕にタトゥーを入れたりと、なかなかやるときには暴れるタイプの男でした。ちょっと思いこんじゃったら猪突猛進しちゃうタイプですね。
プロレスラーになり、幸せに過ごします。


9位 佐々木先生


第1章のラスボスですね。
少年院の嘱託医なんですけど、男色の気があり、収監されたお気に入りの美少年にイタズラするとんでもない変態ジジイなんです。
そしてやりたい放題やるんですが、されるべくしてリベンジされ、最後は社会的に死ぬ感じで終了。
最後はちょっとかわいそうでしたね…


8位 前畑 伸之輔

資産家で、その財力を武器に幼女と養子縁組を行い、そして性的虐待を繰り返すという佐々木先生と並ぶ極悪変態中年です。
ジョーの妹のメグにも性的虐待を繰り返した挙句、政略結婚をさせようとした挙句、それをジョー達に咎められて、逆ギレして相撲取りをカネで雇ってボコらせるという鬼。
最後は社会的制裁を食らい、読者たちの留飲を下げることとなります。


7位 バレモト

詐欺で収監された男で、悪知恵が利く男で、二舎六房メンバーの頭脳です。
最初はヤな奴でしたがのちに改心し、自らを犠牲にしてみんなを逃げさせるシーンは最高にカッコよかったですね。
のちに性獣となり、売春宿にハマるのも憎めなかったですね笑


6位 スッポン


窃盗で捕まった手癖の悪い男ですが、仲間想いのいい奴です。
嚙みついたら離さないスッポンですね。
商才もあり、メンバーの中で一番稼いだのは彼でしょう。


5位 ジョー

ジョーはイケメン&美声の持ち主という2物を与えられたラッキーマンですが、そのルックスが故に施設長(ババア)にも犯されたりという辛い経験をしているんですが…妹にも出会えてよかったですね。
最終的にはなるべくして歌手になります。


4位 節子さん

節子さんは男運が無いキャラクターでした。
アンチャンといい感じになるも死ぬし、則松さんと結婚するも死ぬしetc…
男運が悪いのか、もっと言うと節子さんがサゲマンの可能性も無きにしもあらずですが…とにかく可哀そうな人です。
マリオとくっついとけばよかったのにと思ってしまいますが…


3位 アンチャン

そしてカリスマのアンチャンです。
アンチャンが収監されたのはずっと謎でしたが、その伏線も最後の方でようやく回収されましたね。
マリオたち6人が入所早々にあんな激しくぶん殴ったのはちょっと謎でしたが笑


2位 マリオ

そして主人公のマリオです。
自分より相手の幸せを願う、他者貢献の強い男ですが…
最後まで自分の正義を全うし、失明(?)しても守りたいものを守る、カッコいいキャラクターでした。
そして最後まで節子さんにもらった帽子をかぶり続けるのも良かったですね。
最終回では唯一、具体的な将来像を語られませんでしたが、それはそれで余韻を残して良かったですね。


1位 ヘイタイ

そしてブッチギリで一番カッコいいのはこの男でしょう。
序盤というか途中までは影薄かったんですが、やはりヘイタイが目立ちだしたのはメグ編ですね。
メグに愛を伝えるシーンが最高にカッコよかったですし、あれは漫画史に残る良い告白ランキングに入るでしょう。
ちなみに漫画史に残るダメ告白は言うまでもなく夜王の霧崎京一郎刑事のやつですね笑


まとめ

そんな感じのRAINBOWですが、やはり一番楽しかったのは少年院編とかだった記憶があります。アメリカ詐欺軍団編はちょっと長かったので‥

そんな感じのRAINBOW、久しぶりに読みたくなりましたね。

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