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#664 アルバム論39|おどる亀ヤプシ+ハヴァナイスデー / UNICORN(1990)

前回のアルバム論で、ユニコーンの最高傑作とも言われた「ケダモノの嵐」を紹介させて頂きましたが、今回はそのケダモノの嵐リリースの1ケ月後と2ヶ月後という短期スパンでリリースされた2枚のミニアルバム「おどる亀ヤプシ」「ハヴァナイスデー」を紹介します。


おどる亀ヤプシ+ハヴァナイスデーとは?

前述の通り、ケダモノの嵐リリース後にユニコーンは2枚のミニアルバムをリリースするんです。
で、解散後にこの2枚のミニアルバムを併せて1枚のアルバムにした「おどる亀ヤプシ+ハヴァナイスデー」をリリースし、僕もこの合体版を購入しましたね。


おどる亀ヤプシとは?

「ユニコーンは子供に人気が無い」という状況を打破すべく、子供に親しまれるように絵本形式で、童謡なのかワルツなのか、民族音楽なのか…という感じで、メンバー各々が思い描く「子供観」を集約させ、外部プロデューサーに委託した実験作。
とにかくメンバーも「人気が無かった」と述懐しますし、僕も全然琴線に触れなかったのですが・・・笑
ただ大学時代の友人は「マジで名盤」と言っていたので、人を選ぶ作品かもですね。

社会人になってからこの絵本をブックオフで発見してテンション上がって買って、実際にその後子供が読んで、どっか行きましたね笑


ハヴァナイスデーとは?

これも「おどる亀ヤプシ」同様、外部プロデューサーを利用したんですが、こちらは海外でレコーディングをしたようで、基本一発撮り、ロックンロールテイストの曲が多い作品です。
正直あんまり印象に無いですね笑


おどる亀ヤプシ+ハヴァナイスデー 全曲紹介

1. 初恋

1曲目はEBIが作ったクソ長い曲です笑
ツルゲーネフのはつ恋ほどの深さは無く、歌詞が小学生の内容でクラスメイトの異性に恋したという、正にオーソドックスでどノーマルな初恋ですね。
とにかく一般受けしない、このアルバムを象徴するような曲ですね笑


2. ママと寝る人

これは意味深な歌詞ですが、多分「父親」のことを回りくどく言ってます笑
この曲も主人公は確かに子供なんですけど、「飲みすぎ 飲みすぎ お口がくさい」「日曜 起きたら ゴルフに行った」など、子供の視点でこの歌詞を書いても、まぁ子供には響かないでしょう笑
あんまり覚えてないです笑


3. 12才

この曲はテッシーの曲ですが、一番このアルバムでコンセプトに近い気がします。みんなのうたとかでも使われてもおかしくない感じのワルツですね。
かなりキーも高そうですが、民生が苦労して歌ってます笑


4. ボサノバ父さん

この曲は民生のお気に入りのようで、ソロでもちょくちょく歌ってますね。
確かに親子の曲ではあるんですが、「娘が彼氏を家に連れてくる」という感じのテーマで、結構年齢高めの親子の会話だったりします。
子供の解釈も色々あるという感じですね。


5. PTA~光のネットワーク~

そして後に命果てるまでのc/wとして、シングルカットもされたのがこの曲ですね。この曲もこのコンセプトアルバムに相応しい、子供達から先生を見た曲です。

この曲の特筆すべきことは、やはり当時人気だった光GENJITMネットワークに対してタイトルと言い、歌い方と言い、完全に模倣と言うかパロディと言うかネタにした点ですね。今の価値観で考えてもあり得ないですよね笑

そして演奏もしっかりカッコいいというのが憎いです。
Aメロのギターとかメッチャ好きですし、Bメロのギターもカッコいい。
ふざけてここまでクオリティの高い曲を作れるのは凄い。マキシマム ザ ホルモンにも通じるものがありますね。



6. 俺の走り

好きな娘と帰り道が一緒なんですが、彼女が一輪車で帰るから、俺も走れば一緒に帰れるねって曲ですが、正直あんま覚えてないですね笑


そんな感じでここまでが「おどる亀ヤプシ」の収録曲です。
クラスメイトに恋した子供、父親がちょっと嫌いな子供、お母さんを好きな子供、もうすぐお嫁に行く子供、先生を気遣う子供、好きな娘と一緒に下校したい子供と、すべて子供をコンセプトにしているのですが・・・子供受けってのはちょっと違いますよね笑
まぁ本人たちも分かっていたと思いますが笑

それにしてもかなり時代を先どった作品ですね。
今だったら評価されるのかなとも思いましたが、多分されないですね笑
やはりPTAが一番好きですね。


7. ハヴァナイスデー(Have A Nice Day)

そしてここからは「ハヴァナイスデー」です。
この曲はまさにこのアルバムのレコーディング背景を象徴するような曲で、日本のロックバンドが海外でメッセージを発している感じですね。
地名が英語だったり、随所でカタカナ英語が入っていて、ルー語みたいな歌詞です。これまた大分時代を先どってますね・・・

あまりライブ音源みたことないですが、ギターメインのロックンロールですね。ライブで映える曲です。


8. 魚の脳を持つ男(I Fell In Love With A Man With A Fish Brain)

このアルバムは海外で作ったのでいっちょ前に洋題がついてます笑
前作の「いかんともしがたい男」「働く男」「スターな男」などに続く男ソングですが、「偶然道であった人に挨拶したけど誰か思い出せないから適当に挨拶した」という、それだけの曲です笑


9. 鼻から牛乳(Milkphobia)

EBIが作ったストーカーの曲ですね笑
EBIが作って民生が歌うのは「シンデレラ・アカデミー」ぶりだと思いますが、EBIの変態ベースと民生の清涼感のあるボーカルがかなりいい感じの名曲です。
そんな派手じゃないですし、有名でも無いですが、隠れた名曲です。
そして最後の「鼻から牛乳」の一説はマジで要らんですが・・・嘉門達夫先生へのリスペクトなのでしょう笑


10. レベル(Rebel Without A Cause)

西川くんが作った正統派ロックンロールですね。
西川くんらしくない、捻りの無い歌詞だったりします。
書こうと思ったらこういう歌詞もちゃんと書けるんですね笑
とにかくそんな感じの曲です。


11. $2000ならOKよ(Mayflower Madam)

デリヘル嬢の曲のようですが、よく分からん曲ですね笑
残念ながら音源も見つからなかったです泣


12. 東京ブキウギ(Tokyo Boogie Woogie)

ユニコーンで唯一のカヴァー音源ですね。
何故この曲のカヴァーが収録されたのか謎ですが、海外でレコーディングされた本作であえてこの曲をチョイスしたのかもですね。
阿部のピアノがかなり主張していてカッコいいですし、「HEY!」も盛り上がりますし、ライブで映える曲ですね。


そんな感じでハヴァナイスデーは割とライブで盛り上がる系の曲が多いですが、実際のライブではそんな演奏されていないのが悲しい所ですね。
個人的にはハヴァナイスデーが一番好きですが、鼻から牛乳もいいですね。


まとめ

そんな感じでこの問題作を振り返ってみましたが、久しぶりに聞きたくなりますね。
次はヒゲとボインですね。ユニコーンももう少しで終わりなので少し寂しい感じです。

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