誰かに何かをお願いしたい時の「口説き方」


「こういう時、なんていったらいいかな?」

言い回しに悩む時ってありますよね。相手を傷つけず、波風立てず、だけどきちんと伝えなければならない時。

お母さん同士のコミュケーションでは時々、「お願い!」「いいよ!」と5秒でお願いごとが解決することがあります。でも普通はそこまで簡単にお願いごとをできないですよね。

私は、結婚15年くらい、子ども複数、家にいたいけど働きたい、ちょっぴり複雑なお年頃のよしえです。昨年からWEBライターとワークショップのファシリテーターをしています。

子どもが複数いるとですね、お母さん同士のあれこれに関わることがあるのです。といっても大体はPTA関連で、ドラマのようなことは未経験です。いえ、もしかしたら周りではそういう事態になっていたのかもしれませんが、いつも単独行動しているとですね。常に部外者というか。あ、はい、お察しありがとうございます。

いつも一人で、人と人の間を走りまわるのが好きという八方美人の性質を最大にいかせるのが、人を口説く場面でした。どうやって口説くかというと、「〇〇さんにこれやって欲しいけど難しいだろうなあ」って時に、すす~と間に入っていって口説くのです。

いきなりすり寄るわけではありません。まず、相手のことをよく知っていないと。ここで必要なのは素直な想像力です。自分の願望とか欲望抜きにして、相手に同化して思考し「ここなら押せるかな」というポイントを探って、いけそうだな、と思った時だけ動きます。

私は「くすぐりポイント」と言っていますが、この「くすぐりポイント」が見つけられない場合は口説けません。相手に隙がないのです。その場合は「ごめん!無理だ!この人は諦めよう」と別プランを提案することにしています。

しかし「くすぐりポイント」が見つかり、いざ口説く時。

私は本気で口説きます。「〇〇さんにお願いしたい案件」なら、

どうしてその人にお願いしたいのか

・嫌な仕事の押しつけになっていないか

・その人がやっていて楽しそうな姿が想像できるか

・その人がやってみて、プラスになるようなことか

それらをとことん考えて、私自身が納得して笑顔になった時だけ口説きに走ります。それで断られたとしても「そっか!考えてくれてありがとう!忙しいのにごめんね」と、お礼を言って笑顔で去ります。断られた時に笑顔になれない人は要注意です。理由は後記します。

これは八方美人の「どっちも好きだから必死に頑張っちゃう心理」でやっていたことなんですが、結果「なんかあなた、口説くのが上手いわね」と言われるようになりました。まあこれも私の特技かなと最近思うようになり、誰かの役に立つかなと思って書いています。

注意して欲しいのは、間違っても説得してやろう、とかこちらの思惑通りに動かしてやろう、など絶対に思ってはいけません。それはダークサイド。ダメ・ゼッタイ。

一度ダークサイドに落ちたら、同じ技でも闇のパワーが出てしまいます。闇のパワーは何かというと「押しつけ」です。誰もが嫌がる嫌な仕事を押し付ける。そんな雰囲気になってしまいます。そんなの言われる方は悪夢でしかありません。私も悪魔になりたくありません。今度から近寄る前に逃げられてしまうでしょう。

私のように「好き」の場所に相手を置いて接する必要はないと思います。でも誰かに何かをお願いしたい時、先行するのはやって欲しい理由でなくて「あなたじゃなきゃだめなの感」を自分が持てるかどうかだと思うのです。それくらい真剣じゃないと、口説き文句は相手に届きません。

ちなみに「あなたじゃないとだめなの感」は演出されるとウザいです。伝える側が感情として持てるかどうか、さらにそれを駄々洩れにさせないで簡潔に言葉にできるかどうか。

いないと思いますが「あなたの為を思って」は令和の時代には死語だと思います。自分の為になるかどうかは自分で決めます、と壁を作られてしまうかも。私なら作ります。リアルブロックです。

頼み事は嫌なこと、だという思い込みも闇の一部です。心から頼りにされると嬉しいものですよ。それをやるかどうかは別として。

そこまでして、いざ断わられても笑顔で感謝を忘れずにいること。それが出来ないお願いごとは、まだ闇の中にいます。「このわたしがお願いしてやったのに」という気持ちは光で消滅させる必要があります。

その人の持ち味、というものがありますから私の方法はあくまで私流の方法かもしれません。でもお願いごとをする時って、

自分と相手の気持ちを大事にした上で、ちょっと先の楽しい時間

を想像することは共通していると思うんです。

普段の長時間おしゃべりで培った「相手情報」という地盤があるお母さん同士の決定は早いです。お願いごとをするとき、分業にするとき。それぞれの特性や性格を瞬時に思い出して言葉にできる瞬発力があります。だから

「お願い!」「いいよ!」と5秒でお願いごとが完結するのです。知られざる主婦のすごいスキルです。コミュニケーションに困っている会社は、主婦にお茶を飲みに来てもらえば良いのではないでしょうか。

春に向けて、誰かに何かを頼むシーンが増えてくると思います。人に頼むの苦手だな、とか嫌だなって思っている人は自分の気持ちにちょっと目を向けてみてください。お願いしたい事柄は、本当にそれほど嫌なものですか?どこかに光はありませんか?

口説く前に、自分の時間を使って相手のことを考えておく。この事前準備をゆっくりでいいのでやってみてはいかがでしょう。




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