車校 その3

男同士でじゃれ合う大学生にスマホを向け、「一枚ぐらい撮っとこうや!」「俺も混ぜてえや!」と声をかけるわかばのおっさん。そろそろうっとうしくなってきたのか、言葉も返さない大学生、自分の言葉を無かったように「飲み過ぎたわ…」と言葉を重ねるおっさんを見て少し切なくなる。この大学生とわかばのおっさんの繋がりは教習しかない。あとパチスロ。

宿舎に備え付けの温泉と、毎日のご飯以外に楽しみがない。人間は不思議なもので、来る前は毎日温泉だ!と浮足立っていたものの、数日もすれば日常の一部で、こういうイベントは友達とかと来るから楽しいんだと再確認した。そんなことよりも、脱衣場で太った髭面のおっさん二人が「あんた」と呼び合い、妙に仲よさげにする小さなドラマに「ほんとにあんたって呼ぶんだ」とカルチャーショックを受ける。帰り際振り返ると、色違いのチェックのシャツを着ていた。

毎日車校と宿舎の往復はバスで、体を動かす暇もないもんだから妙に体がウズウズする。よって、昼飯時にチャリを借りて国道沿いを爆走。見つけたうどん屋(激うまい)に3日通えば、うどん屋のおばちゃんに桜餅をプレゼントされるラブアクシデント。思わぬ収穫に、付いてもいないブレーキランプを5回点滅、明日もくるのサイン。日曜日の今日、来てみたら定休日だった。早速別のうどん屋と寝た。

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