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「エンジニアリングマネージャーのしごと」読書会を実施しました

noteでEMをしている海野です。
昨秋出版されました「エンジニアリングマネージャーのしごと」読書会を社内で実施し、2023年1月末をもって終了しましたので、そのレポートです。

目的

  • 参加するEMは、読書会を通じて知識の幅を広げることができる

  • EM以外の方は、EMの業務について理解を進めることができる

noteエンジニアのEMマガジンに掲載されている記事にも何度か記載がありますが、noteには約50名のエンジニアが在籍しておりまして、私と @fukuiretu さんの2名がEMを務めています。

より精緻に、密度高くエンジニア組織を改善するには、EM2名ではなかなか手が回っていないのが現状です。
この読書会を通じて、EMの業務について深く理解しているエンジニアが1人でも増えれば、組織を改善していこうとするときによりスムーズになるのではないか。そう考えて読書会を設計しました。もちろん読書会の参加者からEM志望者が出てくれれば大金星ですが。

工夫した点

すべてを読もうとはせず、読む部分を厳選した

「エンジニアリングマネージャーのしごと」はかなりのボリュームがあります。この書籍を読めば、体系的に知識を身につけることができますし、EMになったときの心構えをすることもできます。
一方で、少しでもEMに興味をもってもらう人を増やすためには、網羅的に読書を進めるよりも、理解しやすい・馴染みやすい内容の部分を厳選して、興味の取っ掛かりを増やすほうが効果的かと考えました。
読書会に参加する以上は書籍が手元にあるはずですから、あとは自ら興味のある部分から知識を広げて行けるでしょう。
読んだ項目は下記のとおりでした。

  1. 2章:まず自分を整理しよう

  2. 3章:人間と関わる 3.1 上手なコミュニケーションをするには

  3. 3章:人間と関わる 3.2 委譲 / 3.3.上司との連携 / 3.4 進め!

  4. 4章:1on1

  5. 6章:1年でいちばん輝かしい季節

  6. 7章:採用中! 7.1 採用する人を選ぶ / 7.2 素晴らしい職務記述書を書く

  7. 7章:採用中! 7.3 面接プロセスを設定する / 7.4 採用の次は

  8. 8章:ゲームオーバー

  9. 10章:人間って難しい

  10. 11章:プロジェクトって難しい

  11. 14章:良いハウスキーピング

  12. 15章:デュアルラダー

読書パートとトークパートの2部構成にした

ただ読み進めるだけでは「ふーん」という感想を持つだけになるのではないか。よりリアルなEMの業務・考え方・実例・悩みなどが提示されたほうが、読んだ内容をより深く受け入れられるのではないか。そう考え、毎回15分から20分の時間を使って、読書パートで読んだテーマに沿った雑談をEM2名で行いました。参加者もマイクオンにして話してくれたり、コメントで意見を出してくれたりしたので、結果的には良い成果につながった工夫でした。

読書パートの読み上げ担当を当番制にした

EMを含む参加者をランダムに割り振って、読み上げ担当を決定しました。EM自身が読んで、そのあとトークパートに入ってしまうと、他の参加者はずっと受け身になってしまうからです。一方で、参加者が気軽に参加できるようにする配慮も必要だと思いましたので、オプトアウト(希望すれば読み上げ担当から自主的に外れることができる)の仕組みも用意しました。

読書会を終えて

参加して下さった皆様、改めてこの場をお借りして感謝します。
読書会終了後、アンケートを取り、参加したエンジニアの方から意見を収集しました。いくつか質問させて頂いたなかで、興味深く拝見した部分を抜粋してご紹介します。

EMについて理解が深まりましたか?

「少し理解できた」「よく理解できた」の方が半数ずつで、「あまり理解できなかった」「まったく理解できなかった」を選んだ方はいませんでした。
約4ヶ月の間参加して下さった方々には、読書会を通じてノウハウの共有が実現したようです。

読書会で取り上げたテーマについて、興味深く受け入れられましたか?

興味深く受け入れられたと多く回答されたのが「4章:1on1」でした。noteでも1on1は実施しており、なおかつ別のかたちでも対話の機会を設けています。

逆に難しいと感じることが多かったと多く回答されたのが、「3章:人間と関わる 3.2 委譲 /3.3.上司との連携 / 3.4 進め!」「6章:1年でいちばん輝かしい季節」でした。
メンバーへの委譲や上司との連携・・・大変ですよね。EMの方は一度くらい「委譲ができるなら苦労はしていないよ」と思ってしまったことあると思います。
6章は評価の話題です。こちらも同じく難易度がとても高いトピックですね。

一番参考になった章と、その理由を教えてください。

この設問の回答は意見が分かれました。いくつかご紹介します。

4章:1on1
自分はリーダーではありませんが、1on1の準備についていろいろ腑に落ちたところがありました。時々読み直しています。

7章:採用中!
以前の職場では面接する機会があったが、この章で指摘されていることは耳が痛く、もっと早く知りたかったと思う。

8章: ゲームオーバー
退職した人が悪評を周囲に言うことで悪循環に陥る可能性もあり、1on1以上にメソッドを知っている価値があると感じた。

機会があれば(note社内外を問わず)EMに挑戦したいと思いますか?

挑戦したい方が少数(!)、興味がある方も若干名いらっしゃいました。これはとても嬉しい結果ですね。もちろん中には挑戦したいと思わない方もいらっしゃいました。技術志向・プロダクト志向の強い方は「自分には向いていないかも」と思われるのかもしれませんね。それでも参加してくださったので、ありがたい限りです。

振り返り

良かった点

  • 読む部分を選んだとはいえ、読書会自体を完走できたこと

  • EMに興味を持ってくれた方、理解を深めてくれた方がちゃんといたこと

  • 読書パートとトークパートを分けたことで「面白い」と思ってくれたこと

改善できそうな点

  • 読む部分を抜粋しても時間内に読み切れず、ちぐはぐなトークパートになった回があった

  • 抜粋したが故に前後関係がよくわからない部分が出てしまった。トークパートをメインにして、事前に読むくらいはお願いしても良かったかも。

私自身初めての読書会運営だったのですが、難しさを痛感しつつも、成果と認められそうな点もいくつかあり、ひとまずは良い形で一区切りついたかなと思っています。


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