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今は無きストリップ劇場が載っている本

『昭和ストリップ紀行』坂田哲彦編著 ポット出版発行を読了した。


本書は3部構成で、1章が当時現存していたストリップ小屋(主に温泉街)のレポート。2章がストリップ黄金期の記録写真。そして3章が何十年のストリップ劇場を撮ってきた写真家が思い出を振り返るという内容である。


インターネットやスマホもなく、AVも主流でなかった昭和の時代。エロスの表現といえば、現場で直に女性の裸を見るのが主流だった。それらを象徴する本書の写真は過激であり、少し下品にもみえる(2章)

デジカメなんてない昭和で、写真の出来映えを心配する写真家の心情が世相を反映している(3章)

終焉近しと思われる各劇場の様子(A級小倉以外はすでに廃業)は場末感が漂って味わい深い。この空間を体験したかった気分に陥る(1章)

しかし、ダンスがメインのストリップに慣れている私がこのような場所に行くと1人場内で浮いてしまい、個性的な劇場の支配人や踊り子さんから嫌われていた可能性がある。なので、本書で現場にいる感覚を味わうのが賢明なのかもしれない。

巻末には、本書の発刊当時に現存していたストリップ劇場の一覧があって住所が記載されている。これは貴重であり、劇場跡地探訪に役立つこと間違いなしである。

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