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ソニックレーシング【AppleArcade三昧#005】

【Apple Arcade三昧】は、アップル端末で遊べる月額600円のサブスクリプションのゲームアプリ遊び放題サービス、『Apple Arcade』の配信ソフトを勝手に紹介・勝手にレビューする不定期連載。

本日は、ハリウッド映画も2作公開し3作目も製作中(2023年現在)、世界を代表するゲームキャラクターとなっている「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のレースゲーム、『ソニックレーシング』。
同名の(またはそれに近い名前の)レースゲームは他ゲーム機でも販売されていて、それのアプリ版。なおかつアップルアーケードでなくとも以前からiOSで購入して遊ぶことができたアプリが、そのままアップルアーケード版として登場!というもの。iOS購入版は現在はなくなっているようなので、iOSではAppleが独占状態ということだ。
※ちなみに著者は、iOS購入版以外の同名ゲームや、チームレーシングなど近しいシリーズは未プレイとなる。


◼️実は…「ソニック」のレースの歴史は長い!

いきなり少々脱線するが、ソニックレーシングシリーズは割と昔から販売されていて、1994年のゲームギア「ソニックドリフト」(参考:ニンテンドー3DSでダウンロードできた「ソニックドリフト2」。現行機でも「ソニックオリジンズ プラス」で楽しめる。)からはじまり、さまざまなハードでさまざまな形態でレースゲームが展開されている。
レースゲームというジャンルは、ときにはカートに乗り、ときには生身で走る、本家のアクションゲームでもスピード感がウリであるソニックならではの派生作品と言えるだろう。

セガ バーチャルコンソール公式サイト「ソニックドリフト2」紹介ページより

今回の『ソニックレーシング』は、既に多機種で展開されている「チームソニックレーシング」のアレンジ版となっていて、単独でのゴール順位ではなく、3台一組のチーム総合点が勝ち負けとなる変わったルールはそのままに、アプリとして遊びやすく変更が加えられている。


◼️マリカーライクなシステムとオリジナル要素

本業ではないゲームジャンルで戦うソニックたち。キャラゲーの宿命か。

レースゲームといえば、不動の人気を誇る「マリオカート」シリーズ。近年、新作が発売された「チョコボレーシング」など、あらゆるキャラクターモノのレースゲームは、全て「マリオカート」をベースに作られているといっても過言ではないほどに似通ったルールが非常に多いのが現状だ。(正式な起源は確認していないが。)
この『ソニックレーシング』も例に漏れず、基本的には「マリオカート」のシステムをベースに制作されたレースゲームといえるもので、コース途中に設置されたアイテムボックスを入手し、ランダムに選ばれたアイテムを使って、加速や敵の妨害をしながら順位を争う。
プレイ感覚は当然ながら違うものがあるが、『ソニックレーシング』の経験がない方は、ベースにあるマリオカートをまず想像し、この記事を読んでもらうと良いかもしれない。

『ソニックレーシング』ならではの要素として、先ほどチラッと紹介した通り、「チーム制」という特殊なルールがある。
これは3キャラで1チームとなり、レースでは基本2チーム6キャラでの対戦を行うというシステムだ。
ゴール順位に応じた得点を合計して競うため、自分1人が1位でゴールしても、総合得点で負けてしまう。といったルールになる。もっとも、3キャラ全員の操作はできないので、自分以外の2キャラについてはオートで走ってくれていて、1人プレイモードでは他のキャラの順位を気にする必要はあまりない。
とにかくこの特殊なルールが、他のレースと大きな差別化をはかっている。

「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」でいうと、その圧倒的なスピード感がウリのゲームとなる。マリオに対抗するためにスピードアップに振り切ったとも言われるその強烈な個性は、この『ソニックレーシング』でも当然活かされている。とにかく速い車に乗ったソニックたちが、アイテムを投げつけ合って、何が起きたか分からないくらいにスピードアップしたりクラッシュしたりしながらゴールを目指す。そういうゲームだ。

そして、移植といえばスマホ操作に対応するという点が気になるはず。『ソニックレーシング』は、プレイスタイルをオプション変更でヨコ画面・タテ画面に変えられる。さらに操作方法も画面の左右をタップする操作か、バーチャルハンドルでの操作、ジョイスティックでの操作がある。それぞれで画面向きや慣れに合わせて変更できる。
スマホ版の「マリオカートTours」と比較すると、レース中のオプションでタテヨコ変更ができる点はマリオカートのほうが便利さを感じるが、操作方法の変更はマリオカートは細かく設定できるが複雑で、『ソニックレーシング』のほうが直感的に分かりやすい設定変更が可能、といった感じだ。

【操作方法の選択画面】と【タテでのプレイ画面】

また、おそらくそのマリオカートから生み出されたであろう神システム、それがドリフトからのミニターボ。これが『ソニックレーシング』にも採用されている。
ドリフトから速度が上がるなんて実際の車ではありえないが、「駆け引き・演出」としてカーブで相手を追い抜くことができるというドラマチックかつ実用的、そして誰でもカンタンにできるミニターボがこのソニックレーシングにも。
ハンドルコントローラーが赤くなっている時に離せばミニターボ成功、という分かりやすさはマリカー同様にあるのだが、ジャンプしてハンドルを切ることがドリフトのキッカケとなる「マリオカート」とは違い、『ソニックレーシング』では、カーブで思いっきりハンドルを切るという操作しかない。(本来のドリフトってそうなのだが)
今作は、距離に余裕のあるカーブでしかドリフトを発生させられないため、ミニターボが使える場所も少なめ、といえる。その代わりにアイテムBOXが頻繁に取得できるし(後述するが、中身はレース前に自分で5種類設定しておく)、これがゲームの勝敗を大きく左右する。

……つらつらと比較してあーだこーだと申し上げているが、悪いというわけではなく、むしろ上手くミニターボ自体をリアル方面に消化してオリジナリティを出せている、と著者は思うのである。
そもそも今作は、ミニターボのようなテクニックもそれほど必要ないゲーム設計にもなっており、気軽なレースゲームなので構える必要はない。『ソニックレーシング』は、順位が自分の選んだアイテムによって目まぐるしく変わる、チーム制レースゲームというだけでなかなか面白くなっているのだ。

ハンドル操作だと、めいっぱいドリフトしたところでステアリングが赤く光る。ここで手を離せば、ミニターボが発動し、少し加速する。

◼️シリーズ経験者が楽しめる!

ソニックシリーズは、昔はSEGAのゲーム機オンリーだったが、SEGAがゲーム機事業から撤退したことを境に、今やマルチに展開する世界的キャラゲーとして愛されるように。
今回の『ソニックレーシング』でも、そのキャラゲーならではの豊富なキャラクターが活躍する。
レーサーにはテイルス、ナックルズたちはもちろん、エッグマンたちライバルキャラも選択可能。そして、レース中のアイテムのような扱いになっている「ウィスプ」も過去作『ソニックカラーズ』に登場するサブキャラクターだ。そのほか「ソニックアドベンチャー」シリーズから「チャオ」という育成マスコットキャラも、観客としてレース会場にいたりするのも、嬉しいポイント。
「ソニックシリーズ」には、各ゲームそれぞれに個性豊かなゲストキャラが出てくるので、その競演を楽しむのもよいだろう。

ボックスからランダムに出てくるウィスプだが、編成で出てくる種類を5種類に絞り込んでレースに臨む。
やり込んでいくとキャラも解放されていく。個別にランクが設定されているので、走れば走るほど強化される。

◼️考える必要はない!ソニックの楽しみ方

まとめに入るが、今回紹介したのは、「ハイスピードアクションがウリであるソニックのレースゲーム」である。
今まで深く深く考えてソニックを遊んだことなんて、ほとんど無いのだ(いい意味で)。ノリと勢いと、直感で進んで、たまに立ち止まってタイミングを見計らう。そこがソニックに求められていることだと思う。
今作においても、「マリオカート」には無いハイスピードなレースが楽しめる。爆速で駆け抜けるソニックが車に乗っているゲームということなのだ。
『ソニックアドベンチャー』あたりから流れるようになった、爽快感あるロックな曲調に乗せて、今日もソニックは駆け抜ける。それを指一本、二本で自由自在に超高速で操る。
それだけでスッキリしてこないか?

write by こたろ

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