2024年(辰)をもって年賀状をやめたこととイノベーションのジレンマ
2024年(辰)の年賀状を出し切った。
また、これをもって年賀状をやめることができたので、その話を。
1.経緯
毎年年末になると年賀状の準備が億劫だった。
ある時までは家のカラープリンターで年賀状を印刷して、それが億劫だった。
ある時から印刷業者に頼んで年賀状を印刷するようになってきれいな仕上がりとなったが、一言コメントを書くのが億劫だった。毎年同じようなコメントばっかりで、少しも心がこもってないことが申し訳ない気持ちだったのだ。
そして、2024年(辰)の年賀状はついに家族連名をやめた。
こどもは子供で、自分の年賀状を出したいとなったからだ。
そうなると、親戚に出す年賀状に意味を見いだせなくなった。
親戚に年賀状を出すのは、子供の成長を伝えるためだと自分に言い聞かせて奮起してきたからだ。
それに年賀状を出している友人の半数とは、去年の秋、久しぶりに飲みに行った。
そこでお互いに近況報告し合った。
さて、いよいよ年賀状を出す意味がなくなってきたわけだ。
2.調べたこと、やったこと
いろいろ調べてみると、年賀状をやめるための作法を見つけた。
・年賀状をやめることをきちんと伝える(フェードアウトしない)
・あなただけでなく全員一律にやめるのだ、ということを伝える
これができるチャンスが今回の年賀状だったわけだ。
それで考えたコメントが、
「家族連名の年賀状を今年からやめたことを機に、今回を最後の年賀状とすることにしました。」
というものだ。これを年賀状にしたためた。
昔、マーケティングの勉強をしていたときに、
・なにも理由を述べないでお願いすること
・全然つながりはなくとも、それっぽい理由をつけてお願いすること
では後者のほうが圧倒的に売れた、というものを読んでいたので、辞める理由はなんでもいいがとにかく理由が書いてあればいい、と考えた。
その理由が「家族連名の年賀状をやめた」ことだった。
無理矢理感があるが、なんとなく自分の中ですべてのパズルのピースがハマって、心の引っ掛かりがなく、最後の年賀状をポストに投函できたのだ。
3.思うこと
日本は明治初期に、すばらしい通信インフラを整備することを掲げ日本全国に郵便事業を展開したらしいが、それが現在では疲弊してきている。
配達の遅滞化や値上げだ。
まあ、値上げはインフレ時代には仕方ないとは思うが。
たしか落合陽一さんだったと思うが、いま突然近代国家が誕生したら、そこに郵便事業を整備するという考えは生まれないだろう、という考察があった。
ほんとにごもっともだと思った。
乗りかけてしまった船(郵便事業)にいつまでも固執しなければならないこと。
これこそ、国家レベルの壮大なイノベーションのジレンマだなと。
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