PRプランナー検定試験に合格したので試験対策などを

みなさん、勉強してますか?

僕は最近、PRプランナーという試験を受けるべく、勉強に励んでいました。
2022年3月実施の1次試験、2022年12月実施の2次試験、2023年3月実施の3次試験を合格したので、対策や考えたことなどをご紹介します。
試験概要などは公式サイトや他の合格者の方がご紹介しているので、ここでは僕が試験を受けるにあたって思ったことや、対策、受験して思ったことなどをお伝えできればと思います。

なぜPRプランナー試験を受けたか

まずは、コロナ禍で暇だったのです。
3年近く「今週は何もねーな」みたいな日々が続き、マインクラフトやどうぶつの森を数百時間プレイしたり、ドラクエを1〜6まで改めてクリアしたり、ガンプラを作ったりしていたのですが、いい加減やることがなくなったのです。
そこで、「何かしら勉強して資格を取ってみよう」と思い立ち、色々考えていました。

僕は10年くらいローカル情報を扱うインターネットメディアを運営したり、ラジオのレギュラーを6年くらいやらせていただいたり、テレビにたまに出させてもらったり、雑誌の連載も長いことさせていただいています。

メディアの仕事を長くやっていると「どうすればうちの情報をメディアにヒューチャーしてもらえるか」という相談を受けるようになります。

ありがたいことに、自分のメディアには自分の判断で掲載できますし、地元のメディアの皆さんとは仲良くさせていただいており、割とメディアにお繋ぎできることは多い立場にいます。

一方で、メディア側の視点ももちろん持ち合わせており、そのメディアや番組・コーナーなどにはしかるべき情報(ニュースバリューがあるとか面白いとか、とにかくうちでやりたい的な)を取り扱うことで、メディアの価値を保って行かねばならないことも理解しているつもりです。

ただ発信力があるから、影響力があるから、みんな見ているからでは誰も得をしない。
でも、メディアとうまくつながっていくことで商売がうまくいったり、世間の注目を集めたり・・・ということはできます。

そんなことを考えているうちに「広報・PR」という言葉に出会いました。

広報・PRにまつわるネット記事や書籍に目を通していくうちに、僕も広報・PRの分野を触ってみようとつくったのが、僕の地元鹿児島のプレスリリースを配信するサイト、プレスリリースかごしま(https://kagoshima.news/ )なのであります。

おかげさまでリリース1年で100件以上のリリースをいただくサイトになっております。

プレスリリースかごしまに寄せられるリリースを見て「これではなかなか伝わらない」と思うリリースもたくさん見かけます。

ちょっと工夫すればいいリリースがネットでの露出もできるし、メディアにも取り上げられてもらえるはずなのに、そのノウハウがなかなか世に出回っていない。

僕はこれまでの活動で肌感として「こうすればよい」がありますが、どうしても属人的な部分もあるので、もう少し一般化したノウハウ・手法を提供したい、あわよくばちょっとした仕事にもしてみたいと思うようになったのです。

とりあえず、一般的な基礎知識を・・・できればちょっとしたゴールも欲しい・・・

ということで出会ったのが日本パブリックリレーションズ協会が主催している「PRプランナー資格認定制度」であったわけです。

ひとまず、「PRプランナー」を名乗れるようになろうと決めて、2022年5月から1年かけて3度の試験を突破して晴れてPRプランナーになれた(登録申請中)のです。


試験概要

1次〜3次試験まであります。

日本パブリックリレーションズ協会のサイトが正確かつ最新なのでご参照ください。

https://pr-shikaku.prsj.or.jp/


合格するために考えた対策

事前準備

まずは合格者のブログを読み漁りました。
1次試験は暗記でなんとかなりそう、2次試験は時事問題が難しそう、3次試験はよくわからんという感じでした。
特に3次試験は2021年に試験方式が変わり難化している印象。
過去の試験はとにかくコピペをするが使えなくなった・・・というところまで理解し、試験対策を考えていきます。


1次試験ー難しくないが、ここで頑張って2次試験へ向けて貯金を作るー

公式テキスト、問題集冊子、公式サイトに掲載されていた例題を使って勉強しました。
ほぼ暗記だと判断し、どうやって知識を頭に覚え込ますかに注力できるようプランニングしました。

公式テキストでは14章の分野があり、満遍なく出題されてい(るような気がし)ます。

第1章 広報・PRの基本
第2章 企業経営と広報・PR
第3章 広報・PR活動のマネジメント
第4章 コミュニケーションの基礎理論
第5章 メディアリレーションズ
第6章 マーケティングの基礎理論
第7章 マーケティングと広報・PR
第8章 ブランドの基礎理論
第9章 CSR(企業の社会的責任)
第10章 インターナル・コミュニケーション
第11章 IR(インベスターリレーションズ)
第12章 グローバル広報
第13章 危機管理広報
第14章 行政・団体等の広報・PR

初学者でありますので、ひとまずほぼ全部写経しました。
まずは3週ほどテキストを読み込んで、その後ノートに(図表も含めて)そっくりそのまま写書きました。
職業柄、常識で通用する部分もありますが広報・PRの歴史などはやはり勉強しないと回答できないと思います。

50問を80分で70%以上(35問以上)正解する必要がありますが、合格率は70%以上で推移しているのでまぁそこまで難しくはないだろうという感じ。かつ、僕の肌感として10%くらいの人は勉強しないで試験を受けているような気もしていたので、ちゃんと勉強している人の合格率は80%超えてくるんじゃないかなと読んでいます。
要領の良い方はテキストを3回くらい通読すれば合格するのではと思います。

IRやグローバル広報あたりは馴染みのない内容でしたが、勉強になりました。
企業価値の算出など専門性の高い論点もありましたが、他をやっていれば捨てても問題ないと思います。

あと、問題集や公式サイトの例題はやっておいた方が良いです、そのままに近い形で出題されたものもありました。
かなり細かく聞いてくる問題もありますが、できないならできないでOKと思います。
点数がわからないので、合格すれば良いのです。

僕は3ヶ月強くらいかけて必要以上に丁寧にやってしまったのですが、これが2次試験に効いてきました。


2次試験ー時事問題がむずいー

2次試験は科目ABCDの4分野に分かれています。
科目ABCは1次試験でやった内容を少し広げているといった感じなので、1次試験でやった内容が理解できていればそんなに苦労しないと思われます。
問題は科目D、政治・経済・スポーツ・芸能・カルチャーなどから幅広く出題。
公式テキストでの対策はできないので、問題集で出題の雰囲気を捉えて勉強する必要があります。
科目ごとに足切り点数も設定されており、他の受験者も科目Dが大変と言っている方が多いのです。

■科目A 企業経営と広報・PR
第1章 経営環境の変化と広報・PR
第2章 CSRと広報・PR
第3章 インターナル・コミュニケーション戦略
第4章 IR活動の実務
第5章 グローバル広報の実務
第6章 危機管理広報の実務

■科目B マーケティングと広報・PR
第7章 マーケティング・マネジメント
第8章 マーケティング・コミュニケーションの実務
第9章 マーケティング・コミュニケーションの潮流

■科目C コミュニケーションと広報・PR実務
第10章 メディアの種類と特性
第11章 メディアリレーションズの実務
第12章 自社メディアの活用
第13章 広報・PR戦略立案の実務知識

■科目D

時事問題、公式テキストで解説はありあせん。

2次試験対策でも写経をしてしまいましたが、基本的に必要ないと思います。
ひたすらテキストを読み込んだり、用語を書き出してみたりでOKのはずです。
科目D時事問題対策は、新聞ダイジェストという新聞のまとめ雑誌的なやつがあるのですが、6ヶ月分買うと1000円×6冊買う必要があるので買いませんでした。
AmazonUnlimitedで時事問題対策の問題集を取って読み込みましたが、あんまり役に立たなかったような気がします。
勉強したから答えられたという問題が少なかったような気もして、結構運もあるなというとろこでした。
2次の合格率も6〜70%ということで、おそらく1次試験の勉強で基本いけるけど時事問題でやっちまったという方が多いのではないかなと思います。


3次試験ー例題をパターン化するー

いよいよラストの3次試験。
まず、「マーケティング」「コーポレート」という2分野から1つ選ぶことになります。
コーポレート問題は、IR的な問題が出ると法的に必要な動きがあるのでそこを外すと一発ドボンなんてこともありそうな気がして避けました。
ということで、ここではマーケティング問題についてご紹介します。
課題A(プレスリリースの作成)・B(PR企画立案)があり、それぞれ足切り点数があります。

合格基準は「正答率 60%以上で、評価の配点を、課題A(ニュースリリースの作成)25点満点、課題B(広報・PR計画の立案作成)50点満点とし、課題A・Bの総合評価が45点以上(60%以上)、かつ各課題の評価がいずれも50%以上で合格とします。」です。

近年の合格率を見ると、30%くらいにまとめていこうという感じが見受けられます。
1、2次試験を突破してある程度モチベーションがある方が参加するテスト(のはず)ですので、それなりに対策をしていく必要がありそうです。

【課題A:リリースの作成(25点)】

問1:見出しを書きなさい(8点)

問2:リードを書きなさい(7点)

問3:本文を書きなさい(10点)

【課題B:PR企画計画の立案(50点)】

問1:広報・PR計画の骨子を書きなさい(5点)

問2:コミュニケーション・ターゲットを書きなさい(12点)

問3:具体的な施策案を書きなさい(25点)

問4:スケジュールと予算配分を書きなさい(5点)

問5:上記以外に施策アイデアがあれば書きなさい(3点)

勉強するにあたり「自分がいまどれほど点数が取れるのか」を確かめる手立てがないのが3次試験の一番難しいところではないかなと思います。有料の試験対策講座があるのですが、採点まではしてくれないようです。

ということで、まずはテキストや問題集、公式サイトの例題に取り組みました。
ここで、「どういう回答を作れば点数をもらえるか」を明らかにしていく作業をします。

ひとまず問題と回答例がわかりやすいように1枚紙に書き写し、問題文をどのように回答に落とし込んでいくかを検討していきます。
そうすることで「だいたいこんな感じだろう」という感覚が芽生えてきます。
課題Aのリリースについては、問題文をうまいことまとめてリリースに落とし込む、課題Bについては、簡単な企画を考えたり見たことあるやつを真似して、企画実施の流れや費用感などを頭に叩き込んでいくという感じです。
それが正しいのか否かわからないのが大変辛い試験でしたが、なんとかなりました。

そして点数的な話をすると、A課題では13点以上、B課題では25点以上(これで38点、足切りラインを満たすだけではまだ合格点には届きません)、かつ60%の合格点に到達するためには45/75点を取る必要があります。
ここで考えるべきはA課題でどれだけ満点に近づけるかだと思います。例えば、A課題が20点取れればB課題が足切りライン25点でも合計45点となり合格ラインに届きます。
そして、A課題はある程度パターン化もできる(と思う)ので、B課題と比較すると対策がしやすいです。
僕は3次試験はまずはA課題に力を入れるべきだと思います。
A課題対策のポイントは「問題文を時間内にプレスリリースにまとめ込む」であり、テキストや問題集の問題・回答からパターンを見出してできるだけ早くプレスリリースに落とし込む訓練が対策になります。
そして、B課題については「問1〜5まで全部回答し切る」というのが大切ではと思います。
試験時間は120分と長丁場な気もしますが、ちゃんと回答していたら時間不足に悩まされることになります。
A課題を30分程度で仕上げてB課題に取り組みたいです。
B課題は問1〜4まで全て連動していくことが必要です(1つの企画として作り上げるため)。
問1を回答するにあたって、問4をどういう風に収めていくかまで意識していないと、問4でかなり苦しい思いをします。
PR企画と言われると、上手くいきそうな企画を考えねばと思いますが、受験資格にある「PR実務経験3年」をお持ちの方が見てきた触れてきた企画を参考にすれば問題ないと思います。
あと、PCで手早く回答を作成する必要があるので、タイピングが著しく苦手な方はちょっと苦しいかもです。

問題文にある企画を問1〜4にうまくまとめ込めれば大丈夫だと思います。
最後に問4までに使わなかったアイデアを問5に回答してダメ押しの3点もキッチリ取りに行きましょう。
合格基準45点のうち3点はなかなか無視できない点数です。


試験に要した時間

1〜3次試験を全部受けると1年近くかかるのですが、僕は概ね以下のような勉強期間で合格しました。
勉強時間は1日2〜3時間です。もうちょっと効率的にやればもう少し時間をかけずにいけます。

1次試験・・・3ヶ月

2次試験・・・2ヶ月

3次試験・・・2週間


試験に要した費用

PRプランナー取得までに6万円くらいかかりました。
これに講座などを受けるともうちょっとかかります。

テキスト・・・1次試験用2640円、2・3次試験用2860円(Amazonに売ってます)

問題集・・・1〜3次試験共通1760円

受験費用・・・1次11,000円 2次17,600円 3次13,200円

登録費用・・・11,000円(年間)

合計 60060円


講座受講は必要か

1、2、3次それぞれに講座があり、全部受けると10万円くらいかかります。
僕は受講せずに3次試験まで合格できましたので、必要か必要でないかと言われるとマストではないということになります。
余裕があれば受ければいいし、難しければ受けなければいいわけですが、人に教わるとまた理解が深まるという側面もあります。
また、3次試験は独学だとなかなか苦労するので、試験対策を自分で考えるのが苦手な方は3次試験対策だけ受けるというのはありなんじゃないかなと思います。


まとめ

1・2次試験(2次はABC課題まで)はとにかく暗記でなんとかなる

2次試験D課題、時事問題が結構めんどい

3次試験は例題研究からパターン化


最後に

・PRプランナー取れたら仕事につながったり何かしら意味があるのか

これは独占業務のある国家資格以外全てに言えると思うのですが、資格があるから仕事があるというシンプルな問いには「あまりないかも」ではないかなと思います。
僕のように何もないところから広報・PR分野を触っていきたいという人には名刺にも書けるしいいのではと思います。
合格後も広報・PR関連の書籍を読むときにも役立つ知識を学びますし、「ちょっと広報・PRにはわかりみがありますよ」と自信を持って言えるようにもなります。
個人的にはこれから仕事に色々活かしていこうと意気込んでおります。
ご自分が必要であれば受ければいいし、そうでなければ他を受ければいいという印象でいます。

・受験仲間がいることの重要性に改めて気づいた

今回、たまたま同じ日程で受験する方が身の回りにいました。
試験勉強はなかなか孤独な作業でありますので、同じ話題でお話しできる方がいるのは大変ありがたいことでした。
また、その方は僕の出身大学の大先輩にあたるので、受験偏差値が近そう(同じ勉強をすれば似たような結果が得られるのでは)というのも安心感ありました。
がっつりPR業界にいる方以外で僕のような幸運に恵まれることはなかなかないと思いますので、ツイッターなどで仲間を見つけるといいかもしれません。

・合格したらメシをおごってもらえた

結構熱心に勉強していたので、いろんな方が合格を喜んでくれました。
合格発表の日にはトンカツをご馳走になったり、今度会うときはメシをごちそうせねばと言ってくださることもありました。
どうもありがとうございました。


正直、個人の素質を問われるほど難易度の高い試験ではないので、ちゃんと対策をして取り組めば誰でも合格できる試験だと思います。
受けてみたいという方は、まずは1次試験にチャレンジしてみると良いかもしれません。

僕の飲み代になります。