【2016年1月】あなたは無罪だ

　あなたのせいではないけれども、多分ここにいる皆の本音というと、やはりあなたは有罪だ。
　ここは静かな場所だ。誰にしても、大きな声で騒いだり、泣いたり、そして走ったりすることは絶対許さないのだ。もしそうしたら、ほかの人の迷惑をかけるし、彼らの心のなかで「有罪なひと」だと思われる。けど、あなたに対する気持ちはとても複雑だ。
　いつも大声で喋っているあなた。しゃべることができなくても、大声で泣くあなた。しゃべるだけ満足できないので、走ったりするあなた。もし急に転んだら、また大声でなくあなた。本当にうるさいやつ。そう言いたいけど、あなたの身分を考えると、そう言うのはやめた。
　有罪？そうでもない。なぜならあなたは、まだ子供だ。いくら無礼なことをしても、「子供だからしょうがない」との考えは強い。けど、ここは静かな場所なのにあなたがいるなんて、本当ムカつく。だから結局、皆たぶん心のなかにあなたのことを責めるだろう。少なくとも私はそうだ。
　でも、あなたのせいではないとわかった。天然のあなたにとって、何もしらないのはしかたのないことだ。でも、教えるられることはできるだろう。「ここで、さわいちゃたらだめ」と他の人に教えられたら、その罪もなくなるだろう。
　教えるべき人がいる。けど教えない。その人達こそ有罪だ。
　だって、あなたはただのクソガキだから。