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【2015年5月】蒼穹

 そしてお父様は死者として目を覚ましました。誰よりも人間を愛し、死者を憎んでお父様は、たった一日だけその正義を曲げてくれたのです。私の願いをかなえるために、私に思い出を残すために、「お父様、このままずっと一緒にいってください。」それは決して口に出していけない言葉でした。
                     ――『神様のいない日曜日』
 はじめてなの、こんなたくさん涙なんて、アニメのために出て来た。私にも驚いたけど、今この音楽――『終わらないメロディーを歌いだしました。』を聞きながら、泣きたいのだ。
 さて、この文章のテーマはどんな意味かというと、実はなんの意味もない。ただ、誰のために書きたい、でも、それもちがうそうだ。それは重要なことではない。今の私、心の中でその音楽のメロディーはいっぱいある。たぶん、それはいいことではないが、決して、ずっと聞いている。目を閉めて、夢の中で、彼は現れた。
 白い髪、赤い目、黒い服、そして、冷たい表情。彼は誰。人間なのか。けど、人間ではないみたい。ピストルを持って、かれは私を殺したいのか。すごく恐い、でも、逃げるなんかできない。なぜなら、私は彼が好き。始めて見てから。
「なぜ逃げないの。」
「だって、あなたはきれいな人です。そして、すこし寂しいような気がします。」
 彼は自分のことを怪物といった。不老不死、愛する人が亡くなってしまった。彼は彼女をずっと探している。でも、もし見つけるなら、もし彼女はもう別の人と恋するなら、彼はまた彼女と別れる。なぜなら、彼は彼女のことが大好きだ。
 結局、彼女はもう死んだ。たった一人の娘はここにいる。再会することは幸せなのに、すぐ別れることにする、そればかりでなく、今回は永遠に。彼はもう死んだ、死者として目を醒める。それでいいではないか、永遠に娘と一緒に暮らしている。でも、それは死者としてのことから、彼は許さない。かれは本当にほしいものは、人として、幸福に死んだこと。今、実現することができる。娘はそばにいる。かわいくて、心強い女の子だ。そして、彼の恋人、娘のお母さんは、すでに天国に彼を待っている。彼にとって、十分だ。
 墓の中で、永遠の睡眠。外は、娘、墓守りと自分の親友。自分と娘の共有のものは、たった一日の思い出。かれにとって永遠なものだ。そして、きっと娘にとってそうだ。
 頭を上げて、蒼穹をじっと望んで。以前のように、純粋で、広いんだ。

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