JRA賞は必要?

今年の競馬も実質あと2週間で終わりますが、JRA賞の競走馬部門の行方はどうなるでしょうか。最初に言っておきますが、私個人はあまりJRA賞は好きじゃないんですよね。なぜならJRAが表彰するのに、投票資格が競馬担当記者に限定されているからです。

JRAの意見はないのか

JRAが表彰するに内部の意見が入らなきゃ何で「JRA」って冠付けてるんですか?JRA内部のみで投票が行われるのも問題ですが、外部のしかも競馬担当記者に限定するのも問題ですよ。だって忖度するでしょ。ただでさえ厩舎に入り込み、厩舎の一員のような仕事してる記者も居るし、有力馬主や有力生産者などとの関係もあるので、人気(ファン)投票のような形で競走馬が正当に評価されないという懸念はどうしたってあるからね。それなら調教師、騎手部門のように年間成績に基づいて自動的に選出される方がまだいい。

なんで騎手や調教師の投票が無いのかな。一番馬を間近で見てきてるんだからさ。馬主だって投票してもいいじゃないか。毎年のように競馬担当記者の投票内容に疑問の声が上がるんだぞ?なぜ変えようとしない?大勢決した内容なら気にしないつもりなのか?オジュウチョウサンの成績で最優秀障害馬「該当馬なし」とか投票資格を疑うだろ。競馬担当記者の投票資格をもっと厳格にするとか、投票内容を非公開にしないとか、投票した競走馬についてのコメント、所見を義務化するとかって対策するならまだ理解できるけど、現状のままじゃ大して価値のない表彰になってしまうよ。

あと競馬担当記者が多過ぎる。東京競馬記者クラブのサンスポ記者23名ってアホじゃないかと思う。1票の重みもクソもない。競馬担当記者が多ければ多いほど忖度投票できるんだから、各社3名くらいでちょうどいいんじゃないか。減った分は騎手と調教師に投票させればいい。『○永!お前なんで○○に投票したんだ?!』福○『いやっ…その…ですね…』とかあると思うし、うまく忖度投票をするかもしれんが、彼らは投票内容について記者に聞かれたら答えなきゃいけない立場だからね。だって馬主や関係者への説明に骨が折れるのも仕事の内でしょ。普段、エージェントに任せっきりなんだから、多少は自分で仕事しろい。

投票資格はどこまで?

2019年12月末時点で、騎手は138人、調教師は190人、計328人が所属していると思いますが、それに各記者クラブ毎に1社3名の競馬担当記者(前年投票者を基に計算するとおそらく140人ほど)で投票を行えばいいと思うんだ。たぶんトータルで460~470票になると思う。もし、多いって言うなら騎手と調教師はリーディング100位までとか制限すれば350票前後までは削れるから、現状より少し増えるだけ。そうすると説明責任が伴う面々が大半を占めるから、何かしらの疑問がある投票内容があれば取材して記事にすればいいし、競馬担当記者は投票した各馬に簡単な所見を加えればいい。これなら少しはマシになる。JRAが自ら表彰するって体裁も保てるしね。

顕彰馬の選出も変更すべき

もちろん、顕彰馬の投票制度も合わせて変えた方が良い。2001年以降は、顕彰馬選考委員会の審議から競馬記者による投票での選出方法に変わり、それ以降、競走成績ばかりに着目した投票が非常に多くなっているのは周知の通り。また、競走馬の登録抹消から20年の制限はあるが、好きな馬に自由に投票できる事もあって票が割れやすくなっている事も毎度の問題だ。

これもJRA賞と同じで、「JRAが顕彰していく」競走馬をなぜ外部の人間に決めさせるのか?という問題がある。確かに顕彰馬選考委員会の時代も少人数で開催されており、特定の委員の反対によって本来顕彰されたであろう競走馬が認められなかった事もある。ただね、現状よりは遥かにマシですよ。顕彰馬選考委員会が審議していた時代はまだ良かったし、納得できた方が多かった。大川慶次郎先生も居たし、競走成績だけではなく、種牡馬、繁殖牝馬としての成績もしっかり加味して、『後世に伝えたい競走馬』をしっかり吟味していたからね。

選出過程を変えていく

この問題は、人の記憶はあやふやだし、知ろうとしない事実が見逃されている事がイカンのよ。10年も経つと競走成績は忘れるけど、繁殖成績はほぼ確定しているんだから、対象となる馬は競走馬登録抹消後、5年を経過した後に開始するって形にすればいい。現状の1年を経過した後だったら、その後が世代がダメであればあるほど引退した競走馬の評価が下がらないし、繁殖成績が不透明な状況での投票は、それ以降の投票時にイメージが付いてしまい不利になるしな。

それに現在は競走成績が良い馬を多く選出しているから、繁殖成績が良い馬をもっと重要視するべきだ。ブラッドスポーツなんだからさ。その為には、繁殖成績を加味できる顕彰馬委員会は必要だろう。繁殖時代には興味が少ない競馬記者たちでは出てこない馬をチョイスしてくれると思う。

つまり、対象馬となる馬は『引退後5年を経過した競走馬で、投票が可能になってから20年を経過していない競走馬』で、顕彰馬委員会(3年程度の任期有)が選んだ20~30頭程度の競走馬の中から、騎手と調教師、競馬記者、もしくは馬主による投票を行い、3/4以上を獲得した競走馬を選出する方法すればいい。これなら顕彰馬選考委員会が競走成績と繁殖成績の両方を吟味して最低ラインを決められるし、競走成績と繁殖成績をそれぞれうまく解説できるだろうから、その後の投票でもそれらを加味した投票が行われるだろう。そしてJRAが顕彰する馬をJRA内部と外部の双方の意見を基に決めるって体裁が整う。

そんなに難しい事じゃないと思うけどな。これならサイレンススズカ、グラスワンダー、マヤノトップガン辺りは外れるだろうし、ステイゴールドやキングカメハメハの評価はもっと上がると思うんだけど。近年の顕彰馬で繁殖成績が良いのはディープとロードカナロアくらいだし、競馬=ブラッドスポーツをもっと理解してほしいよね。

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