見出し画像

騎手の成績 2020年10月

秋の東京開催の前半が終了し、愛しの京都開催が長期休止となってしまいました。非常に残念です。しばらく競馬を見るだけにしたいくらいですね。とは言っても、木曜になればソワソワし始めて、金曜日になれば馬柱を覗き見し、土曜になればJRAのHPとネット競馬に繋いだPCを持ってグリーンチャンネルの前に鎮座するんでしょうけど。

さて、今年もあと2ヵ月を切りました。騎手の成績を確認するのも10回目ですね。もうリーディングは確定していますが、10位前後は結構入れ替わりもありそうですし、継続して見ていくのは大切ですから。さっそく見て行きましょう。

相変わらずの強さと堅実さだが・・

リーディングトップは変わらずルメールです。5月期から6ヶ月連続でトップを確保した10月期は、ぴったり20勝を挙げています。川田との差は前月15勝から25勝に開いており、さすがに残り2ヵ月でこの差を逆転できるとは思えません。可能性があるとすればはやり病に感染するとか、長期の騎乗停止、落馬負傷などしかないので、もうルメールさん4年連続リーディングおめでとうございますって感じですね。

あと、天皇賞・秋を制した事で、2018年秋~2020年秋まで5連覇を達成しました。これは自身の記録を更新する最多記録です。天皇賞・秋の3連覇は1949年~51年の保田隆芳以来、2人目となります。ちなみに天皇賞・春は武さんの4連覇が最高です。

それから年間最多勝215まではあと44勝であり、爆発すればいけなくもない数字となっています。現状のままなら香港遠征後に自粛期間はないハズですが、第三波が来たら自粛の可能性も否定できず、最多勝には予断を許さないと思います。

6ヶ月連続で2位のシルバーコレクター川田は、ブレーキが掛かり10勝に終わりました。川田はこういうブレーキがたまにあるんですよね。一昔前ならともかく、一強独裁の現日本競馬界でリーディングを取るためには高い水準で安定した勝ち星が必要です。JBCもクリソベリルで勝ちましたが、抜けた馬なら勝てるがそれ以外はイマイチ信用できない感が拭えませんね。年頭ではリーディングを狙う発言がありましたが、数をこなさなきゃいけないリーディングより、重賞勝利という質を上げた方が騎手の価値が上がると思いますよ。もう方向転換の時期なんじゃないですかね。

3位は三冠騎手の福永でした。まずは三冠おめでとうございます。抜けた馬に乗せたら天下一品ですね。10月期は16勝挙げ、11年連続の年間100勝を達成しました。11年連続は、たぶん史上初の記録じゃないでしょうか。調べてみないと分かりませんが、みんなどこかしらで途切れているんですよ。武さんや岡部さんでも9年ですからねぇ。

また、16勝のうち10勝が2歳戦ってとんでもない数字です。そこまで信頼できるほどの騎手じゃないんですが、それでも騎乗馬を集められるのは実力以外の何かがあるという事です。他の騎手もそういう所を見習って欲しいですね。なお、勝ち星のキャリアハイ更新まではあと23勝、3着内率0.446はこのレベルを維持すれば0.427を更新しますので、そこも継続して注目です。

4位も三冠騎手の松山です。10月期に16勝を挙げ、キャリアハイの年間100勝を達成したように、完全にブレイクしましたね。北村友のように天狗で落ちる事はないと思いますが、とっとと福永を引きずり落として欲しいです。ただ、騎乗数の多さでカバーしている部分もあるので、重賞以上で存在感を見せて、今後も期待できるところをアピールするのが優先かな。

5位は定位置となった武さんでした。凱旋門賞挑戦失敗+自粛期間が痛かったですが、わずか2週間で9勝を挙げる活躍を見せたので、自粛無く乗ったらもう5~10勝は上積みできたのではないでしょうか。2,3着も9月期は3週で12回でしたが、10月期も2週間で10回と相変わらず多いです。ここが改善された3,4位のフィニッシュも見えるんですが、なかなか改善されませんがね。

関東騎手は団子?

6位の横山武は9月期3勝の大ブレーキから持ち直して6勝を挙げました。ただし、6勝全てが新潟で挙げたものであり、中央四場では掲示板が1度のみと完全に跳ね返されています。やはり若手騎手特有のローカルでこそなんでしょうか。馬質の悪さもそうですが、過渡期を迎えているようにも見えるのですよ。初春から活躍していた西村は、過渡期で失敗して今や20位以下ですからね。ここで失敗しないように頑張ってほしいです。

7位の吉田隼人も9月期1勝の大逆転の11勝を挙げて持ち直しました。新潟で落馬し一日だけ休みましたが、その後、8勝を挙げて新潟リーディングを取りましたし、翌週の東京でソダシに二つ目の重賞制覇に導き、このまま上位をキープできそうな気もします。ただ、福島はあと2週で終了し、残り2週5日間は二場開催なので、そこが正念場ではないでしょうか。

8位の田辺は11勝を挙げて、9月期11位から3つもランクアップしました。横山武とは11勝差ですが、吉田隼人とは4勝差ですし、中央四場で勝てる馬質があるのはリーディング争いでは有利ですよね。若手騎手は田辺ぐらい騎乗馬を集める事を目標にしてはどうでしょう。爆発すれば関東リーディングも見えてくるのですが、3勝差に三浦も居ますし、関東リーディングは俄然面白くなってきましたね。

9位の岩田Jrは新潟にベッタリ張り付いて6勝を挙げました。これで今年の新潟で19勝となり、【年間】リーディングを確保しました。吉田隼人とは3勝差でしたが、4勝差に福永が居るので、今年は夏の新潟が大きなポイントになったんだなぁと思いました。あと、JRA通算100勝を達成したかと思ったレースで斜行し、2着降着となった事件がありました。斜行自体は軽いものでしたが、修正動作をほとんど取ってないので悪質でしたね。騎乗停止も斤量変更もズル休みも、誰も何も言わんのかな。関西若手のジンクスに引っ掛かりそうな匂いがプンプンしますよ。

10位の三浦は急性虫垂炎による休養が2週間あったので、騎乗できたのは2週のみ、勝ち星は2勝に留まりました。不運としか言い様がありませんね。三浦がキャンセルした分で勝ったのは吉田豊のガチコだけで、不在だった2週で勝ち星を伸ばしたのは田辺ですから、関東騎手は団子なんでしょう。

変化が少ないランク

前月に引き続き、11~20位に大きな変化はありませんね。ノリさんが2ランク、藤岡弟が3ランク、岩田父が4ランク上げてきた一方、1ランクダウンでTOP10から落ちた藤岡兄、2ランクダウンの団野などが目を引くくらいでしょうか。

11位の藤岡兄は1月以来のTOP10外となりました。何度も繰り返していますが、GⅠに挑戦するためにリーディング上位に!と思っていた年初の思惑は完全に外れましたね。GⅠ挑戦できたのは何回でした?ここまでの16R中4Rですよ?春はクラシックはおろか、大阪杯以降は全く騎乗できませんでしたし、秋もスプリンターズSと菊花賞で二桁人気に騎乗したのみです。これは藤岡兄が望んだ形なんでしょうか。

16位の団野大成は9月期未勝利から少しだけ復調し、3勝を挙げました。ただ、内2つはリステッドと特別戦ですし、中央四場でもそこそこ人気薄で馬券に絡んでいますから、復調のきっかけになってほしいところです。

19位の藤岡弟は7勝を挙げてやっとリーディング1ページ目に食い込んできました。弟は意外と有能なんですよね。なんだかんだでデビュー以降、毎年20勝以上挙げていますし、20位前後に必ず居る存在って助かる存在ですよ。兄より遥かに早くGⅠ勝ってますし、兄より使えるような気がするのは私だけでしょうか。

20位の岩田父は二桁人気のカツジでスワンSを制しました。かつての面影はなく、10月期7勝の内、1~3番人気はわずかに2鞍しかありませんが、まだまだ腕前が落ちたわけじゃありません。一強独裁の煽りを受けているだけなのです。今週のユーキャンスマイルで重賞を勝ち、大舞台に戻ってきて欲しいですね。あと息子の教育もお願いします。

頑張らにゃあいけん中位組

21位の戸崎は9勝を挙げて上位陣を猛追していますね。復帰してからの順位は58→50→36→26→21位ですからね。やはり関東騎手では頼りになる存在です。爆発すれば関東リーディング3位くらいまでいけるかもしれません。菊花賞でサトノフラッグを3着に持ってくる活躍をしたは良いものの、翌週の天皇賞・秋でダノンキングリーを最下位に沈めるなど重賞ではもう少し結果がほしいところです。

23位の西村はここまで落ちましたか・・我慢できずにローカルに戻って3勝を挙げましたが、時既に遅しかなぁ。中央四場でここまで勝てないとは思いませんでしたし、素直にローカルの帝王の後任を目指した方が騎手として生き残れそうな感じがしますよ。関西若手の3年目のジンクスにガッツリ引っ掛かりましたし、来年は騎手人生の分水嶺になる年かもしれませんね。

26位の坂井瑠星は8月期19位、9月期21位からの10月期26位ですか。加重制裁の騎乗停止で9月期末から10月期頭までの不在でしたが、それでも10月期が1勝というのは非常に残念です。2,3着も少ないですし、秋に入ってから完全に調子を落としています。まぁ今年は重賞もJDDも勝てましたし、ダービーや秋華賞で4着に入ったりしているので、調子に乗って成績を落としたと思われなければ良いのですが。まだまだ師匠に手綱を握ってもらわないとダメですね。

31位のバシシューは春は20位前後でしたが、ここ半年で徐々に順位を落として、ついには30位以下まで落ちてしまいました。夏競馬で5勝、秋競馬の2ヵ月で4勝はさすがに少ないですよね。本来ならもっと勝ってないといけない立場なんですが、横山武にやられてしまったのでしょうか。残り2ヵ月の奮起を期待したいです。

32位の藤田は得意の新潟で6勝を挙げ、39位から7つもジャンプアップ。中穴でも勝てているし、特別戦も2勝して新潟では完全に信用できる騎手になりました。しかし、夏の新潟は五輪仕様の二場開催で勝ち星を減らしていますし、JBCスプリントでの凡走などを見ても、まだまだ上位とは差があるのは明白でしょう。本当にコパノキッキングは藤田に潰された馬ですね。昨年、マーフィーの助言を聞いてドバイに行っておけばもっと楽しめたのに・・

45位の菅原はローカルで4勝しましたが、もうちょっと上のランクでも良さそうなんですがね。落馬負傷で3ヶ月休養していましたが、それが無ければ30勝、リーディング30位くらいにはなっていたと思います。人気だけではなく、中穴でも勝てているので、横山武と同じイメージがあります。ローカルべったりではなく、中央四場とローカルを行き来する形で修行した方がプラスになりそうな気がします。

もうちょいなんだよ野中くん

我らが野中君は73位でした。リーディングを見ていると2,3着がかなり多く、1勝すればポンポンッとランクアップできる状況が長く続いていますが、その1勝が遠いのですよ。5番人気以上では1-1-1-2で4着1回なので、人気馬に乗せてもそこそこやれると思うのですが、いかんせんオセアグレイトのチョンボのイメージがでかいですからね。

そのオセアグレイトも今週のアルゼンチン共和国杯で復帰しますが、鞍上は三浦に交代しています。当然ですよ。せっかくチャンスをもらったのにダイヤモンドSで3着はともかく、メトロポリタンSの5着、七夕賞の12着では、乗り替わりに文句の付けようもないですし、内容も唖然呆然とする内容でしたからね。

今の3歳以上では大したお手馬も居ませんし、2歳でどれだけ希望の持てる馬を確保できるか、そこが勝負でしょう。もし、2歳で大した馬を引けず、11月期、12月期で3勝くらいしかできないのであれば、日本で騎手の未来を見通すのは難しいと思いますよ。できれば減量の取れた今年に再び海外に行きたかったんですが、はやり病のせいで全く動けませんでしたからね。

競馬学校の模擬戦に呼ばれたり、youtubeのJRAチャンネルにも坂井瑠星、藤田とともに呼ばれていましたけど、2人に比べたら残念な成績です。悔しくないんですか?現状に少しでも不満があるなら、現状を打破するために動かないといけません。一度沈んだら浮上するのは難しいのですから。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?