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騎手の成績 2024年6月

新しい一年が始まって早一ヵ月・・・全く面白くない一ヵ月でしたね。土日で重賞一つの週が2週連続で開催が終了すれば、そりゃそうだろうとなりますよ。今週から夏競馬が本格的に始まれば毎日のようにどこかしらで重賞が開催されるものの、中京記念の週は一つだけですし・・・

こんな形にするなら私が前から話しているように「夏休み」を作ればいいのです。暑熱対策の一環として、暑くなるであろう7月末から8月頭に2週間休みにして、その分を前後にズラせばいいのですよ。2節8日間なら新潟は春秋開催に1節ずつ回せばいいですし、北海道は9月に2週分回せばいい。2011年までは9月末まで開催していたんだから無理な相談じゃないでしょう。それにより2場開催が少なくなれば騎手が分散して、機会均等が図られますし、春デビューの新人が乗鞍なしとか無くなるんですがねぇ・・

まぁJRAは目先の事しか考えていないフシがありますし、5年10年ではなく、20年50年という長い単位で考えれば、騎手界隈の問題は早めに手を打った方が良いと思います。


■6月期リーディング&通算リーディング

さて、上半期最後となる騎手の成績を見ていきますが、ルメールの強さが目立った月でしたねぇ。あの川田が足元にも及ばないなんて、何やらかしたんでしょう笑 それから先月と数字は変わらないものの、5位からジャンプアップした坂井瑠星が3位に食い込み、岩田Jrや西村は大きく数字を落としています。若手では佐々木や小林美が大きく落とし、団野や西塚、小林勝、吉村などが下げ気味で、上げた騎手はいません。北海道開催が始まったのにね。


通算リーディングを見ると、里帰り前にトップを奪い返したルメールは勝率0.318、3着内率0.625と高い水準を記録し、盤石感がハンパないですね。23勝中16勝が一番人気で、同一場開催(8日間)の最多勝タイにあと1勝と迫る勢いは恐れ入ります。どうぞのんびり夏休みを楽しんでください。


それから7位の鮫島克は先月4勝と全く振るわなかったのに、今月は9勝と一気に回復しました。かつての藤岡兄のように裏開催や北海道で勝ち星を重ねてリーディング上位に名を連ね、GⅠ騎乗のチャンスを伺う作戦は、騎乗数が過去3年間より増えているので悪くないと思います。


逆に川田、戸崎、武豊、団野、和田などの上位陣は少し減らし、岩田Jr、西村、丹内、佐々木、津村などは大きく減らしています。5月期は開催日数が多いとはいえ、半減から3分の1まで減らすのはちょっとねぇ・・・

そういう意味では、坂井瑠星や横山武、松山なんかはそこまで数字が変わらずに来ているので安定はしています。ただ、横山武は昨年7回あった二桁勝利は上半期で2回と減少している点は気になりますね。重賞実績も下降気味ですし、なかなか目立つポジションに戻れません。


それから、今週から岩田Jrが約2ヶ月間、英仏で武者修行をするそうです。貫太もひと月遅れの来月末から2ヶ月間、仏国で武者修行する予定ですが、リーディング上位に名を連ねる騎手が2ヵ月も不在にするのは異例ですね。私個人は、若手はドンドン海外に出て様々なことを吸収するべきだと思う派であり、岩田Jrのように成績が下降気味で流れを変えたいタイプや、田口のように勢いに乗っている若手などは良いきっかけになると思います。

あとはその後釜を誰が務めるのかという点ですね。普通に考えればリーディング上位なんですが、ルメールも7月は夏休みですし、どこに行くのかは不透明ですねぇ。いっそのこと、若手に全振りしてもいいくらいでしょうか。エージェントで考えるなら岩田Jrは小原軍団なので、岩田父や今村、西塚に回りそうな感じがするもののどれもパンチに欠けますよね。夏競馬だし、西塚に回して成長を促す可能性はありますが、今村は無いですね。先日、ちょうど落馬負傷しましたし、運も無いかな。田口の方は幸と菱田なんで、菱田が乗れた嬉しいですね。


■重賞成績

6月期は重賞数が少なく大きな変化はありませんでした。春のGⅠが勝利騎手が全て異なるのは史上初だそうですが、話題はそれだけでしょうか。あぁ菅原がGⅠ勝てたのは嬉しいです。何年も応援してきた騎手ですからね。今年は成績が伸び悩んでいますが、ここから巻き返しを期待できそうです。

人気馬での成績は10戦以上が順位の対象となりますが、6月期になっても順位が付いたのが5名しかいません。6月期にはもう3~4名は入ってきそうな雰囲気だったのですがね。このランキングでは馬券になるかどうかを見ているので3着内率によって順位を付けていますが、人気馬で未勝利の戸崎がトップというのは面白いですね。馬券的には2、3着付けで買ってればいいわけですし、もう少しこの傾向が続くと私の懐が温かくなります。それから坂井瑠星も1勝ながら良く馬券に絡んでくれますし、データ不足ではあるものの横山兄弟や菅原、浜中などは人気馬に乗った時は買いです。

また、荒れ気味だった5月期から比較的堅い決着になった6月期という感じで、全て4番人気以上の勝利でした。特に3番人気は18戦、4番人気は31戦ぶりの勝利であり、数字だけを見るなら狙い目です。3番人気は、例年10~15%程度の勝率なので例年通りではありますが、同9~12%程度の4番人気は現在4.5%と大きく下回っているので、下半期は4番人気の勝利が期待されます。


■記録

戸崎   『JRA通算1500勝』
横山武  『JRA通算600勝』
菅原   『GⅠ初勝利』
永島   『重賞初勝利』
大江原比 『JRA初勝利』

先月、和田が29年目でJRA通算1500勝していましたが、戸崎は12年目で1500勝です。素晴らしいですね。リーディング独占していた頃は空き巣空き巣と言われていましたが、それでもバンバン重賞勝っていましたし、悪い騎手じゃないんですよ。ただ、今年はオークス、ダービーで1番人気2着を記録するなどあと一歩の競馬が多く、見栄えは良くないですね。

横山武は思った以上に早かったと思うべきか、遅いと思うべきか。デビュー3年で100勝、そこから毎年100勝前後の8年目なら妥当なのかな。重賞では勝利数の約3分の1が東京開催なんですが、平場も含むとそれが約4分の1に落ち込むのが残念ですね。ここを改善しないと、一流騎手への道は険しいものになってしまいます。泥んこ馬場の天皇賞・秋やジャパンCで、ソールオリエンスとのコンビを見たいなぁ。

そしてずっと応援してきた菅原が初GⅠ勝利です。ちょうど重賞10勝目だったそうで、切り良くGⅠ勝てて持ってますね。上半期の成績を見ると4年連続の年間70勝は難しそうですが、連対率や3着内率はそこまで変わっていないので、取りこぼしが多いのでしょう。こういうタイプは歯車がかみ合えば一気に勝ち星を増やせるので、このGⅠが良い方向に影響するといいですね。

永島は重賞初勝利です。JRA女性騎手としては藤田、今村に続く3人目の重賞勝利となりましたが、こちらも早いと言うべきか、遅いと言うべきか迷います。全体で見れば通算100勝未満の騎手が重賞を勝つのは多くありませんが、4年目、10回目の重賞でやっと乗れたそこそこの有力馬で大逃げして勝ち切ったわけですから、よくやったと褒めてやりたいですね。藤田、今村がリーディング下位に沈む中、小林美と競ってリーディング上位に迫る活躍を見せているため、今後が楽しみです。


■騎乗停止等

高杉   6月8日、函館5Rで斜行、6月22~23日の騎乗停止


■短期免許組

先週で初回2ヶ月が終わったオシュア騎手ですが、残念ながら思った以上の成績を残すことができませんでした。UAEリーディング12回の名手という触れ込みだったんですがねぇ。とにかく馬質が厳しかった印象があり、人気馬に騎乗できたのは18%弱といったところです。ただ、人気馬での勝率は0.260、3着内率は0.565なので、馬質が集まればそれなりに活躍できたと思います。4~6番人気の一枚劣る馬での活躍が少なかった点が人気馬を集めるのに悪い印象だったのかもしれませんね。

もし、次があるならもう少し良い馬を乗せてあげれば、案外ガラッと変わるかもしれません。春開催はUAEはオフシーズンなので、レーンの代わりとしてはちょうどいいんじゃないですか。適当

あとそのレーンですが、1年間の申請禁止期間が明け、さっそく来日しました。でも、先週だけなんですよね。堀先生が宝塚記念にどうしても乗って欲しいとお願いしたのかもしれませんが、悪手でしょう。レーン自体は今シーズンの豪州ヴィクトリア地区でリーディング獲りましたので、2026年の春開催までは短期免許が取れますが、今年は昨年の悪さのせいで申請期間が2ヶ月間に短縮されており、その内の1ヵ月を先週に使ったため、秋に来日しても1ヵ月しかいられません。隙があれば呼びたい関係者からすれば、失敗したなぁと思っているかもしれませんね。


■その他

最近、ネットで騒がれている写真がありまして、それが北海道開催に参戦している今村が騎手同士で食事に行った際に撮ったであろう写真なんですが、そこに写っていた今村、小林美、横山武、池添、斎藤新、富田、古川奈の7名の騎手の内、4名が後に負傷した点が色々と言われているようです。

6月15日 斎藤新 函館6Rで落馬負傷し、右鎖骨骨折
      古川奈 函館8Rでゲート内で負傷し、鼻と頬の両側を骨折
6月23日 小林美 函館12Rで落馬負傷し、左肩の負傷
6月27日 今村  調教中に落馬負傷し、右肩の負傷

斎藤新は今週から復帰できるほど軽度の骨折でしたが、古川奈は騎乗馬が暴れてゲートに激しくぶつけられて意識が飛んでたようで、係員に抱えられながら救急車に運ばれていたシーンが騒がれていましたね。でも、頭を怪我した騎手を数名で抱えて運ぶなんて神経とかやられてたら取り返しのつかない事になっていたかもしれませんよ。急ぎたい気持ちは分かりますが、地力で動けないのだから担架で運ばないとダメですよ。JRAの安全管理はどうなってんだ。

小林美は騎乗馬が急性心不全で転倒したため、運が無かったとは思います。減速していた中で激しく叩きつけられていたのは危ないシーンでした。師匠の鈴木伸先生によると、怪我はかなり酷いらしく、全治は不明だそうです。今村については情報が少ないですが、調教中の落馬ということで自業自・・気を付けなきゃいけませんね。

ここまで続くと次は横山武か池添か富田か・・・言霊になったら怖いので何も言いませんが、無事に下馬できるまでが運ど・・騎手の仕事ですからね。


なんて記事を上げようと校正していたら、28日の昼に池添と富田の騎乗停止のニュースが飛び込んできました。なんでも、

24日夜に函館市内の飲食店で複数の騎手で会食し、両名は互いに酔った状態だったところ池添が富田に対して高圧的な態度で絡むなどの行為に及んだ。その行為に耐えかねた富田が近くにあったスマホをテーブルに叩きつけたところ画面が割れたが、そのスマホは池添のものだった。

その後、池添と富田が口論になったが、同席していた別の騎手が2人を引き離し、池添は先に調整ルームに帰った。スマホの画面を割られた池添は怒りが収まらず、電話で富田に調整ルームに戻るように指示。1階ロビーで待ち構え、双方が口論となり、もみ合いとなる粗暴行為に及んだ。
※デイリーから引用

26日午後2時30分頃、関係者への事情聴取及び調整ルーム内に設置されている防犯カメラ映像を検証した結果、事案が判明した
※スポニチから引用

とのことで、池添がウザ絡みして富田が激高し、殴り合いのケンカに発展、といったところでしょうか。池添何やってんだよ。お前もう44やぞ?27の若造に絡む立場じゃないだろう。仮に富田の態度に怒りを覚えたとしても、それでやり返したら同レベルまで落ちるじゃないか。

ちょっと前にYoutube同士でも同じようなことあったな。一方が酔って挑発的に絡んで、殴れとケンカ売っておいてやられたら暴行を受けたと騒ぐ、まるで迷惑系○○と同じに見えるね。まぁお互いに悪いことしてるから騎乗停止は止む無し。池添の方が期間が長いのは、年長者+きっかけ+怪我の程度じゃないかと推測。

にしても、発覚したきっかけが厩舎関係者からの情報提供って怖いですね。昔はケンカがあっても、それでおしまい。お互いも誰にやられたとか言わないで後には残さず終了って形だったけど、今は周りが監視している感じ。親が子供を頭をひっぱたきました虐待です、上司が部下の肩を触りましたセクハラです、A君とB君がお互いに悪口を言い合ってましたイジメに繋がります、みたいな感じでさぁ・・・ルール厨というか、ズレた正義感というか、間違ってないけど、間違っているような印象を受けます。

まぁそれくらいで?という気持ちもあれば、それが重大な事案に繋がる前に対処できたという気持ちもありますし、どちらが良いというわけではないのですが・・・時代は変わったなぁと思います。


あと、5月31日に水沼が通信機器の不適切使用により騎乗停止を受けました。ほんとスマホ世代何やってんだよ。事態が明るみになってからしばらくは何も音沙汰がありませんでしたが、今週の定例会見で裁定委員会の開催と7月中の処分が予定されていることが発表されました。

6月26日に第1回の裁定委員会が開催されていますが、JRAの審判担当である菊田淳理事は「昨年は次はこんな制裁じゃ済まないという話をしていたので、今回は軽い制裁にはならない」とコメントしており、長期間の騎乗停止は間違いなく、反省の色が見えないのであれば騎手免許の剥奪も視野に入るでしょう。ただ、刑事罰を受けたわけでもない騎手に対して免許剥奪までするのは感情論はともかく、バランス的にはどうなの?という意見もありますし、どうなるかは不透明です。個人的な予想は騎乗停止6ヵ月から1年といったところに落ち着くのではないかと。

なお、この事案については処分が出た後にまとめたいと思います。


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