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騎手の成績 2020年5月

ダービーも終了して上期の競馬も大部分が消化されました。残すは宝塚記念までの一月ですが、今週末からは2歳新馬戦が始まりますし、来週からは函館競馬が始まり夏競馬がスタートします。全くもって早い上期でしたね。昨年末から続く騎手の受難、それが終わればコロナの問題、当初は2~3週間で終わると思っていた無観客競馬でさえ、気が付けば来週以降も継続するわけですから、世の中何があるか分からないもんです。

さて、来週からはコロナの問題で規制されていた出走制限、移動制限、認定調整ルーム等については規制解除になりますが、無観客競馬は宝塚記念の週まで継続される事なり、併せてグリーンチャンネルの無料放送も継続される事が発表されています。引き続き、のんびりと自宅で競馬ライフが楽しめる事は嬉しくてたまりません。やはり3会場のレースをリアルタイムで見れるのは騎手を応援する立場としては助かりますし、ついでに馬券でも・・となりますので、ぜひ無料放送を継続してほしいところです。

川田、凋落が早くないか?

6週間に及んだ第2.3回東京、第3.4回京都競馬ですが、この期間にリーディング大きな変動がありました。上位陣もそうですが、下位陣も上下降が激しくなっています。

まず、リーディングトップは俺の指定席だと言わんばかりにルメールが奪取しました。この6週間で26勝を挙げ、合計80勝は昨年より早いペース。しかもドバイ遠征の2週間、帰国後の2週間を休んでいたにも関わらず、です。移動制限なんのその、週6勝が3回もあればこの結果も当然でしょう。夏にバカンス取ってもリーディングは間違いないんじゃないでしょうか。出走制限の関係で重賞勝ち鞍2勝と少ないですが、いずれもGⅠですし、今週末にもう一つ上乗せするでしょうから、この牙城は誰にも崩せないですね。

一方の川田は残念ながらトップから陥落し2位へ後退。1月期19勝から18勝→19勝→10勝ときて、この6週間で10勝ですから完全にペースダウンです。ここまでくると移動制限云々の問題じゃないと思いますよ。一月不在だったルメールより36鞍も少ない騎乗数を見て分かるように、元々の騎乗数は少ないからこそ一戦必勝だと思うんですが、そこがうまく回っていない印象。

重賞も人気より着順を落とすケースが目立ち、着順を挙げれたのは5回(シルクロードS、京王杯SC、VM、オークス、ダービー)で中穴ばかり、同じだったのは5回(京都金杯、日経新春杯、阪急杯、オーシャンS、AJCC)、後の14回は全て落としています。目に付くのはシンザン記念、小倉大賞典、ダイヤモンドS、金鯱賞、阪神大賞典、高松宮記念、大阪杯、阪神牝馬S、アーリントンC、アンタレスSなどでしょうか。アレ?いずれも俺が馬券を・・・

まぁいずれにしろちょっと酷いですね。リーディング狙うならコンスタントに週3勝+αはほしいところ。ルメールがバカンス+海外でもう一月不在ならまだチャンスはありますが、今年はもう難しいかもしれません。

3位は4月期に続いて武さん。8勝とまずますの成績ですが、重賞ではなかなか上手く行きません。有力馬と言えばサトノインプレッサぐらいで、あとはキセキ、サトノフラッグ、ミヤマザクラなどちょっと足りないor不安な馬ばかり。エージェントを変えて一定の成果は出ていますが、第一人者としてはやはり寂しい数字。ただ、移動制限が無ければもう少し改善した余地はあります。夏競馬に期待ですね。

4位は牝馬二冠を達成した松山。落馬負傷による休養もあって6勝に止まりましたが、OP、L、Gと大きい所を勝利しトップジョッキーの貫禄を見せ付けました。秋は三冠が賭けた戦いが待っていますが、馬に頼るだけでなく、馬を導く存在になってほしいですね。

5位は牡馬クラシック二冠の福永。ダービーのコントレイルは強かったですね。護送船団方式も見事でしたが、リスクを排除して安全に安全にレースを運んだ腕は見事でした。さすが抜けた馬に乗せたら天下一品の名騎手です。秋の菊花賞はエピファネイアで一回勝っているし、さすがにチョンボはしないよな。頼むぞ。

6位の藤岡兄は、移動制限を利用して裏開催、裏開催で騎乗を続け、11勝を稼ぎました。年初にGⅠに乗るために裏開催で稼いで順位を上げるって言ってましたけど、ここまでのGⅠで騎乗したのはわずかに2回。思った通りなんでしょうか。まぁ移動制限があるから仕方ない部分はあるのでしょうけど、もう少しGⅠでの活躍が見たい順位ですよ。あと、葵Sのビアンフェは3着で良かったです。

7位の岩田Jrは、9勝で新潟リーディングも獲り、合計13勝を挙げる活躍でした。ただ、特別戦は2勝と少し寂しい数字。現在37勝と昨年の数字に並びましたし、2年目としては十分な数字とも言えますが、それも減量があってからこその数字です。このまま行くと秋開催の始まる頃には100勝を超えて見習い騎手を卒業する事になりますし、リーディング上位にふさわしい中身を見せてほしいところですね。

8位ミルコはGⅠを含む10勝を挙げるも2ランクDOWNです。藤岡兄、岩田Jrとは同じ勝利数なので実質変わりなしですが、ミルコにはもっと上に居て欲しいです。出走制限のせいか未だ関東で騎乗を続けていますが、そこはルメールもレーンも居るのでなかなか騎乗馬が集まらないのが痛いところ。あんな馬質になるほどレーンは上手い騎手だと思わないんですがね。少しミルコに回したらバンバン勝つと思いますよ。乗せたら怖いイタリア人が夏競馬で大暴れしてくれる事を願っています。

9位には6ランクも上げてきた吉田隼人が入りました。岩田Jrと新潟リーディングを争っただけあって12勝の荒稼ぎで一気にジャンプアップです。若手の西村、横山武が2週間の騎乗停止中が影響した事は否めないですが、ローカルの帝王はまだまだ健在です。夏競馬が始まって福島、新潟と続く開催は本人にとってもプラスでしょうし、しばらくこの辺りをウロウロするかもしれません。

10位にも7ランク上げた幸が入りました。こちらは同じ12勝の荒稼ぎでも、ローカルではなくGⅠの裏開催での荒稼ぎです。移動制限を上手く利用して有力馬を集めた感がありますね。制限が解除される今週以降はまた少し下がって、来月は15位前後に落ち着くと思います。安定のベテランは安心しますね。

顔ぶれが固まるリーディング中位

5ヶ月経ってリーディング10位以下の顔ぶれは段々固まってきたましたね。若手もベテランも自分のポジションを守ろうと必死です。

11~13位の団野大成、西村、横山武はいずれも30勝で並んでおり、3着内率においても0.250を少し超える水準で並んでいます。その中で横山武は重賞初制覇を果たし、特別戦の勝利数や勝率で頭一つ抜け出ている印象。西村と同じくこの2週間は反省の日々でしたが、まだまだ先が期待できる存在なので頑張って欲しいですね。団野大成については何度も繰り返しているように特別戦の勝利数を増やさないと減量外れてからが苦しくなります。

14~20位の田辺、和田、三浦、ノリさんなど2番手グループは、岩田父が落馬負傷で離脱している分、順位を維持できている部分もありますが、相変わらずの位置につけていますね。変わらず若手の壁として、レースのアクセントとして頑張って下さい。

そして22位に松若、23位に坂井瑠星、29位に鮫島克の若手が上がってきました。松若は高松宮記念でGⅠ初勝利を上げた後の4月でわずか1勝という惨憺たる成績となりましたが、5月期は10勝と盛り返してきました。年初は2月まで5勝しか挙げられなかった時は心配しましたが、しっかりと春競馬で数字を上げてくるところはベテランの風格すら漂わせますね。

坂井瑠星は6勝に止まりましたが、初ダービーで4着、目黒記念で3着に入るなど着実に実績を積んでいます。矢作先生の庇護下で騎乗数は制限されていますが、もう少し幅を持たせてもいいかもしれません。ちょっと取りこぼしが多いかな?という気もしないでもないですが、夏以降の飛躍に繋げてくれればと思います。

鮫島克は初重賞を勝った後が続かず、4月は未勝利でしたが、5月は9勝を挙げて順位を上げてきました。松若と同じくように移動制限がプラスに働いた騎手の一人でしょう。来週からの三場開催でしっかりと騎乗馬を確保できると順位をキープできるので、そこを頑張ってほしいですね。

若手以外では、先々週に5勝を挙げる活躍を見せた池添が7ランクも上げてきました。やはり池添はこの辺りをウロウロしててくれないとね。ダービーでヴェルトライゼンデを3着に持って来た様に、大舞台に強いのが池添ですから、30~40位辺りをウロウロしてたら依頼も来なくなりますよ。

30位の丸山は過去2年からは考えられない低迷振り。順位も38位→27位→21位と来てから27位→30位と、上げるどころか下げています。3着内率は変わらないのに、順位が下がっているのは勝率が低いから。すなわち、取りこぼしが多いのです。夏競馬でリズムを変えられると良いのですが。

32位の菱田は小倉リーディングを争った勢いはどこへやら。2月期に10勝で18位と躍進したのですが、その後は4勝→1勝→2勝と沈んでしまいました。5月期の6度の2着と3度の3着を見るともったいないなぁと思います。ただ、人気薄での数字含まれていますし、噛み合えばまた上がってくると思います。

34位の北村友はやっと復調したという印象。度重なる失敗で干され気味でしたが、移動制限を最大限に生かして8勝を稼ぎ、ここまで順位を上げてきました。ただ、ブレイクした昨年の出来からは下の下。もっと精進してところです。

35位の武藤雅は移動制限のダメージがデカい一人です。重賞に乗るため新潟や京都に行った分、騎乗馬が集まらず4勝に止まりました。その4勝も全てが5番人気以下で、目立つのは一瞬です。制限が解除された今週以降はとても重要ですので頑張ってほしいですね。

37位の藤田は最近めっきり話題に上がらなくなりましたが、得意の新潟でしっかりと勝ち星を稼いでいます。しかし、それはどれも1,2番人気であり、移動制限と得意競馬場の恩恵を受けたもの。それらが無くなったこれからの二が月は厳しい戦いになるでしょう。

38位の亀田も徐々に順位を下げている一人。めちゃくちゃ悪いわけではないのですが、良いかと言われればそうでもなく、しばらくローカル回りで腕を磨きましょう。

我らが野中君は・・・

連敗を215で止め、何とか今年3勝目を挙げましたが、それ以上に目立つのが2,3着の数です。2着は5回で内4回が5番人気以下、3着は8回で半分が6番人気以下という数字で、3着内率も一気に0.114まで回復しました。東京芝コースに限れば0.200ですし、下位の騎手にしては意外と悪くありません。

2~5着の数字を見ると83位とかのそれではなく、50位くらいの数字なので、勝ち星だけが足りない状況。もっと勝てると思いますし、もっと勝ってほしいとも思います。残り一ヶ月の東京開催でもう少し勝ち星を積み上げ、夏競馬につなげて欲しいですね。



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