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2021年の開催日割および重賞競走について

今年もこの季節がやって参りました。毎年、翌年の開催日割について変更であーだこーだと激論交わされるわけですが、今年はどんな変化があったのでしょうか。タイムリーに開催日割の変遷シリーズを書いていると『昔はこうだったけど、なんでこうなった?』『これはこういう流れだったのね』なんて理解が深められると同時に、『それはどうなのJRAさん?』と昔から変わらない体質を疑問に思う場合もあります。もし、お時間、ご都合よろしい方は、マガジン『開催日割の変遷』をご覧下さい。
https://note.com/boost_quinty/m/mc8aed9a4690a

なお、当たり前ですが、今回の発表は農林水産大臣の認可を経てから正式に確定するものです。一部の報道では「開催日割決定!」という記事を出していましたが、現状ではまだ案の段階ですし、某日本○○会議のような形で農水大臣が「認可をしないぞぉ!」という可能性もゼロじゃないですからね。報道としては99.9%確定だとしても、誤解を招くような書き方をするもんじゃないなぁと思います。アメリカの大統領選挙もそうでしょ?「バイデン確勝級!!」みたいな報道ばかりですが、youtubeでチャンネルを持っている有識者の多くはアンケートや世論調査を基に、トランプとバイデンは五分五分か、6対4でトランプ、副大統領のペンスとハリスは8対2でペンスだって言ってるわけですよ。向こうの人がですよ?そういう偏向報道は事実を歪めますし、それは競馬の世界でもあるのです。日本の競馬記者はもう救い様のない人ばかりですが、SNSが全盛の今の時代ではその点を十分に注意して頂きたいと思います。


さて、初っ端から話が大きくズレてしまいましたが、さっそく内容を見ていきましょう。まず、開催日割は以下の通りです。

2021年日割

ものの見事に赤字ばかりですね。五輪延期の影響で今年と同じ様な形で、そこに京都競馬場の改修工事に伴う振り替えが乗っかってきたという感じでしょうか。関西圏はかなり滅茶苦茶な内容になっているので、従来の開催日割の間隔では混乱すると思います。以下を確認の上、十分注意するようにして下さい。

2021年日割-1

これ、見れば見るほどアホだなぁと思いますね。一開催8日を基本として開催日割を組んでいく時に、従来2月から行われる第2回京都、4月末からの第3回京都、6月の第3回阪神の開催がいずれも阪神と中京に分割されているのですよ?目を覆うとはこの事かと思いましたね。

これをするなら、第2回京都は阪神で、続く第1回阪神を中京で行い、高松宮記念だけ中京で行えば良いのです。そして1月の第1回小倉、3月の第2回中京を1週ずつ削って、それを9月の北海道シリーズに回せばまとまります。

2021年日割-2

こんな感じですね。それなら2020年末から続く中京開催が2月に1ヶ月間空いてGⅠを迎える事ができますし、阪神も3月に1ヶ月間空けて春のGⅠを施行する事ができます。変則なのは3月の中京最終週だけローカル扱いになる点ですが、この辺は小倉から続きますし影響ないでしょう。また、初春の小倉は重賞が小倉大賞典、金鯱賞、ファルコンSくらいしかないので、前後の2週分を削っても問題なく、8月の函館、9月の札幌に振り分ければ北海道シリーズが厚くなってバランスが取れますよね。

というかですね、ここまでキツキツの状態でありながら、阪神、中京、小倉の三場で回そうって考え自体がそもそも無理なんですよ。さすがに関東に移すことは難しくても、なぜ北海道を使わないのでしょうか。北海道は2011年まで札幌16日、函館16日だったのが、2015年に札幌12日、函館12日まで減少しているのですよ?という事は8日間は余裕があるわけじゃないですか。大変な時にこそ9月の北海道に回す、そういう選択肢を元から排除している感がアリアリで非常に不満ですね。中央四場の開催を移せって話じゃないですから。ローカルからローカルに移せって話ですから。

2021年の阪神はGⅠだけでも、大阪杯、桜花賞、天皇賞・春、宝塚記念、秋華賞、菊花賞、エリザベス女王杯、マイルCS、阪神JF、朝日杯FSと10Rもあるわけですから、今年の9月と同様にトライアルくらいは中京に回せば良いのですよ。それなのに『3月のトライアルはもちろん、2月も半分受け持つわ。でも天皇賞・春のあとは宝塚記念直前までよろしくな』って阪神さんの良いトコ取りも良いトコですよまったく。バランスだって悪くなるし、混乱するだけで大したメリットはないでしょうに、何考えるんだかJRAさんは。

あと、北海道シリーズを札幌⇒函館⇒札幌と入れ替えたのは東京五輪の閉会が8/8だからですね。止むを得ない処置なんでしょうが、それならむしろ6月の開催を繰り下げて、6月に2日、7月に9日、8月に3日の函館14日間、その後に8/14から8月に6日、9月に6日の札幌12日間にした方がすっきりすると思いますよ。動く重賞は函館スプリントSだけですし。もうちょい頭使えないもんですかねJRAさんは。


続いて重賞についてですが、開催場所の振り替えに伴う距離変更がいくつかあり、日経新春杯は2200m、きさらぎ賞は2000m、プロキオンSはD1700m、中京記念は1800mに変更されます。プロキオンSは創設以来初の距離変更ですね。ダートの短距離馬は出走しにくいレースとなってしまいました。中京記念は1800mでもサマーマイルシリーズに組み込むというアホな話をしていますが、それなら1700mじゃダメなんですか?と言いたい。

それから珍しいところでは、天皇賞・春が阪神のコース形態上、3200mの施行は外回りから内回りを通る変則コースになるそうです。3200mは、2006年のコース改修後に一度も施行されていないという事で、天皇賞・春の前に同コースを使用したレースを編成する予定だそうです。たぶん準OPあたりかなぁ。OPクラスで3200mなんて組めないでしょ。ついでに菊花賞で使用する阪神3000mはフルゲートが16頭なので18頭にできるよう調整中だそうですが、もう16頭でいんじゃね?と思ったりもします。

また、格付け変更が2件あります。東スポ杯2歳SについてはGⅡに、葵SについてはGⅢに昇格を申請中だそうですが、過去のレーティングを見ると東スポ杯は107.58、葵Sは2018~2020年の3年平均で106.25なのでまぁ認められるかなぁといったところでしょうか。前年までの葵Sは104.25であり、ちょっと厳しいかなと思っていましたが、今年104を取れて良かったですね。レイデオロのホープフルSのような疑惑がないわけじゃないですけど。

なぜなら勝ったビアンフェの前年の持ちレートは105であり、年明け初戦のファルコンSは勝ち馬から1.3秒差の9着に敗れています。つまりレース前の持ちレートは105のままです。2着のレジェーロはマーガレットSで0.3秒差5着でしたが、それ以外は条件戦を走っており、持ちレートはないハズです。仮にあったとしても同レースで100を獲得した4着コスモリモーネとハナ差なのでおそらく100でしょう。3着ワンスカイも2歳時にOPで2,3着はあるものの、3歳時には条件戦しか走っておらず、2歳時103のラウダシオンともみじSで0.6秒差を付けられているので98くらいでしょう。4着のケープゴットはフィリーズRで0.9秒差の8着後、桜花賞で96を獲得しています。

その他に葵Sで基準になりそうな持ちレートがある馬が居ないので、1~4着の概算レート105、100、98、96から4着の96を基準に計算してみると101、96、97、92となります。仮にケープコッドの96がアローワンス-4の100で計算したとしても、105、100、101、96となるわけで、ビアンフェが108になるわけがないのです。10000歩譲ってビアンフェが108だとするなら、2着以下は103、104、99でなければいけないわけですし、ビアンフェと牝馬の斤量差が3キロ=アローワンス-6と計算しても、今度はワンスカイが低くなってしまうのですよ。

まぁハンデ戦や別定戦だと各馬の斤量の違いもありますし、それにアローワンスが加わって、なんやかんやがあれば計算がややこしくなりますし、そもそもJRAの胸先三寸じゃねぇかって部分もありますからね。それに前2年では214.75があるので、今年は100.25以上を獲れば一応105.00を超えて最低限の基準は満たせるわけです。念には念を入れてという事でしょうか。ホントにレーティングは難しいですねぇ。


あとは特にないでしょうか。来年の開催日割をまとめると阪神が死ぬローカルは信用できぬってトコですね。昔の日割が懐かしいなぁ。



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