四位、調教師試験合格

ついに四位が調教師試験に合格しました。といっても2回目なんですが、それでも近年の成績からすれば、いつ調教師に転身するのかとヤキモキしていた人も多いのではないでしょうか。

四位は今年47歳…えぇ…もう47なの?見えないよ。ってか、そんな歳行ってたんだという印象が強いな。よくよく考えてみれば私の最も古い競馬の記憶の内に彼らのデビューが残っているし、あれから30年近い歳月が過ぎたんだなぁと思うとよくここまで続けられたなと感服致します。

彼は競馬学校時代から馬乗りに関しては素晴らしい技術を持っていたと評判でした。乗馬関連の雑誌に取り上げられるほどの実力があったわけですから、飲み屋の荒くれ親父に成り下がった同期に比べりゃ競馬学校では1,2を争う存在であるのは当然です。

ところがデビュー後は同期に比べて勝ち味に遅く、初重賞勝利は4年目のゴールデンジャックまで待たなければいけません。そこから成績を伸ばしていき、2年後にイシノサンデーでGⅠおよびクラシックを、ダンスパートナーで古馬GⅠとなったエリザベス女王杯を制し、一流騎手の仲間入りを果たします。

その後、2001年に的場騎手(現調教師)の後任としてアグネスデジタルをお手馬にすると、南部杯、天皇賞・秋、香港Cを制する離れ業を演じ、武さんが海外遠征で不在だった事もあって関西リーディングに輝きます。懐かしいですねアグネスデジタル。この後、フェブラリーSを勝って香港遠征してエイシンプレストンとワンツー決めたんですよね。安田記念での復活レコード勝ちも懐かしい思い出です。個人的には晩年の成績は少し汚れているものの、芝ダート、海外のGⅠを勝利した同場は顕彰馬にふさわしいと思いますが、頭の悪…硬い競馬記者たちには不評なんでしょうね。

アグネスデジタルの後はしばらくGⅠから見放されていましたが、2006年に後に東京の鬼、GⅠ7勝の顕彰馬ウオッカと出会います。同馬で阪神JFを制すると翌年にはライバル、ダイワスカーレットとクラシックでしのぎを削る…かと思いきや、桜花賞で完敗した事に腹を立てた陣営が無謀とも言える牝馬による日本ダービーに挑戦します。私も当時は懐疑どころか、アホやなと思っていましたゴメンなさい。しかし、牡馬戦線が近年稀に見る不作だった影響もあって、あのクリフジ以来、実に64年振りの牝馬による日本ダービー制覇という快挙を達成し、晴れてダービージョッキーとなりました。

四位の活躍はこれで終わらず、同年の菊花賞をアサクサキングスで制し、同一年のダービーと菊花賞を異なる馬で制覇するという記録を打ち立てます。これは現行のクラシック路線が整備されて以降、初との事。また、翌年にはディープスカイで史上2人目の日本ダービー連覇という快挙を達成。NHKマイルCとの変則2冠もキングカメハメハ以来2頭目という結果に。

それからはたまにGⅠを勝つものの成績は下降していき、昨年に調教師試験に挑戦するした事が発覚し、2年目の今年に晴れて調教師試験に合格となりました。個人的にはもう少し早く試験を受けても良かったかなと思いますが。

また、四位の思い出というか印象はアクション仮面という点です。自分に不利な影響があった場合、ものすごいオーバーリアクションで手綱を引っ張り、その後はほとんど追わずに入線するという事が多々ありました。スポーツという側面ではそれでも良いのかもしれませんが、馬券を買ってる側からするとオイオイオイオイ!!と思うわけで、こうした呼ばれ方をされるのも仕方ないかなと思います。その姿勢が川田やミルコに受け継がれているかと思うと…ねぇ?反面教師にしてくれりゃ別だけど…ねぇ?

そんな四位ですが、騎手生活は来年2月まで。3月からは新規調教師として研修に励み、再来年の開業に備えます。後輩もたくさん調教師に転身していますが、彼ほどの知名度があるのは武幸四郎くらいのもの。長年の騎手生活で馬主、関係者とのパイプもあるでしょうし、調教師でもダービー制覇を目指して欲しいですね。

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