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騎手の成績 2020年12月②

①から続く

21位以降の軒並み落としている?

21位の藤岡弟は14年目の今年、50勝を挙げました。デビュー年に24勝、それ以降の5年間は30勝前後、2013年以降の8年間は50勝前後を記録しているザ・中堅騎手です。しっかりとした成績であるにも関わらず、重賞は毎年1~2勝程度で、そのほとんどがGⅢという地味な印象で、幸英明の下位互換かな?と思ったりするのですが、もっとチャンスを貰えても良さそうです。

コツコツやってればワグネリアンの時のようにチャンスを貰えるとは思いますが、兄を見習って動いてもいいかなぁとも思います。幸や和田を蹴落としてポジションを奪って欲しいですね。


22位の岩田父は思った以上に落ちましたね。今年は春に落馬負傷があったものの、ミルコ同様、どんな騎手でも嫌われたら一気に落ちると思い知らされました。近年はなかなかお手馬が見つからず、重賞もユーキャンスマイルが目に付く程度で残念です。ノリさんのように勝ち星より中身ってトコを息子に見せて欲しいのですが・・・何とか頑張ってほしいです。


23位の丸山は勝利数を4割も落としました。若手騎手の隆盛に巻き込まれた感じですが、やっぱり昨年のステルヴィオのチャンスを生かせなかったのがずっと響いている印象を受けます。でも、丸山はデビュー2年目で92勝を挙げているんですよ。3年目も72勝で初重賞を獲りましたし、横山武と遜色ない成績を残しているのです。そこから6年間は213勝と低水準に落ち着きましたが、近2年で盛り返す地力を見せたわけですから力はあるハズです。野中君の兄弟子として弟妹弟子を引き上げて欲しいのですが・・難しいかな?


24位のバシシューはジリジリと勝利数を落としていますが、重賞勝利数は横ばいです。ここを見ると今年はたまたま悪かったのかと思えますが、勝率は0.105から0.075、3着内率も0.319から0.262まで落としていますし、戸崎と三浦が不在だったわりには成績が伸びず、今後が不安ですね。重賞では2,3歳が多いですし、若駒にリソースを割くのも手じゃないかなぁ。


25位の松若は良かった点も悪かった点もあります。良かった点はやはりGⅠを勝利した事でしょう。7年目のGⅠ勝利で2人目の平成生まれのGⅠジョッキーとなり、ステップアップの大きな一歩になると思いました。ところが、勝利数は前年より落としてしまい、連対率、3着内率はデビュー以来ワーストを記録しました。勝率もワーストと0.001しか変わりません。どうしてこうなったのでしょう。

今年は1月1勝で出遅れると2月も4勝に終わり、なかなか波に乗れなかったところに繰り上げで初GⅠを獲ったものの、4月は1勝と、完全に流れを手放してしまいました。10月も2勝、12月は1勝と苦しいのを見ると、本人の問題というより、馬質の問題かもしれません。今の関西には岩田Jr、団野、西村、坂井瑠星、亀田、斎藤新、泉谷など活きの良い若手が居ますから、このまま飲み込まれないように踏ん張って欲しいですね。


26位以降の注目株

26位以降は注目だけを見ていきますが、27位の坂井瑠星はずっと追いかけてきている若手騎手です。長身でそこそこのイケメン、長期の海外遠征に行ける胆力に、リーディングトレーナーを師匠に持っており、次世代を担う若手と言っても過言ではないと思っていましたが、その期待に応える活躍を見せてくれました。

海外遠征時を除けば、勝利数、勝率、連対率、3着内率でキャリアハイを更新しましたし、重賞2勝ですが地方のジャパンダートダービーと東京スプリントを勝って階段を一つずつ登っています。また、初ダービー、秋華賞、朝日杯で人気薄を4着に持ってくるなど、オッ?という騎乗を見せてくれて今後に大きな期待が持てます。

一方で、何回か騎乗停止があったのは反省しなければいけません。しかもJDDを勝った直後ですからねぇ~調子が良い時こそ注意が必要です。奢ることなく謙虚な姿勢で来年はGⅠを狙って欲しいです。


29位の亀田はデビュー年の昨年は出遅れましたが、今年は40勝と大躍進となりました。夏の北海道で17勝を挙げるなど、一昔前の若手じゃ考えられない成績を残しましたが、特別戦はわずかに3勝で、重賞は3つ乗れただけです。まだまだ精進しなければいけませんし、来年は減量脱出を目標に実績と経験を積み重ね、同期の岩田Jr、斎藤新、団野大成を脅かす存在になることを期待します。


30位の浜中を注目株に入れていいのか悩みますが、決して終わった騎手ではありません。デビュー2年目から11年連続で年間50勝を記録し、昨年も11月末の落馬負傷が泣ければ達成していたのは間違いない48勝でした。今年は3月に復帰して重賞を含む9勝を挙げ、4月は未勝利だったものの、その後はコツコツと勝ち星を重ね、12月には7勝を加算して38勝でフィニッシュしました。年間ベースなら45勝くらいですから、そこまで下げたわけじゃない事が分かります。

エージェントの序列が下がったままなのは不安ですが、12月に中穴をバンバン持って来たような力を見せれば、TOP20に返り咲く事も可能だと思います。まだまだ見捨てるのは早いでしょう。


31位の鮫島克は今年初重賞でしたね。デビュー以来、毎年30勝を超える活躍を見せていましたが、2019年は28勝で途切れてしまいます。それに反発するかのように2月に小倉大賞典を獲り、大阪杯で4着に入る活躍を見せました。ただ、他の若手と同じく大半はローカルで挙げた勝ち星でしたし、これから重賞やGⅠを狙うならGⅠシーズンに中央四場に居るようにするべきです。期待の若手が3年目に突入する2021年こそが狙い目ですよ。


33位の武藤雅はちょっと期待外れでした。2019年にちょうど100勝を達成して、2020年は飛躍の年になるかと思いましたが、勝利数もリーディングも落としてしまいます。ただ、勝率、連対率、3着内率はキャリアハイですし、ローカルでの勝利も夏の新潟を除けば2勝のみと中央四場で踏ん張っている点は評価できます。そこそこ二桁人気を持ってきていますし、噛み合えばもっと活躍できると思います。


35位の斎藤新は2019年、新人最多勝を獲得しましたが、今年は勝利数、勝率、連対率、3着内率の全てを落とすという大不振でした。しかし、13番人気のラブカンプーで重賞初制覇を達成するなど、実力の片鱗を見せてはいます。重賞にもチャレンジする機会も多かったので、2021年は経験を成熟させて結果に繋げてほしいですね。


39位の菅原は落馬負傷で離脱した影響もあってか勝利数、勝率、連対率を落としました。一方で、昨年は未勝利だった特別戦で7勝を挙げ、3着内率も若干向上していますし、福島リーディングで2位に食い込みましたから、来年は成績の向上が見込めます。


野中君の復活はあるのか?

今年の野中君は何も言う事ができません。2019年12月から続く不振は2020年も続き、気が付けば215連敗という大不振にランクアップしました。昨年は勝ち星を稼げた中山での不振も響いたと思いますし、3月に減量が取れた事も影響したのでしょう。

騎乗数は2019年の724回から1/4も減少した550回に留まりました。3月以降は目に見えて騎乗数が落ちましたからねぇ。連敗脱出後もすぐに成績が回復するわけじゃなく、秋競馬で5勝を挙げ、辛うじて勝利数を二桁に乗せたものの、満足行く成績ではないでしょう。

また、何度も述べているオセアグレイトのチョンボは反省だけじゃ済まない問題です。負けちゃいけないとまでは言うのは難しいですが、馬券は絶対に外していないレースでしたからね。さらに陣営の選択もチョンボと言えますが、七夕賞も見るに耐えない騎乗でしたし、平場はそこそこ、重賞はチョンボでは成績は伸びませんよね。重賞でこそ目を見張る騎乗を見せないと

そういう意味では、オセアグレイトのダイヤモンドSは負けはしたものの力を見せた一戦でしたし、七夕賞とは大違いの一戦でした。こういうレースを増やして行く事が大切だと思います。

2021年はどんな年になるかなぁ。中穴で勝ってきた2歳馬に明け3歳で騎乗できると良いのですが・・短期免許が来る様なら苦しくなりますし、今年以上に中京や函館などのローカルに行った方が空気が変わって良いと思います。一年中、口を酸っぱくして忠告してきましたが、変えようと思わなければ変わらないでしょう。はやり病が収まったらまた海外で勉強し直すくらいの心意気が見たいところです。

私の中のイチオシは、一馬身ほど後ろにいた坂井瑠星に移りかけています。この一年、野中君、坂井瑠星、松若風馬、武藤雅の4人を見続けてきましたが、伸びたのは坂井瑠星だけですからね。前に競馬学校の模擬レースを上げたYoutubeのJRA番組に坂井瑠星と登場しましたよね?その時、JRA通算63勝の若手有望株と紹介されていましたが、隣の坂井瑠星は後輩なのにJRA通算138勝、重賞4勝、今年ダノンファラオでJDD制覇と紹介されていましたよ?悔しくないんですか?私は悔しかったですよ。まるで野中君が引き立て役のような存在じゃないですか。

海外で修行して内に飛び込んで来れる様になったはいいですが、それだけじゃダメなんです。それは選択肢の一つ、引き出しとして用意するもんで、困ったら内を狙うというは違いますよ。馬質の問題もありますが、もっとレース研究をして、引き出しを増やした方が今後のためになると思います。まだ応援しますので、頑張って下さい。



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