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騎手の成績 2020年7月

悪天候が晴れたのは最後の最後だけで、かなりの悪天候の中で行われた福島・阪神・函館競馬が終了しました。日曜の重賞はどちらも二桁人気が勝利するだけでなく、3連単で300万馬券が飛び出す大波乱。18番人気が重賞を勝利したのは1986年の金鯱賞(イズミスター)以来で、フルゲート18頭で18番人気が勝利したのは史上初だそうです。そりゃWINS5もキャリーオーバーになりますわな。

そのWINS5も4レース目の中京記念が終了した時点で1票残っているってんだから驚きです。重賞で15番人気→18人気を買う人なんて居るの?!と誰もが思いますって。しかし、5レース目で2番人気が勝利しましたが、残念ながら外れてしまいましたね。良かった良かった。

1票で16頭の中から勝ち馬を探すのは難しかいのです。普通はそうなんですよ普通は。WINS5を完全ランダムで買えば仕方ないな・・で済むかもしれませんが、自分で予想していたら笑えないのですし、WINS5には手を出さないのが一番です。もし、手を出すつもりがあるなら、毎週100円を完全ランダムで買い続ける方法の方がマシです。仮に全レース18頭のフルゲートだったとしても当たる確率は約180万分の1ですから、宝くじやtotoBIGより遥かに当たりやすいですし、年間5000円の出費で済むわけですからね。

さて、話が大きくズレたところで、開催が終了したので7月期の騎手の成績を見て行きましょう。わずか3週間で終了したので、ざっと見ても大きな変化はなく、そろそろ中位以降も固まってきそうです。怪我から復帰した組も、不調で沈んでいた組も、夏競馬に繋げられたのでしょうか。

ルメールが不調?川田が差し返す!!

わずか3週間の7月期、リーディングトップを堅守したルメールですが、勝利数は9勝とルメールにしては少なめです。特に7/12のマリーンSで年間100勝を達成したものの、本人が『とてもエキサイトしていた』と回顧するように6月後半から勝利ペースが遅かったです。ここ2週間は函館で4勝ずつを挙げていますが、その前の週は1勝のみに終わっていますし心配は心配です。ただ、年間100勝は自己最速ですし、普通にしていれば秋に新馬で稼げますからね。

2位は3ヶ月連続で川田となりました。一時は10勝以上差を付けていたのに、気がつけば逆転され、差は開くばかりかと思いましたが、7月期14勝と巻き返しに掛かります。これで2勝差ですから、まだまだ分からなくなってきました。ただ、勝ち鞍のほとんどが平場なのは残念です。重賞で活躍する川田を見たい気持ちもあるのですが・・・

3位は2月期からずっと武さん。もう定位置ですね。函館から福島、阪神、また函館と大忙しで、合間に騎手会長として清掃活動を指揮するなど、いったいいつ休んでいるのでしょうか。若くないのだから体のケアはしっかりとお願いします。本業では5勝に止まりましたが、2,3着は10回と相変わらず多めですし、パラスアテナやモンファボリなど重賞で有力馬に乗って飛ばしてしまうのも改善がほしいところ。

4位も4ヶ月連続で松山でした。7月期は6勝、2,3着は武さんを超える14回と勝ちきれないレースが続きます。日曜にやっとこさ勝ったと思ったら斜行で実効4日の騎乗停止とツイてない。個人的にはアレで4日は厳しいなぁと思いますが。とにかくしばらく休んで気持ちを切り替えてほしいですね。

5位も4ヶ月連続で福永でした。もう1~5位は鉄板ですね。7月期は7勝、2,3着は13回とこちらも勝ちきれないレースが多いです。しかし、それでも依頼されるのが福永ブランド。下からの突き上げも激しいですし、何だかんだで上位に居る存在ですから、しっかりと若手の壁になってほしいです。

6位は6月期に続いて岩田Jrです。ここまで順調に来ていましたが、急性胃炎で7/4,5の騎乗をドタキャンするハメになりました。2/15,16にも同様にドタキャンで全鞍乗り替わりとなっていますし、3/28には減量失敗で+0.5キロで騎乗して過怠金10万円の制裁を受けています。さらに2/9に騎乗停止も受けており、正直、関係者はよく乗せていると思いますよ。新人がここまで失態を犯したら、乗れる騎手でも普通は騎乗馬が減るもんなんですが、彼の場合は逆に集まりましたからね。不思議なもんです。ただ、6月以降は段々と有力馬が集まらなくなってきており、7月期は3勝、勝ち鞍も中穴が目立ちます。少しは反省してくれると良いのですが。

7位の藤岡兄は辛うじて7位をキープといったところでしょうか。7月期は5勝を挙げましたが、それ以上に下の突き上げが厳しく、すぐ下に関東3人が迫っています。このままでは夏競馬の間に10位以下に後退する可能性すらありますが、別にそうなったらそうなったで『まぁそんなもんか』と思ってしまうのは、彼の姿勢が私に評価されないからでしょう。『GⅠに多く乗る』という年初の意気込みはどこに行ったのでしょうかねぇ。

8位は藤岡兄と同数で並ぶ横山武です。6月期の成功をそのままに7月期も6勝を積み重ね、見事、函館リーディングに輝きました。開催リーディングは初めてでしたね。おめでとうございます。文句無く若手No.1とまでは行きませんが、1,2位を争う騎手である事は間違いなく、その手腕を認められて有力馬も集まってきました。今後が特に注目の騎手ですね。

9位は1勝差で吉田隼人が入りました。7月期はなんと言っても函館記念のアドマイヤジャスタでしょう。15番人気を1着に導き、3連単で3,432,870円、WINS5でキャリーオーバーを発生させる立役者となりました。ローカルの帝王らしく淡々と勝利を積み重ねていますが、来週からはトップ騎手が集まる二場開催が続くので、真価が問われそうです。もういっそ西村と交代で中央四場に戻ってきたらどうでしょう?

10位は福島リーディングを獲得した田辺でした。6月期15位からミルコを抜いて一気にジャンプアップですね。やはり地元という事で福島では気合が入るのでしょう。年明けからマーフィー、ヒューイ、レーンに押されて中位に甘んじていましたが、本来はコレくらいの位置に居ないといけない騎手の一人です。とっとと上の若手(岩田Jr)を引きずり落としてほしい、とは私の願望です。

リーディング中位は残れるか、落ちるか

リーディング中位組は上に戻れそうなの騎手は見当たらず、ここに残るか、下に落るか、まさにデッド・オア・アライブという不安定な場所になっていますが、11位のミルコはもしかしたらガクンと落ちる可能性がある一人です。毎度同じ様な事行っていますけど、3着内率を見たら上から6番目ですからね?しかも、3着内率の前年比率では去年はワースト1、今年はワースト2(海外帰りの富田を除けば実質ワースト1)であるにもかかわらずこの数字ですよ?普通に上手いし、普通に乗れる騎手なんですよ。外国人だから感覚が違うところもあるでしょうが、もういいんじゃないですか?助けてやって下さい!!

14位の団野大成はここにきて急ブレーキです。7/5の福島未勝利で2頭落馬の原因の一翼を担う大失敗をかまし、レーンを騎乗停止に追い込みましたが、自身も落馬して骨折と発表されたハズなのに、なぜか数日後には骨折ではなかったと言って先週から騎乗を再開しています。怪しさ満点ですが、そうまでして復帰を急いだ理由は、7月期に1勝しかしていない事が背景にあったかもしれません。同じ若手の先輩がリーディングを獲る活躍をしているのに、函館からたまたま遠征した先で落馬して乗れませんなんて認めたくなかったのでしょう・・と推測しています。確かにこれから二場開催で騎乗馬を集めるのも一苦労だと思いますが、質を重視して取り組む姿勢が大切だと思いますよ。

18位西村は先日の記事(https://note.com/boost_quinty/n/n746808bff82e)で散々書いたので、そこまで触れるつもりはありませんが、7月期は1勝したものの我らが野中君のような騎乗馬と着順ですね。かつての関西若手の期待の星はどこへやら。やっとこっち側へ来ましたね。これで、たまたま減量があって、たまたまローカルで良い馬に乗って、たまたまポンポンポンと勝ち星を稼いで評価されていましたが、中央四場では返り討ちにあるくらいの実力しかなかった、という事がハッキリしましたね。このまま落ちても一向に構いませんが、いっそローカルに収まり、次期ローカルの帝王を目指すと面白いと思います。吉田隼人と交換したらもっと面白いですよ。

20位には坂井瑠星が入りました。やっと1ページ目20位以内に顔を出しましたが、21,22位とは同数ですし、23~25位とは1勝差ですから、まだまだ油断はできません。参戦当初は苦戦していた函館競馬ですが、7月期は4勝を挙げ、大井のジャパンダートダービーでJpnⅠ初勝利を飾るなど勢いに乗っています。しかし、先週のモーリス産駒初勝利をプレゼントした際のラフプレーで、来週から実効4日の騎乗停止となっており、8月期は再び21位以下に戻る可能性もあります。復帰後の活躍を期待しています。

怪我からの復帰組と、不調組

開催日数も少ないので、21位以下は注目騎手だけ見ていきます。まず24位の北村友はやっとここまで上がってきました。宝塚記念の勢いそのままに7月期8勝を挙げ、前月34位から9つも挙げる活躍を見せました。19位のノリさんと3勝差、西村とは5勝差、16位の池添と8勝差なので、8月期の活躍で意外と15位くらいまで上げる可能性もありますね。

30位の亀田は7月期3勝、函館で計9勝を挙げ、函館リーディングの上位に顔を出しました。3着内率の前年比は+0.067で全体2位ですし、初重賞で積極的に行って4着と及第点と言える内容でしたから、隠れた逸材と言えるかもしれません。今後に注目したいです。

31位の鮫島克は5月期に9勝を挙げた後、6月期、7月期で2勝ずつと波に乗れません。阪神よりは函館の方が向いてるような気がしないでもないんですが、復帰組、不調組が復調してきた事もあり、これ以上順位を下げるのは良くないですね。奮起を期待します。

33位の浜中もジリジリと順位を上げています。復帰した直後に重賞を勝ったものの、しばらくは勝ち星に恵まれませんでしたが、6月期6勝、7月期3勝とまずまずの成績。7回あった2着を改善すれば20位台は堅いんですがね。個人的にはサードジョッキーからの脱却を目指してほしいです。

34位の丹内は6月期40位から上げていますが、これは地元函館の活躍が反映されたものなので、そこまで注目する必要はありません。言葉は悪いですが、札幌開催になったら下がると思います。

36位武藤雅は完全に伸び悩んでいますね。落馬事故に巻き込まれて休んだとはいえ、その前から数字が下がってきていますし、さらに情報無く騎乗しなかったりと、あまりによろしくない傾向にあります。どこから話が伝わるか分かりませんから、情報公開というか自身の主張や状況はハッキリと伝える手段があった方が良いと思いますよ。見限られないと良いのですが。

39位の津村は7/5の落馬で鎖骨骨折で休養中です。短期免許の外国人がいない隙に勝ち星を稼いでいましたが、今年はマーフィー、ヒューイ、レーンの三羽烏にやられ、徐々に勝ち星が遠ざかっている所に落馬負傷なのでこれは痛い。無理はしてほしくありませんが、早い復帰をお祈りしています。

50位の戸崎はさすがに3週で二桁は難しかったですね。それでも3週で5勝を挙げ、福島リーディング2位となる活躍を見せました。復調してきた関東のエースは8月期で二桁以上勝てばあっさり10位台復帰も有り得るかもしれません。弛んでる関東騎手界に活を入れてやって下さい。

我らが野中君は反省をしなければ

7月期の野中君は1勝に終わり、順位も68位から72位に下げました。ポンポンと勝った障害騎手を除いても下がっており、期待外れの3週間でしたね。

この記事(https://note.com/boost_quinty/n/n453f787eb7e9)にも書きましたが、若手らしくガツンと行って欲しいのに、消極的な競馬をしては無難な印象しか残りません。何を考えて騎乗しているのでしょうか。調教ばかりに目が行って本業のレースの準備を怠っているのではないですか。

そもそも有力馬や騎乗馬が少ないのは、コイツを乗せようという印象が無いからです。普段の調教などから繋がりはあるかもしれませんが、何か特色なり、一芸なりがあれば依頼はあるでしょう。しかし、最近の騎乗を見ていると、どうも無難に乗ればいいという印象を多く受けるのです。十分に下準備をして望んでいるのでしょうか。

もちろん、函館2歳Sのように何とかしようとチャレンジする姿勢が見えるケースもありましたが、それをもっと見せて欲しいのです。関係者にアピールできるような騎乗を見せて欲しいのです。来週から二場開催が3週も続きますし、リーディング下位の若手にはなかなか騎乗馬が回ってきません。下手すれば週5鞍とかにまで減少する事もあるでしょう。その時に関係者の印象に残る騎乗をしていれば、依頼は確保されるのではないでしょうか。

小倉開催の取り止めで出走頭数も集中するのか、逆に減少するのか分かりませんが、いずれにせよ消極的な競馬を減らし、姿勢を変える努力をしなければ調教助手で終わってしまいますよ。



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