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騎手の成績 2021年1月

毎月恒例の騎手の成績のお時間です。異常事態とまでは言いませんが、前年と比べて大きな変化が見られた1月期でしたね。例年、1月期は短期勝負の数字になるので変化はありますし、短期免許組がいますので、多少なりとも変化はあります。ただ、この変化はちょっと予想していませんでした。早速見て行きましょう。

関東騎手の逆襲?TOP10のメンツは?

1位は当然のようにルメールでした。例年通り1/5は休暇を取ったのですが、3週間で16勝を挙げるディープ並みの末脚でリーディングを奪う芸当は、今年もルメール偏重の空気を感じさせます。また、3週連続重賞勝利を挙げており、もういい加減にしてくれと思うのは私だけでしょうか。ただ、3着内率は0.448と6年ぶりに5割を切っていますし、そこに一縷の望みを掛けて何とかと思いますが・・・無理か。

2位は前年4位から上がってきた松山。新年早々の中山金杯を制し、1/17まではトップを爆走していたのですが、ルメールの爆発に巻き込まれ陥落。ただね、今年も期待できそうな勢いを維持しており、デアリングタクトとともに次世代を担う騎手に成長できるか楽しみです。

3位は安定の福永。こちらも重賞を含む二桁勝利を挙げるなど相変わらずの安定さですが、1~3番人気で4着5回とお家芸も忘れていないところは評価できますね。私も『そうか・・福永だもんな・・』と痛い目を見ており、どうかコントレイルでお家芸を見せないで欲しいです。

4位は前年10位の田辺が躍進。爆発することはないものの、年初からコツコツと勝ち星を重ねて11勝を挙げました。前年は関東リーディグ4位と悔しい結果に終わりましたが、今年は短期免許組もいませんし、三浦、戸崎とのリーディング争いを期待したいです。

5位の戸崎は7勝と少し離されてしまいました。ただ、重賞では愛知杯を制し、中山金杯と京成杯に人気薄を3着に持ってくるなどさすがの騎乗を見せています。サトノフラッグは・・馬の実力でしょうか(笑)

6位は大野が入りました。前年はリーディング34位と5年ぶりに30位以下に落ち、若手の隆盛もあってこのまま沈んでいくのかと思いましたが、まだまだやれるところを見せています。どこまで勢いを維持できるでしょうか。

7位の吉田隼人は前半4日間で1勝と振るわなかったのですが、ローカルが始まると水を得た魚のように5勝を挙げました。さすがローカルの帝王。今年もローカルの割合が多いので、活躍できる下地はあります。イケるかリーディング。

8位の横山武は中山で6勝を挙げました。昨年の初春競馬はローカルで8勝を挙げる活躍でしたが、関東リーディングを獲った今は中央四場で勝負できています。昨年は中央四場とローカルを半々くらいで騎乗しており、西村のように跳ね返される事もないでしょう。

9位は三浦皇成ですが、勝ち星が少ないのは取りこぼしが多いような印象を受けます。人気通りと言えばその通りなんですが、どうにも噛み合っていませんね。若手の勢いもありますし、油断していたら口うるさいベテランで終わってしまいそうです。

10位の団野大成は初重賞を獲れました。予想外の結果でしたが、なぜか騎乗馬が集まる岩田Jrより先に重賞を獲れたのはデカイですね。前年に引き続きリーディング上位にも顔を出しており、3着内率も3割を超えてきて、これで期待できないわけがありません。もうすぐ減量が取れますが、それでもやれる雰囲気はあり楽しみです。


11位以下は珍しい顔ぶれ

関東騎手はTOP10に6人も入る珍しい事態となっていますが、11~20位まではわずかに3人と逆の結果になっています。ただ、その顔ぶれが珍しい。

11位の幸は、言葉は悪いですが定位置を確保。飲み会とかでも決まって真っ先に端にちょこんと座るタイプと同じ匂いがしますね。淡々とこれくらいの順位を維持し続ける能力には感嘆します。

12位の和田も幸と同様にこの辺りが定位置。和田ってそこまで上位や中位にいる印象がないですよね。調べてみたらキャリアハイは2017年の96勝でリーディング5位だそうです。毎年50~60勝を挙げるているのは何気にすごい。

13位は前年31位の鮫島克が入りました。3着内率0.255はデビュー年を超えるキャリアハイです。初重賞を果たした昨年は4月に未勝利、5月に9勝など好不調の波が激しかったですが、今年は既に3回も二桁人気を馬券に絡めており、この勢いのままローカルで勝ち星を重ね、チャンスを集められるか見物です。

14位の武さんは腰痛で3日間開催を休業した分、出遅れた形となりました。しかしねぇ、重賞4レース中、3レースで1番人気でありながら全て馬券外に飛ばすという結果はいただけません。いずれも怪しい1番人気でしたが、格好もつけられないとは思いませんでした。こうした点は非常に見栄えが悪く、騎乗馬にも影響がでるので注意が必要です。

15位の斉藤新は前年35位からの躍進です。人気薄4頭を馬券に絡める活躍を見せますが、人気で取りこぼすなど不安定な側面もあり、まだまだ見守る必要がありそうです。5勝中、特別戦3勝は立派ですし、小倉参戦でどこまで勝ち星が伸ばせるか。

16位も前年39位からジャンプアップした関東若手の有望株、菅原が入りました。こちらも何回か人気薄を馬券に絡める活躍を見せていますね。小倉が始まったらそちらにベッタリなので、昨年同様にローカルで腕を磨くのでしょう。団野大成という成功例がありますから、作戦としては間違ってません。早く横山武に追いつけるように精進して下さい。

17位の横山和は、なぜ君がここに?と失礼な印象を持ってしまい、心からお詫び申し上げます。中山で勝った3勝は全て逃げ切りと父譲りの何かを持っているような気もします。小倉でもう5勝ほど欲しいところです。

18位の岩田父は近年思ったような成績が残せず、昨年は落馬負傷もあって中央移籍後初のリーディング20位までに落ち込みました。今年は早々に京都金杯を勝ちましたし、ルメールの移籍で追われたトップジョッキーの座を狙えるスタートを切れたので、期待したいですね。

19位の北村宏は本来、これくらいの位置にいる存在なのですが、近年は怪我などで満足に乗れず不安定な成績となっています。引退するには早いですが、将来があるとも言えない微妙な年齢ですし、どうにかもう一花を咲かせて欲しいです。まずは3年ぶりの重賞制覇を見せてください。

20位は戻ってきた浜中です。私個人は猛プッシュの一人です。2019年は11月の落馬負傷で10年続けた年間50勝にわずかに届かず、3ヶ月の休養後、復帰直後に重賞を勝ったものの若手の勢いに押され、なかなか騎乗馬が集まらず38勝に終わりました。しかし、12月期は7勝1月期は4勝を挙げ、しかも人気サイドはわずかに3頭だけと、かつてのリーディングジョッキーの片鱗を見せています。岩田父と同じく、ルメール、ミルコの移籍によって割を受けたジョッキーの一人ですが、川田と同じくらい実力はありますし、もっとチャンスを挙げても良いと思うのですがね。


予想外の面々だらけ?

21位以下で予想外の面々を挙げていきましょう。

22位の森裕太朗は前年9勝で82位でしたが、今年は1月期で4勝となんとビックリ!ナンバショット!!と言わんばかりの活躍です。特筆すべきは騎乗数がわずかに16鞍という点でしょう。しかも馬券に絡んだ7回中6回は1~5番人気であり、そこそこの有力馬でしっかり結果を残している点は大いに評価できます。昨年末に結婚した事もあり、一皮向けたら面白い存在かもしれません。

25位のミルコは落ちる所まで落ちた印象ですね。関東でも関西でも居場所がないようで、非常に残念です。武さんのように落ちた時に手を差し伸べてくれるオーナーがいれば別なんですが、そうした部分を蔑ろにしてきたツケが回ってきたのでしょうか。2番手3番手でも文句を言わず、最後まで一生懸命ならまた違うと思うんですがね。ミルコにそれができるかなぁ。

26位の岩田Jrは減量クリアしましたし、今年はローカルに回らないのでしょう。それで成績が下がるのは仕方ないと思いますが、普段の態度次第ではもっと下がりそうな感じもします。期待されているものの、重賞も同期に先に獲られましたし、関西若手の3年目のジンクスに引っ掛からなければ良いのですが。

29位の高倉も珍しい位置にいます。前年は6勝、96位と2年連続で大きく沈みましたが、今年は既に3勝と沈んだ分を取り戻そうとする勢いですね。そこまで悪い騎手じゃないと思うので、噛み合えば40位前後を確保できそうです。

34位には前年2位の川田がいます。もう何でこんなトコにいるんですかね。調子が悪いのは間違いないようですが、この体たらくで重宝される理由が分かりません。1~3番人気の成績は2-6-2-22ですよ?ちょっと酷すぎますね。前年も重賞の1~3番人気の半分以上を馬券外に飛ばしていますし、これだけチャンスを貰ってこの成績なら川田である必要はないのでは?と思ってしまいますね。

44位の小崎もこの位置にいるのは珍しいですね。海外遠征から帰ってきた昨年はさっぱりでしたが、全く乗れないわけじゃないと思います。50位くらいなら十分相応しいレベルではありますが、そう簡単に騎乗馬は集まらないのが日本競馬の良い所(笑)せめて野中君くらい騎乗馬が集まれば、海外武者修行の成果が分析できるのですがね。


同じく46位の中井、48位の宮崎、49位の藤懸なども2勝で並んでいますが、なかなかこの辺りでは見られない騎手です。こういう群雄割拠が面白いのですが、なかなかそうはいきません。ただ、はやり病で短期免許組がいないとこういう状況になるという分析ができますし、こちらの方が面白いと思えれば、ルメール一辺倒、短期免許優遇の空気に一石を投じる事ができると思います。何とかしてこの閉塞感を打破できるような存在が出てきれくれる事を期待したいですね。


そうそう忘れてました野中君。と、坂井瑠星。まず、野中君は前年に比べて1月期の騎乗数が半分に減っています。これは昨年の体たらくと減量脱出の影響があると思います。そんな中で1/10までは連対率100%(笑)を達成しており、1/11には早々に今年初勝利を挙げています。決して悪い成績ではないと思いますが、もう少し伸びてくれんかなぁとも思いますし、1回ローカルに一開催ほど行ってみてほしいなぁとも思います。現状に満足しているようではそこまでですからね。

それから坂井瑠星は、よもやのリーディング65位に沈むとは思いませんでした。1勝しか出来なかった事も驚きですが、3着9回も驚きです。1~3番人気の5鞍で1-0-4-0で全て馬券に絡み、4~6番人気は10鞍全てで馬券外に沈み、7~9番人気は0-0-4-17と人気の割にはそこそこの成績で、中身を見ればそんなに悪くはありません。ただ、初勝利は1/24でしたし、下手したら1月期未勝利で終わった可能性もあった危ない状況でしたね。

昨年はリーディング26位で、フル参戦ではほとんどの数字でキャリアハイを更新していますし、今年はかなり期待していただけにガチで困惑している状況ですが、まだ一ヶ月ですし、2月期以降の快進撃を期待します。




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