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サウジ&カタール国際競走

今年もサウジカップデーで時期が迫ってきました。2月の最終週に行われるサウジCを初めとした国際招待競走ですが、日本でもお馴染みの香港国際競走やドバイWCデーのようにGⅠが沢山あるわけじゃありません。外国のサラブレッドが出走できる6R中、GⅠはメインのサウジCのみで、その他は国際GⅡが2R、国際GⅢ3Rとなっております。

そんなにサウジカップデーにどうして100頭を超える日本馬が登録をしているのか。それは単純に力関係と賞金のバランスが良いからです。今年からネオムターフカップ、1351ターフスプリントがGⅡに昇格しましたし、サウジC以外は1着賞金が90~120万ドル(1億3000万~1億7000万円)ですからねぇ~そりゃ行きますよ。バスラットレオンやシルヴァーソニック、ピンクカメハメハ、コパノキッキング、オーソリティが勝てるレベルですし、重賞馬ならチャレンジするのは全然アリだと思います。その後はドバイに転戦するでもいいですし、春の香港に転戦するでもいいですしね。


2024年の登録状況

では、今年の登録状況を見ていきましょう。

■サウジダービー(3歳・22年より国際GⅢ・D1600m)
日本馬の登録は34頭で、サトノフェニックス、セットアップ、フォーエバーヤングが招待を受諾。その他、アマンテビアンコなどが予備登録しています。


■リヤドダートスプリント(3歳上・22年より国際GⅢ・D1200m)  
日本馬の登録は15頭で、昨年3着のリメイクが招待を受諾。その他、兵庫のイグナイターやリメイクなどが予備登録しています。


■1351ターフスプリント(4歳上・24年より国際GⅡ・芝1351m)  日本馬の登録は18頭で、ウイングレイテスト、バスラットレオンとララクリスティーヌが招待を受諾した他、アグリ、エイシンスポッター、オオバンブルマイ、テンハッピーローズなどが予備登録しています。


■ネオムターフカップ(4歳上・24年より国際GⅡ・芝2100m)
日本馬の登録は16頭で、スタッドリー、ハーツコンチェルト、ホウオウビスケッツなどが予備登録しています。


■レッドシーターフハンデ(4歳上・22年より国際GⅢ・芝3000m)  日本馬の登録は13頭で、ステイヤーズSの勝ち馬アイアンバローズが招待を受諾。その他、連覇がかかるシルヴァーソニック、サリエラ、テーオーロイヤルなどが予備登録しています。


■サウジカップ(4歳上・22年より国際GⅠ・ダ1800m)
日本馬は15頭で、レモンポップ、ウシュバテソーロ、デルマソトガケ、クラウンプライドが招待を受諾しており、ジャスティンカフェ、ドゥラエレーデ、ホウオウビスケッツ、メイショウハリオなどが予備登録しています。


重複立候補

今回のサウジカップデーに登録した馬の中には、一週前の2月17日にカタールのドーハにあるアルライヤン競馬場で行われる国際招待競走「アミール・スウォード・フェスティバル」に登録、出走する馬が多いですね。あまり馴染みのないカタール競馬は10月末から4月末までの半年間のみ開催ですが、この「アミール・スウォード・フェスティバル」には欧州を中心とした出走馬を集めているそうです。


■ロンジン・アミール・トロフィー(4歳上・カタールGⅠ・芝2400m)賞金総額250万米ドル(1着142.5万、2着55万、3着27.5万、4着15万、5着10万)

サトノグランツとゼッフィーロは招待を受諾していますし、プラダリア、スタッドリー、ブレークアップ、ノースブリッジ、エヒト、ヒンドゥタイムズ、テーオーロイヤル、リビアングラス、サリエラ、ラヴェルなど18頭が予備登録しています。


■アルライヤンマイル(3歳・カタールGⅡ、芝1600m)
賞金総額40万米ドル(1着22.8万、2着8.8万、3着4.4万、4着2.4万、5着1.6万)

インフルブルーム、エコロガイア、テンエースワン、ホウオウプロサンゲ、ワイワイレジェンドの5頭が予備登録しています。


■アイリッシュ・サラブレッド・マーケティングC(北半球産4歳以上、南半球産3歳以上・カタールGⅡ、芝1600m)
賞金総額50万米ドル(1着賞金28.5万、2着11万、3着5.5万、4着3万、5着2万)

ラヴェルが予備登録しています。


■ドゥハーン・スプリント(3歳以上・カタールGⅢ、芝1200m)
賞金総額40万米ドル(1着22.8万、2着8.8万、3着4.4万、4着2.4万、5着1.6万)

エクセトラ、エイシンスポッター、エコロガイア、エナジーグラン、キングエルメス、グレイトゲイナー、ジャスパージャック、ジャスパーノワール、ジョウショーホープ、チェイスザドリーム、ディヴィナシオン、バスラットレオン、ホウオウアマゾンの13頭が予備登録しています。


UAEやサウジに追いつけとばかりに高額賞金を用意した国際招待競走ですね。欧州馬が勝っているイメージが強いですが賞金は魅力的で、メインのロンジン・アミール・トロフィーは1着賞金が約2億円です。カタール自体はパートⅢ国なので重賞競走であっても国際格付けは得られないのですが、賞金はかなり魅力的ですから、1週前のサウジに招待されなければこちらを狙う陣営も多いでしょう。

それに距離が1200m、1600m、2400mと日本で言うところの根幹距離で分類されている点、芝コースである点も日本馬には参戦しやすいのではないでしょうか。サウジだと芝は1351mのスプリントや3000mのハンデ戦があり、参戦しにくいですからね。

数年後にカタールがパートⅡ国になれば、これらの競走は国際格付けを得られるでしょうし、そうなったらサウジとカタールがドバイの前哨戦になるでしょうから、ますます日本馬は狙いやすくなり、日本競馬の空洞化が進みそうです。

例えば有馬記念馬がドバイを使うのは大丈夫だと思いますが、サウジやカタールを使うのは難しいでしょう。そしたら、天皇賞・秋、もしくはジャパンCを使った後に香港、または休養でここを狙う選択肢が出てきますし、アルゼンチン共和国杯やステイヤーズS、阪神Cなど日本のGⅠに繋がりにくいGⅡからの参戦も考えられます。ステイフーリッシュのように香港含む秋3戦からの中東連戦で連勝とかも今後は普通にありそうで怖いですね。


まぁともかく、日本馬が海外競走で活躍するのは嬉しいですが、国内競馬もしっかりと目を向けて欲しいと思います。上半期はどうしてもクラシック以外の国内競走は注目度が上がらないですからね。


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