2025年の開催日割および重賞競走について
2025年度の開催日割の大変更。誰もが思ったことでしょう。JRAってバカなの?って。そう思わずにはいられない変更で、発表があってから数日間は情報を集め、確認してやっと記事にすることができました。お時間ご都合よろしい方はどうぞご覧ください。
1.大まかな変更点
まずは大まかな変更点を見ていきましょう。最初に暑熱対策として開催日の削減や入れ替え、「競走時間帯の拡大」の期間延長がされました。はぁ?そこ?と思うかもしれませんが、重賞の変更とも絡んだ話ですので最初に目を通しておきます。それから北海道の2場開催やナイター競馬なんかの話もありました。
次に、重賞については新設あり、時期変更あり、廃止あり、となんでもござれ状態でした。これは後でじっくり見ていきます。その重賞項目と被りますが、GⅠのトライアル戦についても実施時期が変更されています。なんやかんや言ってますが、要は今までの番組表じゃ有力馬は出走せんやろ、ほな変えたろ、ということでしょう。
あとは今年はホープフルSではなく、有馬記念がラストとなる日割が組まれました。これは嬉しいですね。これは毎年、こうしてほしいところです。
まぁざっくり見ると仕事やってる感がすごいなぁという印象を受けますし、JRAってバカなの?と思う部分もあります。特に重賞の変更に関しては目も当てられない部分もありますし、ここを書くには長くなりそうだなぁ。
2.暑熱対策の変更
■暑熱対策による開催日割の変更
では、それぞれを細かく見ていきましょう。2025年の暑熱対策は、まず6月の東京、阪神競馬がそれぞれ1週ずつ削減されます。そして小倉競馬と中京競馬の実施時期が入れ替えとなります。ここが大きなポイントですね。
私はグレード制が導入された1984年からの開催日割を抑えていますが、その時から6月は4節8日開催、7月は中京、8月は小倉で開催されており、ダビスタやウィポなどの競馬ゲームの番組表でも同様の形となっていますので、少なくとも40年以上も続けてきた開催日割でしたが、突然の変更となり、大変驚いています。今年だけの話かと思っていたのに、まさかの恒常化とはねぇ。
JRAの番組企画室企画課、木村幸樹課長は「現段階では小倉で競走時間の拡大をすぐさま実施できる状況ではないため、さまざまな検討、シミュレーションをした結果、中京が適切だと判断しました」と説明しており、暑熱対策のためにやむを得ず変更したというところでしょうか。じゃあ、何か大きな天変地異があって夏の気温が一昔前に戻ったら、開催日割も元に戻すのか、小倉で競走時間の拡大が実施できるようになったら元に戻すのかって聞きたいくらいです。たぶんしないでしょうねぇ笑
中京競馬に変更されたことに合わせて、2020年から編成されていた夏の2場開催(関西地区の休止)が廃止され、夏の3場開催が戻ってきました。同じく暑熱対策として今夏に新潟競馬で実施した「競走時間帯の拡大」については、2025年は実施期間を4週に拡大し、かつ同期間の中京競馬でも実施することになりました。好評とは言い難い制度でしたが、とりあえずやってみようを続ける形ですね。悪くはないですけど、良くもないです。
また、削減された6月の東京、阪神競馬については、11月に組み込まれており、夏の3場開催が復活した分は、年初に振り分けていた4日分を戻す形になっています。暑熱対策とは別に秋の新潟も例年6日から4日に削られ、その分は中央四場(本場)に振り分けられているので、ローカルは厳しいですし、若手騎手も厳しくなるでしょう。
■北海道シリーズの2場開催
それから夏の北海道2場開催の話も出ました。暑熱対策するなら夏の北海道でそれぞれ開催すればいいって話は前からありましたが、JRAの判断は難しいとのこと。
総合企画担当の植木聡理事によれば「同時開催となると出走馬房が2000~3000程度必要の見込みですが、現在は1472馬房しかなく大きく不足しており、別途、大規模な施設が必要です」とのことでした。また、それ以外の案として以下の①~④が出ましたが、
①北海道浦河郡の軽種馬育成調教センター(BTC)を利用する案
ハード面の調整が必要で、かつスタッフの確保、民間の施設利用者との住み分けも難しい。
②新たな調教施設を建設する案
大規模な投資、土地の確保の観点から現実的ではない。
③牧場等の外厩から直接レースを使うのは公正競馬、防疫、情報確保の面から厳しい。
④北海道開催の時期拡充する案
植木聡理事「既に6月前半から9月上旬まで開催しておりますので、これを前後にさらに伸ばすのは暑熱対策として有効ではないと思っております」
と、あれもダメ、これもダメという感じですね。まぁ①のBTC案については、仮に可能だったとしても函館までだいぶ遠いですし、栗東から東京競馬場に運ぶのと同じくらいなら近場で調整、出走できる滞在競馬のメリットが薄れてしまいますからねぇ。③も論外ですし。
②は北斗市や大沼町、函館市東部周辺、あるいは室蘭市、伊達市、登別市などから札幌までは車、函館までは船で移動、みたいな運用ができれば面白いけどなぁ笑 まぁ土地の確保が現実的ではないとか天下のJRAがアホなこと言ってますが、その気になれば大規模投資はできるでしょ。
だって東日本大震災の時の義援金でいくら出しました?コロナ対策への支援でいくら出しました?私が押さえているだけでも、東日本大震災で約57億円、新型コロナで約146億円、その他被災地支援で約3億円、災害等の支援に合計200億円以上を拠出しているんですよ?それでJRAの屋台骨が危うくなりました?そんなこと無いですよね。だからやる気があれば大規模投資は可能ですし、大規模投資をする勇気がないだけの話ではないでしょうか。
④に関しては、現在北海道シリーズは13節26日で行われていますが、2011年までは16節32日で行われており、6月中旬から10月頭まで開催していました。拡充できるできないで言えば、できます。しかし、それが暑熱対策という観点からは有効ではないというのがJRAの判断なのでしょう。
ただ、それは詭弁ですよね。どこをどう考えたって8月より9月の方が涼しいですから、有効でないハズがないのですよ。JRAからすれば、2012年以降、北海道開催を縮小し続け、その分を3日開催などを利用して東京や京都といった中央四場、いわゆる本場に振り替えたわけです。そっちの方が儲かりますからねぇ。
本気で暑熱対策をするのであれば2011年以前のように、北海道シリーズを16節32日で行うべきでしょう。その分、3日開催ができなくなりますが、それによる減少した売上はJRAの売上全体から見れば微々たるものでしょうし、変則日程も減ってJRA関係者の働き方改革にも繋がります。
だから詭弁だと言うのですよ。2場開催ができなくても、開催期間をズラすなど暑熱対策はできるのに「有効ではない」の一言でぶった切って終わりなんですから。売上が減らない程度の対策でなければ認めないのでしょうか。
■ナイター競馬の導入
また、ナイター開催の話も少し出ましたね。こちらも現実的ではないの一言で終わりましたが。
同じく総合企画担当の植木聡理事によれば「暑熱対策を考えるにあたって、まずナイター開催から検討をスタートしましたが、大きなハードルがあります」とのことで、それは
①馬主や関係者、マスコミに移動や輸送、滞在の面で大きな身体的、金銭的負担を強いること
②ウインズ、パークウインズ等の施設で土日夜間における近隣住民の理解を得ることが困難であること
③地方競馬への影響面の考慮
④開催に必要な人員の確保が困難なこと
ですって。最も大きな理由は②と③でしょう。これはどうにもできないですからねぇ。特に近隣住民は自身の生活に直結する問題ですし、コロナ禍で開催した時だって相当文句言ってましたから、簡単にうんとは言えないのは理解できます。そうした理由から、早朝開催も現実的でないと判断されていますし、②が解決できなければ、他が解決できても実行できませんから、現状の18時半までが落しどころなのでしょうね。
3.重賞の変更
■暑熱対策による開催時期の変更
重賞の変更については、まず宝塚記念の2週前倒しが驚きのポイントです。理由としては「暑熱および梅雨の影響で競走馬の暑熱順化が進まないこと、秋に向けた疲労回復などがレース回避の要因となっていることを受け、有力馬が出走しやすい環境を整える」ということであり、JRAの木村幸樹番組企画室企画課長は「ファン投票でお客さまのご期待に添えないといけない競走。おおむね昔の時期になるが、安田記念の翌週が今のところ最適な配置だろうという判断」なんですって。
宝塚記念は1984年から95年までは6月中旬、96年から99年までは7月中旬、2000年以降は6月下旬に固定されており、大昔に戻った形になり、普通に考えれば有力馬の回避を嫌ったということになるでしょうか。確かに梅雨の重馬場などでは、アーモンドアイのような東京専用馬は出てこれないですからね。
ただ、宝塚記念は2000年以降の25回のうち、馬場が渋ったのは9回なので、言うほど悪いわけじゃないですし、多少は仕方ないのではという印象もあります。疲労回復云々は、宝塚記念から天皇賞・秋に直行している馬もいますし、言い訳かなと。ファン投票が出走馬に反映されない方が盛り上がりに欠けるのでJRAとしては痛いのでは?
ちなみに植木聡理事によれば「お客さま、関係者のご理解、ご協力のおかげもございまして、円滑な開催運営を大きく妨げる要素はなかったのでないかと考えております。今後につきましては、人馬の安全確保と円滑な競馬施行の両立を図るということを本来の趣旨といたしまして、お客さま、関係者からのご意見をお聞きした上で可能な限り改善に努めていきたいです」とのことなので、お役所仕事の無難な発言ではあるものの、しっかりと意見していきたいですね笑
■中距離重賞の開催時期の変更
そして宝塚記念の開催時期変更に伴い、中距離路線の日程も変更されています。まず、2000年以降、一度だけ5月31日に行われた以外は全て6月中旬に行われていたエプソムCは、開催時期をひと月前倒し、5月中旬に行われることになりました。GⅢ昇格後に勝ち馬がGⅠ馬になったのはマーベラスサンデー、エイシンデピュティ、エイシンヒカリの3頭のみであるGⅠに繋がらないマイナー重賞でしたが、この変更で宝塚記念まで中4週、なんなら安田記念まで中3週という条件となり、GⅠに繋がる可能性が出てきましたね。特に東京大好きな関係者からすれば、宝塚記念よりも安田記念の前哨戦として使いそうな雰囲気があります。
逆に新潟大賞典は1週繰下げた形となりました。宝塚記念まで中3週のハンデ戦が本番に繋がるかは微妙ですよねぇ。距離的にはこちらを中4週にした方が良いと思いますが、エプソムCを2つのGⅠの前哨戦にするため優先された関係で弾かれた感じです。
また、チャレンジCと鳴尾記念も宝塚記念の開催時期変更に伴って時期を変更とされていますが、ぶっちゃけあんま関係ないよね?鳴尾記念は分かります。宝塚記念まで中2週の前哨戦でしたから、そのままなら宝塚記念の前週に施行されることになりますし、元々12月に施行していたので変更しても大きな影響はないのでしょう。ただ、そうなるとチャレンジCと被るので、それは依然行われていた9月にスライドさせた、という感じでしょうか。9月はGⅢの中距離路線は選択肢が少なく、新潟記念後は福島記念まで約2ヶ月も空いてしまうのでGⅠに足りないOP馬には助かります。
でもさぁ・・やっぱりこの2つの重賞は不遇ですよね。施行条件がコロコロ変わり過ぎてて、歴史・文化・伝統を重んじる競馬においては格が備わらないなぁと思ってしまいます。チャレンジCは1984年から2011年までは9月開催、それ以降は12月開催で、距離は2400から始まって2000と1800を行ったり来たり、別定戦だったりハンデ戦だったりとまぁ忙しいこと。
鳴尾記念はもともとGⅡでしたが、2000年に3例しかない降格でGⅢになったレースで、1984年から1986年は3月、1987年から1996年は12月、1997から1999年は6月、2000年から2011年は12月、2012年から現在まで6月と幾度も開催時期を変更されています。さらに負担重量はハンデ戦で始まってから別定→ハンデ→別定→ハンデ→別定と変遷しており、距離も1800~2500を10年前後で変えながら施行されるという、重賞に必要な継続性を持っていないレースとして有名です。こういう事は競馬の本質が蔑ろにする行為ではないでしょうかJRAさん。
■GⅠ前哨戦の開催時期の変更
GⅠの前哨戦、いわゆるトライアル戦についても、近年の出走動向の変化を踏まえ、本番との間隔を広げる目的で開催時期の見直しが行われました。先の宝塚記念の開催時期変更に伴う中距離重賞の開催時期の変更もあって、例年より変更点が目立つことになってますねぇ。
①3歳戦
・1週前倒しの競走
チューリップ賞、フィリーズレビュー、スプリングS、青葉賞、プリンシパルS
・2週前倒しの競走
アーリントンカップ(2025年からチャーチルダウンズカップ)
紫苑SやローズS、セントライト記念、神戸新聞杯などは、例年通り9月の秋競馬の2~3週目に組み込まれています。1週前倒ししたからどうなんだって話はもちろんありますが、近年はGⅠからGⅠ、前哨戦は2ヶ月前とかザラですからねぇ。有効な手段になるとは思えませんが、さてどう変化するのやら。
アーリントンCは、姉妹提携を結んでいたアーリントン競馬場が閉鎖されたことに伴い、新たにチャーチルダウンズ競馬場と姉妹提携を結んだことから名称変更となったそうです。長年、親しまれてきたレース名でしたが、これは仕方ない。今までありがとうございました。
②短距離路線
短距離路線でも変更があり、施行競馬場が変わるレースもあります。
・1週前倒しの競走
阪急杯、オーシャンS
・2週前倒しの競走
京王杯SC、スワンS
まず、阪急杯が1週前倒しになりました。もともと春競馬の開幕週に組み込まれていましたが、1週前倒しになったことで年初競馬に組み込まれ、開催競馬場も阪神から京都へ変更されます。1週空ければいいだろって感じの安易な変更に見えますねぇ。オーシャンSは開幕週へ移動しますので、傾向が変わるかもしれません。
京王杯SCは安田記念の前哨戦ですが、本番まで中2週でしたので、この変更は良いですね。開幕2週目で、かつ新緑の季節ですから、絶好の馬場でしょう。レコードがバンバン出そうな雰囲気があります。スワンSは形の上では2週前倒しですが、秋競馬が一節増えていますので実質3週前倒しとなり、本番まで中2週から中5週と大幅に増えました。かなり本番に繋がりそうな変更ですね。ただ、スプリンターズS組は中3週だったのが中1週まで減ってしまうので、そっち路線からの参戦は少なそう。サマーマイルシリーズからの参戦を期待しているのかな。なお、富士Sは開幕3週目で変わりありません。
③牝馬路線
牝馬路線は整備が必要だと言われてきましたが、ずいぶんとアホな変更をしています。このGⅠ前哨戦の開催時期の変更については、福島牝馬Sを1週前倒しにしただけで、そこまで大きな変更ではありません。それ以外の変更は後述しますが、まぁ色々不満があります。
■開催日割の変更に伴う各路線の変更
開催日割の変更に伴い、様々な重賞がその施行条件を変更しています。
①マイル路線の変更
マイル路線については、新設重賞と大きな諸条件の変更があります。まず、リステッドだった米子Sが新設重賞として申請するそうで、ほぼ重賞に格上げされるでしょう。昨年のレーティングは109.25と、GⅡに手が届きそうなくらいの数字を叩き出しており、過去3年の平均レーティングは107.25とGⅢの要件を悠々と超えています。この数字なら、サマーマイルシリーズ唯一のリステッド競走を重賞に昇格させるのは当然の選択ですね。
なお、他にもレーティングが高いリステッド競走がありまして、例えば白富士S(3年平均109.50)とか、安土城S(同107.08)とか、すみれS(同106.67)とか、若葉S(同106.92)とか、アイビーS(同106.08)とかですね。特に、白富士Sや若葉SなどはGⅡも狙えるくらいですし、アイビーSにいたってはGⅠ昇格基準を超えているんですが・・・まぁ2歳戦はなかなか難しいです。昇格してもすぐに降格とかなったら恥ですし。
あと、競走名を米子Sから「しらさぎS」に変更するそうですが、これは頂けません。何考えてんのさJRAはよ。後述する牝馬路線でもそうですが、レース名をコロコロ変えるのは良くないですし、それが長く継続されてきたレースであればファンも愛着があるため反発がありますし、何より歴史・文化・伝統という競馬の本質から外れる行為なんですよ。なぜ競走名を変えなければいけないのか、納得いく説明をしてもらえるのでしょうか。競馬記者は、そういうところを突っ込んで聞かなければジャーナリスト失格ですよ。
次に、サマーマイルシリーズにも手を加えられました。関屋記念は2週前倒しの上、ハンデ戦に変更され、中京記念は小倉と中京の開催日割の入れ替えに伴う変更で、ひと月繰り下げた上でハンデ戦から別定戦に変わります。
関屋記念はずっと夏の本番の時期に施行されていたため、わずか2週間とは言え違和感がありますし、何よりハンデ戦へ移行とかデータ派にケンカ売ってんのかって思いますね。おそらく、中京記念との入れ替えで条件も変更しちまおうとか思ったんでしょうが、結局、2つのレースが入れ替わっただけなんだから、そこイジる必要なくね?と思うのですが。
どうせJRAのことだからさ、関屋記念をハンデ戦にしたせいで、新潟競馬場の古馬重賞4つのうちアイビスサマーダッシュを除いた3つがハンデ戦になるのはマズイってんで新潟記念を別定戦に変えたんだろ。ふざけんなよ。関屋記念は1番人気が堅い銀行レースで、ヒモがそこそこ荒れる良いレースだったし、新潟記念はハンデ戦らしく荒れに荒れるレースでどこ買っても面白かったのに、全部台無しだよ。どうすんのさ来年の関屋記念は。今年みたいに複勝1点ガツンで儲けさせてくれよ。今から変更したっていいんだぞJRA。なぁ聞いてるかJRA。
中京記念は2012年からマイルへ距離変更し、阪神や小倉で4回施行していますので、データ的には全く数が足りず、何でもいいです笑 少ないデータで見てもまぁ人気馬が来ない来ない、中途半端に荒れるレースなんですが、ひと月も開催時期を遅らせたら、また一からデータの集め直しかなぁ。なお、京成杯AHは開幕週で変わりありません。
②スプリント路線の変更
スプリント路線は、中京記念同様にCBC賞が開催時期をひと月半繰り下げています。鳴尾記念と並ぶGⅢに降格経験のある重賞ですが、2006年に12月から6月に開催時期を変更し、2012年から7月に変更、さらに途中で5回も開催競馬場を変えているので、データ派でも手が出せないレースです。だから見逃せます笑
キーンランドCについては、1週前倒しになっているように見えて、実は函館の開幕が1週繰り下がった分なので、日付的には8月下旬に固定され変更はありません。セントウルSも開幕週で変更なしです。
③その他、ローテーションの整備による変更(中距離路線)
それからローテーションの整備名目で変更が多数あります。まず、函館記念は函館開催最終週の締めを任されていましたが、開幕3週目に移動しました。サマー2000シリーズで七夕賞の翌週だったので、間隔を空けたかったのでしょうか。七夕賞と中1週になったものの、空いた場所になぜか小倉記念が入ってしまったので、詰まりは解消されませんねぇ。
その小倉記念は3週前倒しとなっていますが、これは日割変更をモロに被った結果です。札幌記念はキーンランドC同様、函館の開幕が繰り下がった関係で1週繰下げかと思いきや日付的には変わらない変更です。
で、新潟記念ですよ。変わらず夏の新潟最終週に組み込まれたのはいいですが、なんだよ別定戦って。関屋記念のトコでも書いたけどさ、新潟記念はハンデ戦らしい荒れるレースなんだよ。夏競馬の負けを取り戻せる最後の大勝負なんだよ。それが別定戦だと?ふざけんなよJRA。
どうせ秋競馬に向かう有力な中距離3歳馬のために別定戦にしたんだろ。ブラストワンピースのような馬も居れば、フェーングロッテンのようにコケる馬も居るけど、別定戦になることで秋華賞や天皇賞・秋、香港に向かいやすくなるんだろうな。左回りの大きな競馬場を使えるなら、札幌記念じゃなくてもいいわけだし。まったくどうしてくれんだよ・・・
④その他、ローテーションの整備による変更(牝馬路線)
牝馬路線については、年初の愛知杯が名称変更し、小倉牝馬Sになりました。例年は中京→小倉の順でしたが、それが小倉→小倉に変わるのかな。発表された2025年の日割では、阪神競馬場の改修工事に伴い、1月の関西地区は玉突きで中京競馬になっており、おそらく夏に休止していた関西地区の2節4日分を戻した残りを小倉のみで行う形になるでしょう。そんな関係から開催時期は2週繰下げとなっています。
それから、あぁ~愛知杯無くなっちゃったかぁ~とか思っていたら春競馬でサラッと復活しているのウケます。何でも京都牝馬Sを中京に移し、名称を変更したそうで、本場ほどではないが、ローカルほどでもない中京競馬場の重賞が減るのを嫌ったのかもしれませんが、ホント何でそうなった?
名称変更して開催競馬場も変更して、このレースは愛知杯ですって言われてもさぁ・・・愛着とかの話じゃなくて、実質的に新設重賞じゃん。ペガサスワールドカップも同じことして、いきなりGⅠからスタートしてたけど、なんでそういうことすんのJRAさん。2月の牝馬重賞は0になったし、ここから中7週でヴィクトリアM行けってか?マイラーが迷うよな。1週前倒しされた1800の中山牝馬Sにするか、2週後の1400の愛知杯か。
まぁ正真正銘、京都牝馬Sは廃止となり、こちらは残念です。1986年に重賞に昇格してから京都1600で連綿と紡がれてきたレースでしたが、2016年に開催時期をひと月繰下げられた挙句、後から春に移動してきた阪神牝馬Sの距離変更の煽りを受けて距離を入れ替えられ、10年持たずに廃止ですよ。なんて悲しい最後・・こんなんで歴史が作れるのでしょうか。
そうやってガッカリしてたら府中牝馬Sも無くなるんだって。こちらは2017年にアイルランドとの外交樹立60周年を記念し、正式名称を「アイルランドトロフィー府中牝馬S」に変更していましたが、なんと今回の変更で府中牝馬Sの方を外して「アイルランドトロフィー」にするんですよ。もうホント馬鹿じゃないのJRA。逆だろ逆。
1953年に始まり、グレード制導入時からGⅢで、府中牝馬Sの名を付けてから30年以上経つ伝統と実績のレースなのに、どうして付けてから10年も経っていない方の名称を残すかなぁ~ いちょうSの名称をサウジアラビアRCに変えた辺りからレース名について軽く考えすぎじゃない???
で、外した府中牝馬Sはさすがに伝統と実績のある名称だからって、1996年に新設されたマーメイドSと名称だけ入れ替えるって荒業を披露してるのですが、その場しのぎというか何と言うか・・・玉突きで遊んでんの??府中牝馬Sに改称するなら当然阪神じゃできず、開催時期や負担重量などはそのまま距離を1800にして府中に持ってくるってことですが・・・それアイルランドトロフィーじゃダメなの?
2000超の牝馬重賞は全部で8つ、内古馬重賞は3つありますが、府中牝馬Sは1800ってイメージがあるせいか距離変更されたもんで、貴重な牝馬の中距離重賞が無くなったのは問題でしょう。ひと月前にヴィクトリアMやってるんだから、似たような距離にすんなよ。というか宝塚記念と時期が被るから、いっそ重賞を1つ失った京都で、春の開幕週あたりに2000でやればバランスが良いんじゃないの?2000なら、ヴィクトリアMでも安田記念でも宝塚記念でも狙えるんだからさ。
⑤その他、ローテーションの整備による変更(ダート路線)
ダート路線も結構ふざけた変更してますね。東海SとプロキオンSの名称交換とかふざけるにも程があるでしょう。確かに前プロキオンSは、冬の大三角の一つ、プロキオンの名を冠したレースなのに春競馬で施行している謎がありますし、1996年新設で歴史が浅く、変更を重ねてきた重賞ではあるものの、「ちょうど良いところにあった」とばかりに名称を奪われていいのでしょうか。
前東海Sもそうです。1984年にウインターステークスとして新設され、多少の名称変更、やむを得ない距離変更はあったものの、同条件で歴史を紡いできた伝統の一戦ですが、そんな簡単に名称を奪われていいレースではありません。
こういうレース名にリスペクトの欠片もない行為をするのがJRAなんですか?ほんならジャパンCがロンジン賞になる可能性もありますかね?あんたらやってる事ってそういうことですよ。とっとと弥生賞からディープインパクト記念を外せよな。
まぁそうは言っても名称変更だけなんで、実質的には前東海Sと前プロキオンSとほぼ変わっていません。格付けも施行条件もそのままですし、前東海S(NEXTプロキオンS)は1月の4週目で変わらず、前プロキオンS(NEXT東海S)は開催日割の変更に伴い、3週繰下げて夏の中京開幕週に組み込まれました。名称だけ入れ替えるとか、ホント後から調べるのにすげぇ面倒だから止めて下さい。今からでも止めて下さい。イヤッとホントにマジで。同じ中京で施行するんだから変えなくていいだろJRA。
あとシリウスSは変わらずスプリンターズSと同週で、変更なしです。
⑥その他、ローテーションの整備による変更(2歳戦)
2歳でも開催日割の変更に伴う変更があり、なんと小倉2歳Sが中京に移動し、名称も中京2歳Sに変更され、距離も1400となりました。だからこれ実質的に新設重賞でしょ。今まで小倉2歳Sが紡いできた歴史・文化・伝統を粉微塵にして下水に流すような所業ですよ。
米子Sしかり、府中牝馬Sしかり、プロキオンS、東海Sしかり、『長く同条件を継承し、それを紡いで格を育て、その格をもって大レースと成す』、これが競馬の本質、歴史・文化・伝統でしょう。それをこうもあっさりと壊しますか。何度も繰り返すようで申し訳ないのですが、何やってんだJRAは。
確かに小倉2歳Sを残すなら函館2歳Sと同週、または1週前しかなく、函館同様、7月で年度の開催終了となるため、他に移しようがないのも分かります。距離を1400にすれば夏の2歳重賞は1200~1800まで綺麗に分かれますし、新馬勝ちが揃ってきたところで重賞を行うのは、後のレーティング作業にも良い影響を与えるでしょう。
それでも小倉2歳Sを廃止するほどの理由じゃないんだよなぁ。私なら年初競馬に移設して、小倉3歳Sとして3歳スプリント路線の整備に使うわ。小倉3歳S→ファルコンS→葵Sなら、ちょうど良い間隔で施行できるだろうに。もしかして、これがあったから減少した小倉重賞を補うために愛知杯を小倉牝馬Sにしたのか?だとしたらホントに玉突きじゃん。ちょっとどころか、かなり考えが足りないんじゃないかなぁと思ってしまいます。
あとは特に大きな変更は無く、開催日もほぼ例年通りになっています。節が変わらなければ大した変化じゃないからね。阪神競馬場の改修工事の関係の変更は一時的なものだからスルー。年末年始や3場開催に関係する分もスルー。
4.まとめ
長くなるとは思いましたが、いやぁ~長かった。言いたいことをまとめるとJRA何やってんだ?!?!?!になります笑 だってしょうがないですよね。そうとしか言いようがないんですもん。これだけの変更を阪神競馬場の改修工事で変則開催を実施しているタイミングでブッ込んでくるんだから、JRAもやいのやいのと言われたくないのでしょう。
にしても開催日割を見ていると、ホントに中央四場(本場)の日数は増えましたよね。もう番組表が違いすぎて昔の競馬ゲームとかできないんじゃないかな。それは仕方ないと割り切ったにしても、重賞レースの歴史・文化・伝統を蔑ろにする変更とかは許せませんよね。
連綿と続く施行条件を守り、育てることで格が備わり、それが重賞と呼ばれ、その行きつく先がGⅠレースだからね?分かってるJRA?名称変更だけする行為どうかと思うけど、それプラス開催競馬場、距離の変更なんて格付けだけ奪った実質的な新設重賞なんだよ?分かってるJRA?それできるなら、フェブラリーSだって名前変更して、開催競馬場変えて、5月くらいに移設したっていいじゃないか。どうせサウジやドバイに有力馬盗られるんだからさ。
まぁともかく、自民党の総裁選もあり、何とも嫌な気持ちになった一週間でした。なぜって・・そりゃデータ派にとって何より重要なデータぶち壊されてんだから怒って当然でしょ。OP競走とかリステッド競走なら分かるし、我慢するけど、重賞をここまで変更されたらダメだわ。さぁ文句言うか。直接文句言うか。かかってこい鈴木君。
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