女性騎手に減量特典は必要?

まず、この手の話題(藤田菜七子関連)を取り扱う前に言っておきたいのが、私はあくまで私個人の意見を主張しているだけで、それを他人に押し付ける事も、それをもって当該騎手を貶す意思もないという事を理解頂きたいところです。詳しくはnoteを始めた経緯をご覧頂きたいのですが、近年は特に『自分の考えに合わない人を口汚く貶す』人が多く、言論の自由どこ言った?と思う事もしばしばなので、本当に嫌な内容なら見るのを遠慮して頂きたいとさえ思います。まぁ『嫌なら見るな』に噛み付く人もいるにはいるんですが…

さて、本題。女性騎手に関する減量特典は必要なのか?という疑問について、様々な意見があります。例えば、こんな感じで。

・欧州や地方では施行されている
・平場に限定しているかいい
・新人も同じだから影響は少ない
・牝馬の2キロ減の方がおかしい
・藤田が勝ちまくればかつての武さんのようにルールが変わる
・特別戦になると勝てないから減量の影響は大きい
・体力的な問題なら年配騎手にも適用しろ
・JRAが女性騎手を増やす目的だから

まぁ人の意見は十人十色、様々あって結構ですし、こうした意見からより良いものを探していくのが議論なんですが、私がこの制度を聞いて最初に思ったのが、『男女差別じゃね?』という点です。

そもそも差別とは悪意を持って行われ、一方に対して避け様のない不利益を被らせる事なんですが、男女が同一条件で行われるスポーツにおいて、性別という基本的に変えようのない点を基に一方が不利益を被っている事は、悪意は無くても差別なんじゃないかなぁとぼんやり思いました。

導入の理由も伝え聞くところによると『女性の方が体力面でハンデがあるから』という事でしたが、これも理由としては弱いなぁと思いました。新人騎手に減量特典を与えるのとは意味合いが違うわけですし、ほんなら40~50の年配騎手もハンデ必要やろ?と思うわけです。

また、欧州や地方で同じような制度があるという点も、いやっここは日本だしと思ってしまうんですよね。何でも海外の真似すりゃいいってもんじゃないし、それ言うならゲートボーイとかスクラッチとかもっと導入してほしい制度あるし、やっぱり日本競馬を施行するにあたって必要な制度なら導入目的をしっかりと説明するべきだと思います。

とは言うものの、JRAが女性騎手の増加を見込んで制度化したって点を悪いとは言いづらいのも確かなんですよ。かつていた女性騎手も容姿でチヤホヤされた人もいましたが、基本的には騎乗馬に恵まれず、男社会、村社会の競馬会で爪弾きのような扱いをされていたと記憶しており、ほんなら女性騎手が騎乗できるような環境を整えようって方策は決して間違ってません。

では、なぜこの制度に賛否両論起こるのかというと、それは藤田が中途半端に勝っているからですね。11月10日現在の成績は41勝でリーディング26位と4年目にしてはなかなかの数字です。しかし、特別戦の勝ち星はわずかに2勝、トータルでも5勝で重賞は未勝利です。これだけを見ると平場でしか勝てないとイメージするのも無理はありません。成績は同期の坂井瑠星、木幡巧也、荻野極あたりと比べても以下のとおりで、勝ち星では抜けているものの、特別戦では正反対の結果となっています。これでは減量特典というハンデがあるから勝てているという意味になってしまいます。

坂井 25勝 勝率0.061 3着内率0.192 特別戦5勝(合計15勝)重賞2勝
木幡 22勝 勝率0.040 3着内率0.157 特別戦3勝(合計13勝)重賞1勝
荻野 16勝 勝率0.042 3着内率0.156 特別戦3勝(合計15勝)重賞未勝利
藤田 41勝 勝率0.067 3着内率0.184 特別戦2勝(合計 5勝)重賞未勝利

つまり、女性騎手として恩恵を受けている平場でしか勝てない=減量特典が無ければ勝てないという図式になり、それって公正競馬なの?という疑問に辿り着くわけですね。『減量特典が無ければ勝てないのだから、女性騎手を増やしたいJRAが減量特典を導入する』のは理解できるものの、それが公正ではないと考える人も一定数おり、さらに『永年』減量が続くという点もインパクトが大きいのではないでしょうか。

そう考えると、女性騎手の永年2キロ減というのはやりすぎと考えられるわけで、せめて100~200勝までとか、25歳以下に限定とか、何らかの制限はあって良いのかなと思います。逆に藤田が毎年重賞を勝つとか、50勝前後でかつ特別戦10勝前後とかであれば減量特典の影響は大きくないと判断できるのではないでしょうか。まぁどちらにしろ藤田本人の一層の努力を期待したいところです。我等が野中君の大きな壁になってほしいですね。


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