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騎手の成績 2024年7月

夏競馬が始まって最初の開催が終了しましたが、なかなか楽しくありません。馬券が当たらず、開催替わりという点があるにせよ、レースが面白くないんですよね。騎手も何か面白いことがあるかと言えば・・・何があったかなぁ?という程度。ただ、休みが多かったのは良い傾向だと思います。


■7月期リーディング&通算リーディング

下期最初の騎手の成績を見ていきましょう。ルメールがひと月お休み、川田も2週間休みとトップ二人の不在でどう変わったのかと言えば、順当に3番手の戸崎がトップを獲りました。次いで川田不在の小倉に陣取った松山が入り、それに続くのが宝塚記念でGⅠジョッキーの仲間入りを果たした菅原が入りました。あとは久々に北村友の名前を上位で見かけました。大怪我の後はなかなか勝ち星に恵まれませんでしたが、復活はあるのでしょうか。


通算リーディングを見ると、トップ2人を除いて7月期リーディングを獲った戸崎が3位を堅守しました。ただ、2着が非常に多いです。2着が二桁でも多いなぁと思うのに17回ですからね。七夕賞を勝てたのは良かったですが、今年は2着が多い印象を受けます。


4位の坂井瑠星も2着が多いですね。新馬や未勝利で勝ちきれないのは何か理由があるのでしょうか。というか人気馬における重賞でも勝ちきれないのを見ると、まだまだトップ騎手とは差があるように思います。


5位の松山は15勝で7月期同率2位となりましたが、面白いのが3着内率が5割を超えているんですよね。松山は多く乗って多く勝つタイプの騎手なんで、3着内率は3割前後がデフォなのに5割ですよ?川田不在効果ですかね。


11位の佐々木は、今年3回目の二桁勝利ですが、落差が激しいですよね。怪我で離脱したのは仕方ないにせよ、1月期から1勝、11勝、0勝、4勝、10勝、4勝、10勝ですから、なかなか信用しきれません。昨年は函館リーディングを獲った7月以降は勢いを維持できず、TOP10に入ることはできませんでしたが、今年は8月以降どうなるか。


13位の菅原は昨年の6月以来となる2桁勝利を挙げました。良い騎手だと思うのですが、なかなか殻が剥けない感じでヤキモキしていましたが、67回中37回が有力馬ということで、GⅠを勝ったご祝儀で良い馬を回して貰えたのかなぁと思います。今年の最高勝利数がひと月5勝でしたし、夏競馬が飛躍になればいいのですが、今週から2週間休養なんだよなぁ。


■重賞成績

7月期も重賞数が少ない上に、上位2人の休養があったので大きな変化らしいものはありませんでしたが、トップを獲ったのは戸崎でした。数字だけ見たらルメールとほぼ変わりません。さすがに川田と比べるのは酷ですが、馬券的には有能な騎手なんです。数字だけは。

2番手には10鞍に到達した横山武がランクインです。こちらもルメールと同程度がそれ以上の数字を残していますが、今年は大人し目ですよねぇ。昨年は7-5-6-9でしたから数字の上では変わらないものの、数が違いますからソールオリエンスで失った信頼を取り戻せていないのでしょうか。

6位に武豊が入りましたが、3着内率0.400と期待を多く裏切っているのが分かります。有力馬に乗ってしっかり勝てるのが強みなんですが、エコロヴァルツやボンドガールといった3歳馬の好成績を挙げた直後のレースとか、ドウデュースやナミュールといった噛み合わないレースなどが足を引っ張っている感じがしますね。見たいのはこういう武豊じゃないんだよなぁ。頑張って欲しい。


■記録

戸崎   『第2回福島リーディング(15勝)』
松山   『第3回小倉リーディング(13勝)』
横山武  『函館リーディング(13勝)』※2年振り4回目
佐々木  『重賞初勝利』
永島   『JRA通算100勝』
猛蔵   『JRA通算100勝』

横山武が昨年、佐々木に奪われた函館リーディングを獲り返しました。北海道は武史の庭なんでしょうね。その佐々木は函館2歳Sでサトノカルナバルに騎乗し、重賞初制覇を達成。武史の好きにはさせないという構図は好きです。

それから永島と猛蔵の同期はともに通算100勝を達成しました。同日の達成でしたが、永島の方がちょっと早かったですね。ただ、猛蔵はメインを勝っての達成でしたので貫録があります。話題では永島が前面に出るのは仕方ないにせよ、猛蔵は怪我で休養があったものの、もっと活躍しそうな雰囲気はありますし、話題になっても良さそうな感じなんですがねぇ。西塚よりよっぽど好感が持てますよ。夏競馬の間にサクッと重賞勝ったりしませんかね笑


■騎乗停止等

池添   6月25日、調整ルームでの粗暴行為により、
     6月28日から7月7日まで騎乗停止
富田暁  6月25日、同上により6月29~30日の騎乗停止
高杉   7月17日、新幹線に乗り遅れ盛岡競馬の前検量に間に合わず、
     7月21、22日の騎乗停止
水沼   7月10日、通信機器不正利用により翌年2月末まで騎乗停止


先月でも取り上げた池添、富田暁の騎乗停止はまぁしゃあない。両者が加害者被害者だから、両者とも反省しなさいで十分。体操の五輪選手の出場辞退とかも、そこまでするか?と思う部分があるものの、税金から強化費払われているなら反省しなさいで出場させるのはどうかと思うし・・まぁ反省しろで済むのが一番です。

高杉は新幹線に乗り遅れて遅刻というチョンボだったそうで、新人なんだから誰か「新幹線が出るのは新函館北斗だからな、函館駅じゃねぇぞ」ってアドバイスしてやれよって思います笑


■その他

休養している騎手について。今月は、

ルメール 毎年恒例の夏休み
川田   身体からサインが出たとかで7月13~21日の2週間休養
菅原   急性虫垂炎の再発防止の手術のため7月27日から2週間休養
津村   鎖骨のプレート除去手術のため7月20日から3週間の休養
小林美  落馬負傷による左肩脱臼骨折の手術を7月1日にして全治未定
斎藤新  先月の軽度の鎖骨骨折から6月30日に早期復帰したものの、
     同日に再び右肩の負傷と診断され出術し全治1~2ヵ月

といった具合にケガや出術での休養が多かったですね。特に今月は重賞や、後に大きなレースに繋がるであろうレースも少ないことから狙って休む人が多いですね。これは悪い意味ではなく、よく考えて決断したな、と褒めたいくらいです。

できればルメールのように休養を取ると宣言する騎手が増えて欲しいと思いますが、騎乗しなければ稼げませんので、開催しているのに休むのはなかなか勇気がいります。

しかし、昨今の夏競馬は暑さも厳しく、暑熱対策をしてればいいだろというJRAの姿勢は人命だけでなく、馬命も軽んじているように見えます。ただでさえ湿度がある不快な暑さですから、今週から始まる昼休みの拡大策に効果が見込めないのであれば、本格的に夏季の開催中止、他開催への振り分けを検討した方が良いと思いますね。昔と比べて最高気温はそう変化はしていないものの、猛暑日の数を比べると圧倒的に現代の方が多いそうですし、ローカル開催をローカル開催に移しても2場開催が減って、売上も微減なら暑熱対策としては御の字でしょう。

下手に毎週開催にこだわらず、人にも馬にもレース以外で命の危険がない競馬であってほしいと思います。


最後に、小牧太騎手がJRA騎手免許を返納し、地方競馬に復帰するそうです。地方は8月1日付で免許が交付されるためJRAでは7月末までとなるそうですが、今週は乗らないそうなので、先週がJRA騎手として最後の騎乗となりました。まさか今年未勝利なのに12番人気の馬を勝たせるとか、競馬村の恐ろしさが垣間見えます。園田ではまだまだ有名人ですし、そこでまた活躍してJRAに殴り込みとかしたら面白いですね。


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