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騎手の成績 2021年7月

昨年と比べて比較的穏やかな天候で行われた7月の福島・小倉開催が終了しました。五輪仕様の変則開催なので、来週から新潟、函館の2場開催が3週間、その後、新潟、小倉、札幌の3場開催が一開催続きます。

以前、チラッと述べましたが、熱中症対策として2場開催にするならむしろ開催を止めろと言いたいですね。確かに夏の小倉は暑い。平均気温は34度前後あり、馬も騎手もキツイ条件で競馬をしています。しかし、新潟も札幌もそれなりに暑く、日中は30度前後の日もあります。五輪関係の理由もあるとはいえ、本気で熱中症対策をするのであれば、7月下旬から8月下旬にかけて開催を休止にするべきです。

暑さで最も厳しいのは、だいたい梅雨明けからお盆までです。お盆を過ぎれば体も暑さに慣れますし、後は残暑との戦いですから。休止中は騎手も関係者も休暇が取れますし、競走馬もそこを見越して休養を設定する事ができます。1ヶ月が厳しいなら、せめてお盆前後の2週間を休止にしても良いでしょう。

または、新潟、小倉開催を函館、札幌に振り分ける方法もあります。つまり新潟、小倉を休止して、函館、札幌の2場開催にしてしまえば良いのです。減った分は9月に第3場で行えばいいでしょう。

7/24,25  新潟 ⇒ 同日の札幌へ振り替え
7/31,8/1 新潟 ⇒ 同日の札幌へ振り替え
8/7,8   新潟 ⇒ 同日の札幌へ振り替え
8/14,15  新潟 ⇒ 9/11,12で第3場開催
8/14,15  小倉 ⇒ 同日の函館へ振り替え

これで7/24,25から8/14,15までの4週8日間は北海道開催のみとなり、8/21,22からは新潟、小倉、札幌の3場開催が3週間続きます。9/11,12の週から秋競馬に入りますが、新潟だけ第3場で1週だけ開催するので、数字的には夏の新潟の半分が札幌の移行した形ですね。なお、同期間の新潟のアイビスSD、レパードS、関屋記念、新潟JSについては8/21以降に順次繰り下げという形で良いと思います。新潟側から反対があるなら、ヴィクトリアMを譲りますとか言えば(笑)

仮に4週が無理なら8/7,8と8/14,15の2週4日間でもいいでしょう。その場合も新潟は1週繰り下げて、新潟と小倉が1週2日間減、その分、函館と札幌が増となります。重賞はレパードSと関屋記念なので動かしやすいでしょう。現実的に考えるならこちらだと思いますが、はたしてJRAが函館、札幌の2場開催を認めるでしょうか。

せっかく北海道に2つも競馬場持ってるのに、夏に使わないなんて勿体無いと思うんですけどねぇ・・・


磐石すぎる上位陣

騎手の成績の記事なのに、なんで開催日割の話をしているのかなぁ・・分かりません。わずか3週間ではありますが、早速見ていきましょう。

1位のルメールは7-6-6-25の成績で、3着内率は0.431と結構落としました。
6月期は3着内率0.571でしたからルメールらしくないと言えます。レースを見ててもそれは感じますし、少しお疲れなのでしょうか。


2位の川田は7-4-2-12の成績で、3着内率0.520は素晴らしい数字ですが、6月期は0.708でしたからねぇ・・素晴らしいのに下がってると感じるのは不思議です。また、中京記念を制して重賞勝利数は2016年以来の12勝を記録しています。最多は2019年の15勝で、更新する可能性はかなり高いでしょう。ちなみに年間最多勝は武さんの23勝です。


3位の福永は14-9-1-20で、3着内率は0.545と川田を超えるスゴイ数字が出ました。3週間で14勝だと?!アホかコイツ!!と叫びたくなりましたねぇ。まぁこの14勝の内、新馬で5勝、2歳未勝利で1勝ですから。福永はんですよ。


4位の松山は10-7-4-35で、3着内率は0.375でした。割と誤解されますけど3着内率0.375って一流騎手レベルなんですよね。7月期までの通算でも、これを超えるのはルメール、川田、福永、ミルコの4人しか居ませんし。プロキオンSで約4ヶ月ぶりの重賞制覇が夏の起爆剤となるでしょうか。


5位の吉田隼人は5-4-1-33でした。3着内率0.232は川田の半分以下だと・・?ローカルの帝王らしくない成績ですね。ここで数字を伸ばしておかないと、またリーディング争いで大変な事になっちゃいますが・・


6位の横山武は7-6-2-29で、3着内率0.340と相変わらず淡々と同じような数字を記録しています。何気にお兄ちゃんがピタッと後ろに張り付いてるんですよね。活きの良い若手が多いですが、このまま順調に育ってくれたら十分いでしょう。


8位の横山和は5-5-1-36で、一休みといったところでしょうか。ただ順位は3ヶ月連続で上げていますし、函館記念で久々の重賞制覇を決めましたからねぇ。意外とダークホースになるかもしれません。


9位の戸崎は9-2-2-28で、3週にしては良い成績です。良い頃に近い数字まで回復してきたのは喜ばしい事ですね。春競馬は一息でしたが、七夕賞を制しましたし、さらに秋競馬に向け勢いを付けたいところです。


10位の田辺は3-5-4-19で、3着内率0.387と勝てないまでも馬券にはしっかり絡んでくれました。6月期に馬券勝負は躊躇すると言ったのは間違いでしたね。田辺さん、申し訳ありません。とか言ってたら8月期はガクンと落ちて、私のお金を寄付させるんでしょ?分かってますよ、そこまでセットですもんね。


落ち着くにはまだ時間が掛かる?

先月は落ち着いてきたように見えた11位以下ですが、今月は細々とした入れ替わりが多数あります。

11位はTOP10から落ちた岩田Jrで3勝に留まりました。5月期に12勝した勢いはどこに行ったのでしょうか。花の35期生の中で輝いていたハズなのに、同期4人に重賞を勝たれただけではなく、後輩の泉谷にも抜かれる始末。2年前にこんな予想をしたら指差して笑われたでしょう。競馬って分からないもんですね。


12位の鮫島克は岩田Jrと同じく3勝でしたが、中身が違います。CBC賞がありますから。ついに素質が開花したかと思うとお父さんは嬉しいです。初重賞を獲った昨年春からコンスタントに重賞に騎乗する機会に恵まれ、今年は至ってはGⅠに4度も騎乗して惜しい2着を経験するなど、波に乗ってきた感があります。今夏にもう一つ二つくらい重賞を獲ったら面白いですねぇ。


13位は復活のミルコです。7月期は7-4-3-19で、3着内率0.424を記録し、通算でも大台の0.400に乗せました。落ち始めた一昨年の7月期終了時点は53勝、昨年は42勝ですからまだまだ油断はできませんが、3着内率は一昨年レベルまで復活していますし、重賞も勝っています。ここ数年は秋競馬の不振が目立つため、夏競馬の内に勝ち星を積み重ねてほしいです。


14位はすこぶる順調に成長している菅原です。6月期に続き、7月期も5勝を挙げているだけではなく、今年騎乗した競馬場の内、3/13に騎乗した阪神以外の東京、中山、新潟、福島、小倉で勝利を挙げている点は非常に評価できます。11~15位までは勝利数で並んでいますし、1勝すれば一気にTOP10が見える位置なので、この夏の飛躍に期待ですね。


16位は残念な成績に終わった西村です。5月期は11位、6月期は12位と来て、7月期は16位と落としたのは馬質が原因でしょうか。7月期の2-2-2-37の内、1~3番人気はわずか8鞍しかありませんでしたからね。鮫島克や横山和に完全に置いて行かれた感があります。ここから巻き返せるでしょうか。


18位は休養後の低迷から若干上向いてきた武さんです。成績は5-5-7-20で
3着内率0.459はルメール、ミルコ、松山を超える数字なのはさすがですね。重賞では相変わらず微妙な馬で敗戦を繰り返していますが、できればもう少し勝ち星を増やしてお手馬を増やしたいところです。

19位は2月に一年のノルマを達成してしまった三浦皇成です。この勝利が今年最大の見せ場になってしまうのか、と危惧してから約5ヶ月・・・まさか本当の事になるとは思いませんでした。リーディングも4月期には12位に位置していたのに5月期に19位、6月期に18位で、今月もこの位置ですから。もう関東リーディングすら難しい立ち位置になってしまったようです。


20位はまさか先輩岩田Jrに先んじて重賞を勝った泉谷です。これは予想外でしたねぇ。函館SSでは2番人気に騎乗しながら9着と残念な結果でしたが、函館2歳Sでは好位抜け出しであっさりと重賞を勝つとは持ってるんですね。しかも勝利騎手インタビューで『重賞勝つのに少し時間が掛かってしまった』と言い放つ器のデカさよ。これは応援したくなります。

ただ、彼を応援したら武さん、浜中と、同じエージェントで3人も応援する騎手が生まれてしまう点が悩みどころです(笑)


中位以下で気になる面々

21位の和田がえらい順位下げてるのは気になります。12位からスタートした今年は、3月期から10→11→15→19→21位と下がり続けています。ただ、重賞は松山やミルコ、戸崎などと同じく3勝を挙げていますので、若手の勢いに押されただけだと良いのですが・・・


25位の浜中は5-2-2-13で3着内率0.318でしたが、これ以外と良い成績なんですよ。松山は10勝を挙げていますが3着内率0.304、川田は0.440ですが7勝、岩田Jrは0.323ですが2勝と見比べると、松山の半分しか勝ってないが馬券には多く絡んでおり天下の川田にはわずか2勝差3着内率が劣っている岩田Jrの2.5倍の勝ち星ですからね。見方を変えれば25位に居る騎手なの?と思います。


27位の池添はいつも通り北海道シリーズから本気を出します。6月期の札幌では4-3-4-15、7月期の5-2-4-32で、合計11-5-8-47で3着内率0.338はさすがですね。リーディングも一時は43位まで沈んでいましたが、徐々に上げて来て気がつけばこの位置。8月期終了時点では20位前後に居そうで怖いです。


28位の坂井瑠星は珍しく未勝利の週もありましたが、4-2-3-29とそれなりにまとめています。また函館2歳Sでは未勝利馬を3着に持ってきました。このレースも凄かったですよ。1番枠からのスタートでは隣の馬に寄せられて後方3番手から進みます。3角に入る頃には先頭から10馬身以上離れていましたが最内をインベタで回り、直線入口では先頭から約3馬身差まで詰め、そのまま狭くなった内を突き抜けて3着に入る競馬でした。

我らが野中君もそうですが、インをしっかり回って上位を狙う日本人騎手が多くなった気がします。海外武者修行組なら分かるんですが、ルメールもしょっちゅうやってますから、それを見て真似ている部分もあるのでしょうね。今後も頑張って欲しいです。


41位の猛蔵は3月にデビューしてから徐々に順位を上げてきています。3月期は80位でしたが、そこから69→49→45位と来て今月は41位。一度も下がっていません。8月期に30位台に居たら本物かもしれません。また、同期の小沢と抜きつ抜かれつの争いを続けている点も注目です。


我らが野中君は2勝を挙げる!!

いやぁ驚きです。我らが野中君が2週連続で勝利を挙げるなんて驚き以外の何物でもないですよ。両方二桁人気である点がらしいですね。芝で今年初勝利となった南相馬特別では、前述した坂井瑠星同様に後方からの競馬で3~4角をインベタで回りポッカリ空いた内を鋭く伸びて1着でゴール。しかも人気になっていたラカンやセナリストが外を回して3,5着ですから、笑いが止まりません。

まぁこの調子が続くとは思いませんが(←失礼)、夏競馬中にあと1~2勝して手応えを掴んで欲しいです。まだ応援できますが、最後の夏競馬で花火を上げている可能性もありますので、注意深く応援します。

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