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夏競馬で注目する騎手

6月期の騎手成績に載せられなかった3着内率の上昇率ですが、出馬表が発表されたので併せて見て行きましょう。

1位は予想通りこの男

3着内率の上昇率とは、【前年の3着内率と今年の3着内率を比較してどれだけ上昇しているかを示す指標】を言い、勝つだけではなく前年以上に馬券に絡む騎手を見つける指標でもあります。上期が終了した段階での1位は、多くの方が感じているように岩田Jrでした。デビュー2年目は大抵上向くもんとはいえ、昨年の0.196から0.274と0.078も伸ばしており、リーディング上位に付けるだけの事はありますね。上昇率もそうですが、0.274という数字は一般的な騎手から一流騎手の間くらいの数字ですし、夏競馬も期待できると思います。

続いて2位はリーディング29位の亀田です。昨年の0.097から0.067伸ばした0.164となかなかの数字になっています。昨年は他の新人と比べて出遅れ気味でしたが、2年目の今年はリーディング中位で踏ん張っている印象を受けますし、6月期の記事でも書いたように減量が取れた西村に替わる騎手になるかもしれません。

3位はローカルの帝王、吉田隼人です。上期終了時点の関東リーディングでありながら東京、中山で未勝利というローカル専門騎手ですが、昨年0.235から今年は0.300まで上げており、しかも2~5月期はTOP15にも入っていなかったのに6月期に急に3位に食い込むほどの活躍を見せています。ただ、夏競馬のローカル開催は有力騎手も回ってくるので、春競馬のような活躍を期待すると痛い目に合うかもしれません。

4位の団野大成は、前年0.192から0.064上げた0.256とこちらも優秀な数字を残しています。上昇率では2月期からずっと1~5位をウロウロしており、好調を維持している事が分かりますね。リーディングも11位で馬で言うと身が入ってきたような状態で、夏競馬でも楽しみな存在です。

5位はリーディング26位の菱田です。ここ5年は3着内率が0.200を超えた事はなかったのですが、今年は前年0.173から0.061上げた0.234とキャリアハイに迫る数字を記録しています。今期は勝ち星も多く、馬券を買う際は少し見方を変えた方が良さそうですね。夏競馬の注目騎手と言えるでしょう。

6位はリーディング10位の横山武です。リーディングと同様に4月期から徐々に数字を上げおり、初重賞を獲ってから勢いに乗っている状況ですね。主要騎手が不在だった函館で稼いでいたので、これからが心配になる人もいらっしゃるかもしれませんが、西村や斉藤新のようにローカルばかりで騎乗していたわけではなく、中央四場とローカルを行ったり来たりしているので、北海道でリーディング上位を相手にしても期待はできます。

7位は藤岡兄です。リーディング7位ですが、GⅠでは用無しというか、そもそも騎乗が少ないのが不満ですね。裏開催で稼ぐのは結構ですが、年初の目標はGⅠに多く騎乗する事だったはずでしょう?0.334と一流騎手並の数字なんですから、もっと重賞戦線で騎乗してほしいですね。

8位の池添は0.303と珍しく3割超えを記録していますが、例年はだいたい0.250~0.300の間で収まっているので、上期でコレなら下期の成績は悪くなるかもしれません。ただでさえ調子乗るタイプというか、ムラがあるタイプで、大きい所意外はからっきしな面もあるので、そこまで信頼できない点が難点です。

9位はリーディング48位の酒井学、10位は同46位の吉田豊でした。前者は0.170、後者は0.176、どちらも前年より0.042上げていますが、近年はこんなもんと言えばこんなもんで、例年より少し良いかなという程度。馬券の参考にするには難しい数字ですね。

ワーストはあの騎手?

反対に悪化した騎手の中でワーストは、富田暁で前年より▲0.084の0.037です。まぁ海外遠征していたしコレは仕方ない。ワースト2は戸崎で▲0.072の0.340です。こちらも長期休養明けなのでノーカンノーカン。

問題はその次のワースト3ですが、ここは▲0.062で0.289とした田辺でした。昨年は0.351とキャリアハイの数字でしたが、今年は年明けから調子が悪かったようで、1月期から順にワースト12、4、5、5、4、3と常連さんになってます。関東3番手のハズが、リーディング15位(関東4位)と思ったより伸びていない数字に止まっているのは少し心配ですね。レーン、ヒューイに奪われただけだと良いのですが。

ワースト4はミルコで▲0.061の0.351です。▲0.061も落として0.351って元はかなりスゴかったって事ですよね。昨年も▲0.137の0.415でワースト1でしたが、こちらも1割以上落として4割も馬券に絡むって何だよ!というツッコミができるくらい数字は良いです。態度が悪い云々言われていますが、そろそろ許してあげても良いんじゃないでしょうかね。

ワースト5は浜中でした。こちらも3ヶ月の休み明けですが、▲0.058の0.250と9年連続3割超えの騎手とは思えない水準ですね。個人的にはリーディングTOP10にいるべき騎手だと思うのですが、ミッキーアイルのアレから成績は下降気味です。ダービージョッキーになれたとはいえ11番人気の激走ですし、そのまま引退と浮上のきっかけが見えない状況下での落馬負傷の休養ですから、このまま沈んでいっても全くおかしくありません。しかし、GⅠでは用無しの川田に比べたらまだまだ信頼できる存在だと私は信じています。夏競馬で自信を取り戻して再びリーディングを狙うぐらいの気概を見せて欲しいところです。

ワースト6は北村友です。まぁ上期の成績を見たら当然ですね。1月期よりワースト3、1、6、10、8、6と一時の沈みっぷりより多少は回復しましたが、キャリアハイの昨年と比べると▲0.057の0.309と残念な数字。ただ、ミルコと同じく下げ幅はともかく数字自体はそこまで悪くありません。今年もGⅠを勝ちましたし、勢いを取り戻せるか注目です。

ワースト7は内田と斉藤新が同率で並びます。前者は▲0.054の0.165、後者は0.168です。内田は凋落が激しくなってきました。3割後半を維持していた2012年からわずか2年で1割も落とし、さらに近年は騎乗数減とともに0.250を切り、さらに今年は2割すら切る0.165では、そろそろお役御免の可能性もあります。斉藤新も騎手の成績でも書いたように完全に置いて行かれた状況で、個人的にはどう盛り返すのか注目しているのですが、なかなか簡単には行かないようです。今週は重賞に乗れますし、反転攻勢のきっかけにしてほしいですね。

あとは▲とはいえそこまで数字が悪くない騎手ばかりです。散々ダメ出しした西村も、数字の上では▲0.026の0.239でワースト15と言うほどでもありませんでした。我らが野中君も2月期からワースト13、11、7と悪化していましたが、5月期には14、6月期は▲0.018の0.120と昨年の水準に戻しているので、この辺りはコレを理由に馬券を・・という必要はないでしょう。

こう見ると意外な騎手の名前が挙がりますし、夏競馬の活躍を楽しみにしたいですね。ついでに馬券でもお世話して下さい。



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