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池添VS富田暁の件について思う

池添と富田暁の問題の内容が色々と露わになってきましたが、ぶっちゃけ昭和生まれの身としては、酔っ払い同士の喧嘩で、当人同士が納得しているのに、外野があーだこーだ言うのはなぁ・・と思います。特にどうしても警察沙汰にしたい輩には、なぜそこまでするのか良く分かりません。


■二人とも悪いことをした

まず前提として今回の件は、暴行、傷害、器物破損という事案であることは間違いありませんし、私はそれを肯定するわけではありません。名前が売れている騎手という職業である以上、そうした話題が出ることは好ましくありませんし、両者とも十分に反省してもらいたいと思います。


■刑事罰を望む輩

ただ、仮にこれで富田が被害届を出したとしても、池添も被害届を出せば、両者が加害者で被害者という状況になります。しかも両者とも酔っていた状況であれば、警察は何が何でも立件して起訴まで持っていこうとするでしょうか。

警察の通常運転として、お互いの話を聞いて、それぞれが謝って被害分を賠償する方向に持って行くと思います。そして被害届を取り下げさせて、喧嘩両成敗で終わりにさせます。わざわざ事を荒立てて、面倒なことはせんのですよ警察は。


となれば、あとは当人同士がどう考えているかの話で、そこは外野がどうこう言うのは違うんじゃないかと思うわけです。にもかかわらず、ネット上は《これは刑事事件だろ》《富田、被害届出せ》という声が多く、令和の時代の感覚に戸惑いますね。

例えば、学校の人気のないところで友達と喧嘩したけど、お互いに頭冷やして謝って解決したのに、学級委員長が二人が喧嘩していた、これは問題だ!と教師に進言し、それを受け入れた教師がHRでお互いに謝れ、そして迷惑をかけたクラスメートにも謝れ、とか言われたら、はぁ?となりませんか。

芸能人の不倫もそうです。世間一般には何も被害がないにもかかわらず、ファンでもない輩やマスメディアが、必要以上に騒ぎ立てて当人を責めるでしょう。影響力がある人がした事案という条件があっても、それを解決するのは当人たちと家族ですからねぇ。例えは悪いかもしれませんが、外野が首突っ込む問題ではないと思うわけですよ私は。



■結果だけを見て過程を見ず

それに、今回の件でよく見かけた《17歳も下の後輩に》といった《池添だけが悪い》という風潮も同意しかねます。池添が未熟という点を指摘するために使われるのは分かるのですが、『17歳も下だから手を出してはいけない』という意味で使っているのであれば、それはどうかと思いますね。子供相手の話ではなく、成人した大人同士ですし、富田は8年目で若手騎手の括りからも外れていますから、年齢は関係ないでしょう。

また、そうした年齢が上+怪我をさせた側という条件だけで、池添のみが悪いという意見もどうかと思います。なぜなら、池添が殴ったり、蹴ったり、投げたりして怪我をさせたかどうかは分かりませんよね。富田が激高して池添に殴りかかり、池添はそれをいなし、動きについていけなかった富田がバランスを崩して設置物や構築物に突っ込み怪我した可能性も考えられます。酔っ払いがそれを繰り返したら鼻も折れるし、肋骨も折れてもおかしくありません。

他にも、池添も怪我をしているが骨折などの大きな怪我ではなかった、あるいは富田が殴る蹴るの暴行を繰り返し、それを止めるために正当防衛としてやり返した、なども考えられますし、池添がアルハラをかましたとか、高圧的な説教をしたなども、富田がそう話したのであればともかく、そうでないなら同席した人間の主観によるものですよね。


しかし、我々情報を受け取っている側は、そうした状況まで把握できていません。分かっているのは、酔っ払い同士が口論から喧嘩して怪我をした事実だけです。その過程については大まかに判明しているだけで、そこでの状況が子細に報じられていない以上、結果から自分の好きなように推測しているに過ぎないのではないでしょうか。

これってワイドショーで、何も詳細が分かっていない状況なのに、自分の推測だけで、あーだこーだ言うコメンテーターと変わりませんよね。状況次第では、どちらがより悪いのか、真逆の結果になることもあるでしょう。にもかかわらず、年上の池添が悪い、怪我をさせた池添が悪い、というのはおかしくないですかねぇ。


■騎乗停止期間

それから騎乗停止期間については、まぁ何とも言えませんね。後藤VS吉田兄のケースは、状況からの結果(武器持ち+計画性+被害届の提出を示唆)がもろもろ合わさって、4ヵ月という長期間にせざるを得なかったのではないかと推測します。

旧・藤田のケースは、飲食店の従業員に対し、接客態度が悪いと右ほおを一発殴打し、起訴猶予処分となりました。従業員側の接客態度が悪かったという情報があるにせよ、殴られた方は被害者意識を持って通報し、不起訴とはいえ起訴猶予処分である以上、藤田に庇える条件がほぼ無かった上に、JRAの藤田に対する心証が良くなかったという話もありますので、長期にしない理由が無く、3ヵ月となったと推測します。

吉田隼人のケースは、彼女の浮気現場に遭遇し、相手と口論になったところ、逆ギレした相手が殴りかかってきたので応戦し、全治10日の負傷をしてしまい、さらに相手が刑事告訴して罰金刑が確定したため、1ヵ月の騎乗停止となりました。相手側の情報が全くないので、吉田隼人一人が悪いかのように扱われていますが、これは運が無かったですね。

それ以外にも、高市圭二先生や谷原義明先生はレース後に、後藤に対して暴行し過怠金10万円の処分を受けていますし、キムテツは大塚海渡に暴行して罰金刑を受けたため3ヵ月の調教停止処分を受けています。


こうした内容から推測するに、池添が4日間、富田が2日間の騎乗停止で済んだのは軽い方だと思いますが、軽すぎるとも思えません。明確な悪意や刑事罰があれば1ヵ月以上の騎乗停止も止む無しと思いますが、JRAの施設内での出来事とはいえ、JRA側は怪我の程度や被害届などについては把握しておらず、あくまで粗暴な行為があったことに対しての処分であるため、「おまえら、ケンカすんなよ」という意味での処分でしょう。

両者ともに加害者で被害者である点は考慮されていると思いますし、どちらかが被害届を出したらもっと長引くので、両者ともそれを望まなかったのかもしれません。


■まとめ

ずらずらと語ってきましたけど、このアカウントの最初の記事でも述べたとおり、これはあくまで私個人の意見です。異論反論大いに結構ですが、誹謗中傷は止めましょう。

それから、酔っ払い同士の喧嘩に外野がちゃちゃ入れんでもええやろ、というのがこの記事の趣旨であって、池添が悪くないという話ではありません。先日、鈴木君とこの話してたら『じゃあ池添は悪くないって事ですか?!』と怒られて、頭の良い人でも0か100かでしか考えられんのか、と思ったこともあり、池添も悪ければ富田も悪いでしょ、というか外野がどうこう言わんでもええやろ、という事が言いたかっただけです。

だって鈴木君怖かったもん・・・あんなに怒らんでもええのにねぇ・・・

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