見出し画像

2023年グラミー賞生ブログ #6

未だに衝撃の受賞発表の余韻冷めやらぬ中、音楽に対するポジティブなメッセージがアカデミー会長のハーヴィー・メイソンJrによって伝えられた後、再び最優秀アルバム受賞作を予想するファン選出のメンバーが、ケンドリック・ラマー、アバ、コールドプレイ、そしてメアリー・J・ブライジがなぜ最優秀アルバムを取るべきか、という熱い論議してる。
そしてそれに続いてパフォーマンスを見せてくれるのは、今回主要部門にもノミネートされてるスティーヴ・レイシー。バックでサンダーキャットが6弦ベースを弾く中演奏するのは大ヒット「Bad Habit」。さっきWOWOWスタジオでこがけんさんが言ってたけど、今スティーヴには、従来のジ・インターネット時代以来の「玄人の洋楽ファン」とこの曲のアップテンポバージョンがバズってヒットのきっかけになったTikTokで彼を知った「新しいファン」が両方付いてる状態なので、今年以降も活躍が期待できそうですね。

Steve Lacy and Thundercat performing "Bad Habit"

今度はトレバー、ハリー・スタイルズの横に座って「君もツアーで大変だと思うけど、セクシーな我々二人で一緒にツアーやらない」なんてセールストークして会場の笑いを誘った後、最優秀新人賞の発表に。プリゼンターは去年の受賞者、オリヴィア・ロドリゴ。さあ、ここはDOMI&JDベックか、それともマネスキンか、はたまたジャズのサマラ・ジョイか、ウェット・レッグか?いやああああああこれもこう来たか!というサマラ・ジョイが受賞しちゃったよ。確かに彼女、実力と歌声の魅力満点だけど、いやあここはマネスキンに取らせたかったなあ。ステージに上ったけど、感動と喜びでスピーチが言葉にならないサマラ。ノミネート発表を聴いた時の狂喜乱舞ぶりがインスタに上がっていたけど、この受賞は間違いなくそれ以上の(うれしい)ショックなんだろうなあ。これでジャズ・ミュージシャンとしては第53回のエスペランザ・スポールディング以来、12年ぶりの受賞、いやあ今年はサプライズがてんこ盛りですごい。予想は外しまくりだけど(笑)。

Harry Styles winning Album Of The Year Grammy

さてトレバーから、最優秀プロデューサー部門ジャック・アントノフが2年連続で受賞したとの発表が。横に座ったテイラージャックの体を揺さぶりながら喜んでるの、いい光景ですね。そしていよいよ最終部門、最優秀アルバム部門の発表。ステージには先ほどから熱く議論していたファン選出のメンバーが勢揃いして、発表するのはトレバー。そして受賞したのは…..おお何と、ハリー・スタイルズの『Harry's House』!うーんこれなら誰にも文句はないよなあ。受賞を聴いた瞬間にキッド・ハープーンと抱き合うハリーリゾとハグするハリートレバーに「あなたが発表しなさい」と開けた封筒を見せられて驚愕していたファン選出メンバーでハリーを推していた初老の女性、みんな嬉しそう。しかしハリーはいきなりステージに上るなり「S**t! S**t!」と叫ぶし、キッド・ハープーンは家族に向けて「f**king love you!」って叫ぶし、これ編集スタッフは忙しいな(笑)。いやでもハリーの受賞も充分その資格ありなんで祝福したいね。4度目のチャレンジでまたも受賞を逃したケンドリック、いつになったら取れるんだよ、と思うけど

Jay-Z raps over 5 minutes in the Grammy closing performance of "God Did"

さて今年のグラミーはサプライズだらけだったけど、面白かった。今回は明らかにアフリカ系アメリカ人や、LGBTQ+、そして多様性に対する評価と配慮が明確に結果に反映された結果だったので、ハーヴィー・メイソンJr.が推進しているグラミー・アカデミー改革は更にその結果を出し続けていると評価したいね。でも授賞式の最後のパフォーマンスがDJキャレドの「God Did」だってのは微妙だけど。まあそれでもジェイZリック・ロス、リル・ウェインら実力ラッパーたちのパフォーマンスで授賞式のを締めるというのも今年のグラミーの方向性には一応沿ってると思うべきなのかもしれないな。DJキャレドは目立たないようにして、会場の外に最後の晩餐をイメージさせる長くて大きいディナーテーブルにこうしたラッパー達が並んで、最後ジェイZが長いソロ・ラップを聞かせる場面はなかなか今までのグラミーっぽくなくて良かったと思う。最後のジョン・レジェンドの歌もよかったね(横で叫んでたDJキャレドが邪魔だったけどw)。

WOWOWスタジオではビヨンセの受賞逃しのショックのコメントもありながら、ハリーの受賞への祝福、ハリーのアルバムのタイトルが細野晴臣さんの『Hosono's House』であることなんかを紹介しながら「今年の主要4部門を当てた人はいないんじゃないか」というこがけんさんのコメントが胸にグサリ(笑)。ええ、自分もアルバム部門以外は無印が受賞という大外し状態でした(爆)。こんなに外したの、2019年第61回の、あのチャイルディッシュ・ガンビーノ現象が起きた時にアルバム部門以外外して以来でした。

長く続いたこのグラミー・シリーズ・ブログ、今日の授賞式の生ブログも含めていかがでしたか。来年も懲りずにやりますので、また楽しみにして下さい。ではまた来年のグラミーで会いましょう!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?