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フジロック2020ストリーミングに元気と感動をもらった。

ホントにもう、コロナさえなければ今頃は苗場のフジロックの会場を例によって走り回りながら、いろんなライブパフォーマンスに身を委ねる夢のような週末を過ごしていたはずなんだけど。と思ってたら、何と昨日の金曜日からスマッシュさんの企画で、過去映像などをあたかもフェスが進行しているかのように流してくれるというYouTubeストリーミング・イベントをやってるよ!というのを友人から聞いて慌てて昨日の夜から見始めてます。不覚にもこの企画を知ったのが昨日のお昼前くらいだったので、Day 1の映像、特に後でラインアップ見て観たかったなあ、と思ったStone Rosesとかフーファイとかトラヴィスとかが見れなかったし、Day 2の前半もHAIMが見れなかったのが残念。自分で見たクルアンビンアンダーソン・パークももう一度見たかったけどね。

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今日も朝から昨日のDay 2の再配信をGreensky Bluegrass(2018年のフジロック観に行った時にジャック・ジョンソンのグリーン・ステージで即席共演してたオルタナ・ブルーグラス・バンド)あたりから延々見ながらいろいろ作業していたのですが、だんだん自宅にいるのにあたかも精神は苗場に飛んでいってライブ空間を共有している、そんな感じになってきていい気分。いやあ苗場に行っていながら見れなかったカマシフジでのステージが見れたのも良かったし、フジロックに行き始める前のウィルコG.ラヴのステージも「あーこの頃から行ってれば!」と思わされることしきり。

一方自分でも意外だったのは、その後に登場した日本のバンドのライブに思わず引き込まれたこと。ストリーミングがRookie-A-Go-Goフジロックが毎年開催する日本の新人バンドの登竜門的なステージ)のセグメントに突入したので一旦止めようかな、と思ってたらいきなり今話題のKing Gnuが出てきたのでそのままにしていると、自分の勝手なイメージとは違う、今年のフジロックのメインの一つだったテーム・インパラを思わせるような曲やってて「へえ」。その後も出てくるバンドどれも明らかに実力派バンドだとすぐ判る連中ばかりで(考えたら当たり前ですが)思わずずっと観てたんですが、特に聴いてて心を動かされたのがサンボマスターの「ロックンロール・イズ・ノット・デッド」。サンボマスターって名前しか知らずにちゃんと聴いたことなかったけど、こんな骨太な演奏で、聞いててインスパイアされる歌詞(「誰にも言えない孤独だとか/君の不安を終わらせにきた/君が生きるならぼくも生きよう」)をキャッチーなエモ・ロック風の楽曲で聞かせて、ほんでもってボーカル&ギターの山口の風貌とのギャップ(笑)に思わず引き込まれていく自分。気が付いたらうっすら涙ぐんでた自分にびっくり。やっぱこんなコロナな状況で、人と人との関わり合いみたいなものが疎遠になっちゃってることと、あの苗場でこういうライブを思う存分体で感じたい、と思いが涙腺を刺激したらしい。自分は日頃Jポップとか日本のロックとかあまり聴かないけど、去年のフジロックでもふと立ち止まった小さなステージでやってた当時17歳の女子高生シンガーソングライター、みゆなのライブに心動かされたように、たまにこういうまったく知らないアーティストや、ちゃんと聴く機会のなかったアーティスト達との出会いもあるのがフジロックの大きな魅力の一つだと思う。

そのまま見てると「Fuji Rock Legend」のコーナーで忌野清志郎の2005年?の伝説のグリーン・ステージ・ライヴが始まった。これ、昨夜の本配信の時も見たけど、もう一度頭から最後まで観てしまった。大学時代から国分寺〜国立エリアで青春を過ごし、大学時代は学園祭の実行委員の役得で、1980年アルバム『Rhapsody』ブレイク直後の生清志郎と生チャボに学園祭ライブの楽屋で会った経験もあり、清志郎は僕に取って特別な存在。残念ながらその学園祭ライブ以降生の清志郎ライブを見る機会がなかったのだけど、今回フジロックでのライブをこのストリーミングで見て、甚だベタな言い方で気恥ずかしいのだけど、生じゃないのに改めて感動してしまった。ライブ開始前の清志郎作のフジロックテーマ曲「田舎へ行こう」がビデオと共に流れて、そして清志郎がステージに登場した瞬間のあのパッと灯が灯ったような存在感、そして彼のステージでのルーティンである「みんなに聞きたいことがあるんだ〜愛し合ってるかい?」のあの一連の語りとオーディエンスと一体になって「イェー!」と盛り上がるあのあたりでは自然に目頭が熱くなって困った(清志郎がオーディエンスを煽る「イェーって言えー!」ってのに吹き出しながらw)。もともとオーティスのスタイルを拝借したルーティンだけど、もはやこれは「清志郎の唯一無二のステージルーティン」として完成したもので、清志郎とオーディエンスがライブのその瞬間を一体になる重要な儀式だったから。そしてコロナで苦しむ人々や、自国民を分断するような政策や発言を繰り返すいくつかの国のリーダー達に悩む人々や、そして(未だに)様々な国際紛争が続いてる状態を見て、今清志郎が生きていたらどういううたを歌い、どういう行動をしてたんだろう、と思ってしまったから。

あの学園祭ライブでも生で聴いた「雨上がりの夜空に」を清志郎が熱唱するのをストリーミングで見ながら、ふと「そう言えば今年のフジロックの最終日のグリーンでは、今くらいの時間に、チャボを中心にChar奥田民生らをメンバーにしたROUTE 17 Rock 'N' Roll Orchestraのステージが始まってる頃じゃないんかな」と思いあたった。きっとそのライブも、オープニング前には清志郎がロードバイクで走るビデオと清志郎の歌う「田舎へ行こう」が流れていたに違いないし、クライマックスのあたりではきっとチャボCharのギターをバックに「雨上がりの夜空に」が演奏されていたに違いない。そして僕らオーディエンスはそれを聴きながら、目の前のステージから聞こえてくる音に脳裏に未だに焼き付いている清志郎の顔と歌声をダブらせて(おそらく目頭を熱くしながら)聴いていただろう。スマッシュさんには是非、フジロック2021でも清志郎のトリビュート企画をお願いしたい

今夜も18時からDay 3のストリーミングが予定されていて、今年のフジロック出演予定だったFKAトウィッグスを始め、自分も去年現地で観たゲイリー・クラークJr.ヴィンス・ステイプルズや、ジェイムス・ブレイク(2016年のグリーンか、去年のホワイトか。個人的には2016年のグリーンでのあのスピリチュアルなステージを希望)、サンダーキャットフジロック名物ウィルコ・ジョンソンら、そして「Fuji Rock Legend」のセグメントでは、何とあの故ジョー・ストラマーの1999年のライブが見れるらしい。そして最終のヘッドライナー・セグメントでは何といってもビースティーズの2度と見れないフルメンバーでのライブが楽しみ!そしてそのセグメントの直前に予定されているサンボマスターの単独ライブ配信や、その後に予定されている電気グルーヴの新曲PVなんかも期待できますね。アクセスするには、このリンクから。

既に来年のフジロックが楽しみになってくる一方ですが、今夜は、再び苗場に戻った気分になって、自宅で最後のフジロック2020ストリーミング配信を楽しむことにします。今年見れなかったアーティスト達が来年以降もフジロックに戻ってきてくれることを期待しながら、そして清志郎のことを思いながら。

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